93回を迎えた正月恒例の箱根駅伝。往路優勝は予想通り3年連続で底力を発揮した青学大でした。
今大会、復路も制すれば3連覇。プラス、出雲、全日本を含め大学駅伝3冠に王手をかけています。このトリプルクラウンを達成するのはとても難しく偉業を成し遂げたのは、過去3校のみです。
今回のキャッチフレーズは「サンキュー大作戦」と命名。3連覇と3冠に加え、箱根は9度目の出場。で、サンキューになりました。
2015年の「ワクワク大作戦」に始まり、昨年が「ハッピー大作戦」。そうしたネーミングで注目を集め、選手をヤル気にさせるのが原流です。
例年、箱根といえば、スポットを浴びるのは5区の山登り。
ただ、今年から距離が短縮され、各校の監督は作戦を立てるのがとても難しくなりました。
「神さまの出現を待っていても話にはならない。」
それだけに独自表現の優勝確率、サンキュー指数は大会前「39パーセントぐらい」と語っていました。
しかし往路Vで「93パーセントにあがった」と自信を深めています。
33秒は絶対のアドバンテージとはいえませんが「復路には、何人かいい選手がいる」と説明しているそうです。
さて、こうも強いと不思議に感じるのは、青山学院大学はいったい何が違うのか?
最大の特性は1、2軍制を敷いている点です。
選手はタイムでSS、S、A、Bの4つに分けられ、這い上がってくる選手にチャンスを与える。さらに、関係者によると待遇まで違うようです。
1軍は寮生活を送り監督と寝食をともにし、原イズムを吸収できる。
ところが、2軍は定員があるために入寮はできずに、近所のアパートでそれぞれ生活をしなくてはならない。
「常識を疑え。常識の通りでは強くならない。」という原監督の強い信念が、そうさせたのです。学生とはいうものの厳しい競争があります。
有名になればなるほど、夏合宿などの誘いがひきもきらない。昨年は大分で行うと、異例ともいえる、原監督のサイン会というイベントが。それでなくても、テレビ出演など、マスコミへの露出が多い。舞台裏では、人気者になった原監督へやっかみもあるようです。そうはいっても、こんな狙いもある。
「あれだけ、監督が楽しそうにやっている。そういうところを見て、学生たちも楽しくやってほしい、というメッセージを込めているのですよ。」
と明かします。先ほど、お話したサンキュー大作戦ですが、原監督の気分転換は銭湯へ行くこと。
浴槽でくつろいでいると、年配の方から「あんた、監督だね」や、「箱根では感動した。ありがとう。」という言葉をかけられる。そうした激励の感謝もあって、サンキュー大作戦というプランが誕生しました。
夢は2020年の東京オリンピックで活躍する選手を送りだすこと。
2017年の夢は70年ぶりとなる往路、復路を制しての総合3連覇の達成です。お得意のガッツポーズと、ビッグスマイルを披露してくれるのでしょうか。
1月3日(火) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」