まだまだ暑い日が続きますが、きょうは最近、再び注目されている「レモンサワー」のお話です。
レモンサワーは半世紀以上前に生まれました。
ちなみに、このレモンサワーという名前の由来ですが、レモンが入って、爽やかな味だから、「爽やか」を「サワー」と略したのではないかという説もあるそうです。
その後、1980年代前半に居酒屋さんでチューハイブームが起きて、缶チューハイも人気に。
「レモンハイ」は居酒屋さんならどこでもあるような定番メニューですが、ビールや、ホッピー、ハイボールのように主役になる事はありませんでした。
しかし、今、レモンサワーがハイボールに変わって、居酒屋さんで、ブームになりつつあるんです。
ブームというのは、必ず牽引する人がいるものですが、レモンサワーを大好きだと公言しているのがEXILE。
レモンサワーをEXILE公式ドリンクと名付けているそうで、高級イタリアンレストランでおこなったメンバーの誕生会でも飲んでいたのがシャンパンでもワインでもなく、レモンサワー。
グループを結成する時や、誕生会、打ち上げなど、EXILEは大事な時に必ずレモンサワーを飲んでいるそうで、打ち上げでレモンサワーを2,500杯飲んだという信じられない伝説もあるとか。
そして、レモンサワーにはまっているのは、EXILEだけではありません。
ビールを飲まない若い世代の方たちに人気が広がっています。
フルーティーで飲みやすく、お値段的にも手ごろなため、再び流行り出しています。
レモンサワー専門店なども登場していまして、激戦区の恵比寿ではレモンサワーの名店をはしごするというような楽しみ方をしている愛好家もいるそうです。
レモンサワーは唐揚げや、鳥の素揚げ、モツ焼きなどといった料理と相性がいいので、レモンサワーの名店もこういった料理の専門店が多いようです。
さらに、レモンサワーの専門店ではスムージータイプのレモンサワーや、ハチミツに漬け込んだレモンを使ったもの、さらには強めの炭酸や国産レモンにこだわったものなどもあります。
レモンサワーの売り上げは、居酒屋さん全体で上がっているそうで、レモンサワーの必需品とも言える博水社の「ハイサワーレモン」の業務用の商品が前年比を上回っているそうです。
そして、ご自宅で飲むという方。
1980年代に登場した缶チューハイもレモンサワー人気と比例して、好調です。
焼酎ベースの酎ハイが多い中、2001年にウォッカベースの画期的なチューハイを出したのがキリンビールの「氷結」シリーズ。
2001年当時、缶チューハイは焼酎ベースのものが一般的でしたが、「味にくせがあって飲みにくい」「人工的」などの声が多かったそうです。
そこで、ウイスキーのブレンダーの方なども交えて、雑味を取る事に重点を置いて、開発。また、搾りたての果汁を、熱を加えずにそのまま凍結させることによって、果物のフレッシュさを実現しました。
アサヒビールが強調するのは、果汁の新鮮さ。
「アサヒもぎたて新鮮レモン」は、収穫後24時間以内に絞られたレモン果汁のみを使用。
果実本来の香りの劣化を抑えて、作りたてのおいしさを実現しています。
サントリーが出しているのが「-196℃ストロングゼロ<ダブルレモン>」。
果汁に加えて、果実をまるごと−196℃で瞬間凍結させて、お酒に漬け込む「-196℃製法」という、特許技術を採用。
しっかりとしたレモン感と、アルコール9%の飲みごたえで好評です。
そして、レモンサワーに欠かせないのが、博水社の「ハイサワー」。
焼酎をハイサワーレモンで割った、「レモンサワー」に「パクチー」や「大根おろし」などをちょい足しする飲み方を仕掛けているそうです。
大根がピリピリとしておいしいサワーです。
また、レモンが大根の臭みを取り除き、胃もすっきりとすると言われています。
最後に、レモンサワーに詳しいフードライターの白央篤司(はくおう・あつし)さんにレモンサワーの人気の背景について伺いました。
レモンサワーは「赤ちょうちんでおっさんが飲むもの」「お金がないときに安く酔えるもの」といったイメージを持ちがちです。
しかし、チューハイブームや居酒屋ブームを知らないその下の世代は、クセがなく柑橘香るレモンサワーを抵抗なく受け入れ、飲みやすいアルコールとしてファーストドリンクに選ぶ人が増えています。
ミントを入れたり、香りづけにリキュールを足したりと、奥行きのある楽しみ方をする人が増えつつある。
そうで、究極のレモンサワーの作り方については、
おいしいレモンサワーは質じゃない。焼酎とか炭酸とか、オーガニックレモンにこだわるよりも、大事なのは、お酒と割りものの比率を守る事。
お酒が1に対して、割りものが2.5。
割りものは定番のハイサワーが甘みと酸味のバランスがよくて、おすすめ。
だという事です。
9月2日(金) 高嶋ひでたけのあさラジ!「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より