きょうのピックアップスポーツといえばJリーグ、チャンピオンシップ準決勝。
勝ち点2位の川崎と、同3位の鹿島が決勝進出をかけて一発勝負を行います。
特に気合が入っているのは、川崎フロンターレの大久保嘉人(よしと)。
「サッカー人生、ナンバーワンのモチベーションで臨む」
川崎は2005年J1へ昇格してからリーグ戦で3度の2位があるもののまだ優勝がありません。カップ戦や天皇杯などを制した実績もありません。
さらには、自身が今シーズン限りでFC東京への移籍がほぼ決定済みで、タイトルを置き土産にしたいからでしょう。
移籍を決断したのは、これまた今季限りで退任する風間八宏監督への恩返し。
2012年所属していた神戸がJ2降格。大久保は事実上の戦力外通告を受けました。
そんな時に川崎から熱烈オファーが-。
「関東へ行くなら、どこでもいいから海外でプレーしたい」
と大久保は、あまり乗り気ではなかった。
一方、川崎フロントも獲得する気は全くありませんでした。なぜなら、イエローカードが多い。素行が悪い。ファンサービスなどするわけがない、という悪い印象を抱いていたからです。
しかし、風間監督が「どうしても獲ってほしい」とフロントを説得した経緯があることはほとんど知られていません。
そして、大久保に対してラブコールをおくった。
「自由にやってくれるだけでいい」
このひとことが、大久保を決断させたのです。
川崎へ合流してから、それこそ目からうろこが何枚も落ちるような指導を受けた。
「最初、ゴールをあげてくれればいいから、動くな、といわれた時はビックリです。サッカーを始めて、ずっと、とにかく行け!そればかりだったから。」
風間監督の指導法は基本を大事にする。日本代表の経験がある選手へ、ボールをちゃんと止めろ。ちゃんとボールを蹴れ。相手の動きを外せ。といったことを明確にいう。
「半歩動けば、半歩のスペースができる。こんなことを教わったことはない。また、プレーしている選手がおもしろくないサッカーをすれば、見ているサポーターもおもしろくない、という言葉もなるほどと感じた。」
2013年からJ1初の3年連続の得点王に輝いたのも、風間イズムの賜物です。
指導者が大久保の体内に眠っていた、ものすごい資質を目覚めさせたといっても過言ではありません。
では、なぜ移籍をするか? それは、風間監督が今季限りで退任することが決定したからでしょう。辞める、というニュースが突然、伝わると、真っ先に「いたくはない」といい出したのが大久保。
出会いがなければ、今頃は引退をしていたかもしれません。
「監督から、自分に期待してみろ、といわれた。事実、そうすることでプレーが変わりました。おかげで、練習も楽しい。とにかく、チャンピオンになることが目標だけど、まずは準決勝で勝たなければ話にならない。すごい試合をします」
とボルテージが上がります。
きょうは、日本代表のハリルホジッチ監督が視察に訪れる。
風間監督も
「嘉人とともに、Jリーグはすごい、ということをぜひ、お見せしたい」
いよいよ集大成です。
11月23日(水・祝) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」