フィギュアスケートのグランプリシリーズ・ファイナルで羽生結弦が、男女を通じて史上初の4連覇を達成しました。
フリーではいったい何点出るのだろうというくらいの出来。しかし、ショートプログラムでの貯金が利き、きわどい差でしたがネイサン・チェンをかわして優勝することが出来ました。
左足甲靭帯損傷が長引き、氷の上に降りることが出来たのは6月から。合わせて体調が万全ではなかった。NHK杯では、マスクとネックウォーマーを着用していました。
出場する大会では、優勝が当たり前。プレッシャーから解放されることはありません。ずっと、気が張った状況は、どうしても風邪をひきやすくなる。また、今シーズンは体重が落ちて、その調整にも苦労したようです。コーン、ポテト、みそ汁の3種類のスープでグラム単位の体重調整でした。世界一のスケーターには、目に見えない苦労が多くあります。
勝ってホッとした。それが偽らざる心境でしょう。2週前のNHK杯フリーと比較すれば10点以上低かった。今大会、2位へ躍進した米国の17歳、ネイサン・チェンがSP5位から一気にジャンプアップ。ルッツ、フリップ、トーループの4回転4本をすべて決めています。
新興勢力の登場で、さらなる大技を開発しなければならなくなった羽生。それは誰も成功していない4回転アクセルです。
「4回転アクセルは、スケートを始めた頃からのぼくの夢。いつか試合で入れていきたい」。
ここまで進化しても、なおかつ4回転アクセルというのは彼にとってもまだまだのテーマです。
アクセルは片足で前向きに踏み切る、6種類のジャンプでも極めて難度が高いテクニック。
初めて競技会で、3回転アクセルを成功したのは、1978年世界選手権のヴァーン・テイラー(カナダ)でした。それから約40年経ち、人類がプラス1回転の進化を遂げようとしています。女子初のトリプルアクセル成功は、88年の伊藤みどり。今度は、羽生が──となれば、それこそ大事件です。
12月12日(月) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」