シーズン真っ盛りのノルディックスキー・スキージャンプ!
今シーズンはとにかく高梨沙羅選手が絶好調!
成人式も迎え、強さにも美しさにも拍車がかかっております。
きょうは、高梨選手の強さの秘密やスキージャンプ界の裏側まで、国際スキージャーナリストの岩瀬孝文さんに直撃します!
ここまで「女子ワールドカップ」で6戦5勝。ものすごい強さ。率直に彼女の強さとはどこにあるんでしょうか?
岩瀬)体全体がバネのような選手なんです。特に太ももの裏側。その部分のバネと張りが抜群で伸縮力が高い。飛び出してからピークの高さまでのスピードが速いので、あとはバランスよく降り立つというイメージですね。
また今シーズンは加点要素となるテレマークを決めやすいようにゆっくりとフワッと飛んでいるという印象です。
今週末と来週末のワールドカップは日本開催で4試合が行われる予定ですが、全部勝つと最多記録に並ぶんですよね?
岩瀬)はい。高梨選手は これまでにワールドカップで49勝をあげていて、男女を通じて歴代最多の通算53勝に あと4勝に迫っています。
今回日本開催の4つの試合にすべて勝てば、歴代最多に並びます。
海外での高梨選手の評価は?
岩瀬)ダントツです。女子では「サラ・タカナシ」が絶対で、ほかの選手は2位争いをするのが精一杯という感じです。
スキージャンプでは、あまりに強いとスキー板を短くされるなど、ルール改正で嫌がらせをされるイメージもありますが…?
岩瀬)まだ大丈夫ですが、可能性があるとすると「体重」だと思います。今はまだ規制はないですが、BMI(標準体重)に何らかの制限をかけて日本人に厳しくするような可能性はあると思います。
日本はそうした規制と常に戦いながら上位に入っているんですよね…。ジャンプスーツに関しても常に進化を続けているんですよね?
岩瀬)日本のジャンプスーツの開発技術は、世界でナンバーワンです。シーズン中に調整が必要になっても、すぐに対応します。
ヨーロッパのチームはいつも日本のスーツが欲しいと言っていますね(笑)
じゃあ、ルール改正でも規制でもやってこい!…って感じですね。
岩瀬)受けて立つよ!という感じですよ。
ジャンプスーツに関しては、試合前のチェックも厳しいんですか?
岩瀬)かなり厳しくやっています。股下の長さなども実際の体格と比較して余裕があると浮力が変わってきますから、その辺りもチェック対象です。
やっぱり厳しいんですね…。
岩瀬)でも、ヨーロッパの選手はみんなスーツを着ると足が短いんですよ…(笑)
今シーズンは日本の竹内選手がスーツの規制違反で失格になりましたよね?
岩瀬)あれは厳しすぎますね。しかも本当は葛西選手を失格にしたかったんです。
どういうことですか?
岩瀬)とにかく日本の優秀なジャンプスーツに何か言いたいんですね。でも葛西選手の場合、影響力が大き過ぎると思ったのか、2番手の竹内選手を失格にしたんだと思います。ある意味「見せしめ」ですね。
日本が活躍するとルール改正になるというのは、なんだか悔しいですね。
岩瀬)でも、それを跳ね返してここまできた日本ですから。それを跳ね返してこその日本の強さですからね。
2月下旬には選手たちが表彰台を狙っているフィンランドでの世界選手権、そして何よりも間近に迫っているのは、今週末・来週末に札幌と蔵王で行われる女子ワールドカップ。
高梨選手が記録を達成するのかどうか、皆さんも期待してください!
1月12日(木) 高嶋ひでたけのあさラジ!「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より