「Jリーグに怖いと思われるような選手がいなくなった」J1鹿島アントラーズMF・小笠原満男(37歳)スポーツ人間模様

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サッカー天皇杯は120分に及ぶ大激闘。鹿島が通算19個目のタイトルを手中にしました。鹿島は強い、いまだにクラブワールドカップ決勝で、レアルマドリードに敗れたことを悔しがっていますが、本当に強い。

天皇杯サッカー決勝・鹿島アントラーズ-川崎フロンターレ,優勝し、サポーターとともに喜ぶ小笠原満男(中央)ら鹿島イレブン=1日大阪・市立吹田サッカースタジアム

天皇杯サッカー決勝・鹿島アントラーズ-川崎フロンターレ,優勝しサポーターとともに喜ぶ小笠原満男(中央)ら鹿島イレブン=1日大阪・市立吹田サッカースタジアム 写真提供:時事通信

この日も存在感を見せたのが、表情を全く変えないキャプテンの小笠原です。
対戦相手の川崎のキャプテンは司令塔の中村。2人の差が如実に表れたのは、前半も20分を迎える前のワンプレーでした。

ピッチ中央付近で小笠原がドリブル突破を狙いますが、川崎・小林悠がファウルで倒される。転がったボールが中村の足元へ来ると、そのまま蹴り返し、倒れた小笠原を直撃。そして、激高した小笠原が中村に詰め寄る。集まったイレブンが、あわや一触即発のシーンに。
ただこれは、
「パフォーマンスのひとつ。細かいところにもこだわって、闘う姿勢を見せたかった」
と小笠原は試合後に明かしています。

プロ野球でいえば、ナインを鼓舞するため、指揮官が退場覚悟で審判へ詰め寄るシーンと同様。小笠原のパフォーマンスは、若い選手を刺激したわけです。
シーズンを通して、変わらないのは、どんな故障を抱えていても泣き言など漏らさず、黙々と練習を行う。
加えて、口数が少なく、ファンサービスも熱心とは言い難い。表現は古いかもしれませんが、男は黙って-というスタイルを貫いている。

小笠原が親しい関係者へ、こんな話をしたそうです。
「今のJリーグは、走ります。頑張ります。そんな選手ばかりだ。」
個性がないとは、よく一般社会でも指摘されることですが、確かに、小笠原が若手といわれた時代は、チームにはジーコ、レオナルド、秋田など実績もすごいが、口先だけではなく勝つことにこだわり続けたビッグネームがたくさんいました。

「Jリーグに怖いと思われるような選手がいなくなった。おれが若い時は、ジュビロ(磐田)の名波さんが本当に怖かった。」

かつては、司令塔で日本代表の常連。
ただし、経験を積むごとにジワリジワリと守備位置が下がる。
現在は、鹿島の守備的ミッドフィルダーボランチです。このポジションが近代サッカーにとって、いかに大切かは皆さんご存じの通り。小笠原は
「ボランチがいいチームは負けない」
と豪語します。
これは過去2度、鹿島の監督をつとめた、トニーニョ・セレーゾさんが話していたこと。ブラジル代表では、黄金のカルテットのワンピースとして、名ボランチとしてならした。小笠原は、そのボランチがどうあるべきか、をバッチリ指導されたのです。

天皇杯決勝のメンバーは、体調不良などの選手多く、ベストとはいえなかったものの、見事な統率力で勝利をもぎ取りました。

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1月2日(月) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」


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