日本初!夢の9秒台へ向けて今年の1文字を『始』と例えたケンブリッジ飛鳥が今月からプロ転向しました。
リオデジャネイロオリンピック男子4×100メートルリレーではアンカーをつとめ銀メダルを獲得。
2016年にスターダムにのし上がったアスリートといえるでしょう。
2020年の東京オリンピックではどうしても個人種目でメダルを獲得したい!という大きな目標ができました。
その第1歩がプロ転向です。通常、日本の陸上界は実業団へ所属して練習環境などを提供してもらう代わりに、会社員としての業務をこなすのが当然の流れ。
引退後も身分が保証されるケースが多く、安定した生活を送れます。
ところが、それではアスリートに欠かせないハングリー精神を養うことができません。現状をヨシとせずに次の高みを目指す。プロ転向は体操の内村も同様。競泳の萩野もプロになると噂されています。
ケンブリッジはサラリーマン時代、年収は300万円台だったとか。
そして、週2.5日の仕事、練習が4.5日の割合で毎日を過ごしてきました。お気づきだとは思いますが、休みはありません。
ただし、今年6月ケンブリッジがいた会社の社長さんは「100メートル、9秒台を達成したら、1億円のボーナスを出す。」と話していました。そんな会社を約1年で退社するのはもったいないことですが、でも「新たな環境で挑戦していくことを決意しました。」リオで痛感したのは、もっと多くの国際経験だったのです。
手始めに、レイ・フリンと代理人契約を結んだ。世界の陸上界に影響力があり、スポンサー契約、レースの出場権、出場料などの交渉を委ねます。
レイ・フリンは「できる限りのサポートをしたい」と話しています。
2017年最大の目標はロンドンで開催する世界選手権。
また、5~9月、11カ国で14戦が行われるダイヤモンドリーグでどんなパフォーマンスを展開するかが興味深い。
各大会、賞金総額は約5,600万円。男子100メートルの優勝者には約100万円が支払われます。
一般人から見ると、プロ=ビッグマネーの図式ですが、故障などをすれば全くの保証がありません。
ケンブリッジは「世界で戦えるアスリート」を目指し退路を断ちました。
男子100メートルといえば、すぐ浮かんでくるのは、ウサイン・ボルト。
でも、2017年の世界陸上を最後に現役引退表明しており、ポスト・ボルトを各国のランナーが虎視眈々と狙っています。
ケンブリッジのプロ転向を賛成している関係者も増えています。
一躍、有名になったことで慢心することが不安のタネでしたが、自ら、火中の栗を拾いに行く、いわば男気を表したからでしょう。
リオのリレー銀メダルは、当然ながら4人の総合力でもぎ取った結果でした。
ところが「飛鳥がスバ抜けた身体能力をもっているから。」そんな声もたくさんあったのです。
リレーメンバーに選出された当初、バトンの受け渡しなどがいまひとつ。
それでも、本番になると無難にこなした上に最後の最後まで素晴らしい走りを見せたことが高い評価を得ています。
早くも陸連関係者は「東京でも必ずメダルを獲る」とボルテージが上がっています。
加えて、ケンブリッジが個人種目でメダルを獲得すれば、陸上熱もヒートアップしそうです。
12月28日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」