「悔しいけれど、3連覇できてうれしい」フィギュアスケート女子・宮原知子(18歳)スポーツ人間模様

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フィギュアスケートの全日本選手権。女子はショートプログラム首位の宮原が完全優勝を飾りました。大会3連覇は2006-09年までV4を飾った浅田真央以来。合わせて来年3月29日、ヘルシンキで開幕する世界選手権の代表に選出されています。

宮原知子

女子で3連覇を果たし、観客の声援に応える宮原知子=東和薬品ラクタブドーム 写真提供:共同通信社

「フリーはもうちょっといい演技がしたかった。悔しいけど、3連覇できてうれしい」

と、複雑な胸中を明かしたのは、日本のトップではなく、世界の頂点へ君臨するための、強い気持ちの表れでしょう。

「勝ちたいと思った場面で勝つのが、本当の金メダリスト。そういう強い人になりたい」。

150センチと体は小さい。しかし、ミス・パーフェクトの異名があるように安定感抜群。昨シーズンは、70回トライして、転倒したのはわずかに1度。奇跡的です。

「体が大きい人は、ちょっと動いただけで、大きな演技になる」。

宮原が今季、テーマにしたのは、演技構成でした。5月、アメリカ・コロラドスプリングスでトレーニングをスタート。ここを選んだのは、世界フィギュアスケート博物館があり、レジェンドの偉業を感じながら厳しいシーズンへ挑む、そんな含みもあったようです。

トレーニングは1日、10時間にも及びますが、決して音を上げることがない。質、量とも断トツでした。課題の演技構成では、かつて、英国の2つのロイヤルバレエ団でプリンシバルをつとめた、吉田都に演技を学びました。ダイナミックに魅せる。体が小さくても、全身を使って補う。

さまざまなカテゴリーから学ぶことは、濱田美栄コーチの指導法の一環です。サッカー、FCバルセロナのリオネル・メッシ。そのプレーをダイジェストに編集して宮原に観せました。「メッシも体が小さい」ということに共通点を見いだし、世界のトッププレーヤーに君臨しているのはどうしてなのか。賢い、宮原なら十分に感じることがあったはすです。

フィギュアスケーターとしては、これまで日本ではいなかったタイプ。グランプリシリーズ・ファイナル遠征時は、母校・関大の図書館で借りた、孫氏の兵法を携えていきました。「いろいろな心に残る言葉がある」。カナダ遠征時の際は、ラグビー日本代表の五郎丸日記。即効性はなくても、読書は人を成長させる一助となります。

しかし、周りの記者たちに言わせると、インテリジェンスあふれ、とても頑張る選手なのだけれど、質疑応答時に声が小さい。
それを聞いた濱田コーチの対策は、カラオケで、歌を歌わせて鍛えること。なるほど、妙案です。

名実ともに日本のトップになった宮原。3月の世界選手権では優勝の期待が集まります。

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12月26日(月) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」

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