選ぶ楽器で性格が見える?トランペットは明るく、ピアノは聡明!

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フルートのしっとりとした音色から、力強い音まで操る、変幻自在のパフォーマンスは多くの人を魅了し、フルート史上初めて5枚のオリジナルアルバムをリリースしている、フルート奏者の横田美穂さん。

昨日配信のインタビューでは、学生時代の猛特訓の日々や、練習量がステージを支えているお話を伺いましたが、今日は、楽器やフルートの魅力に迫ります。

【横田美穂インタビュー 第2回】
選ぶ楽器で性格が見える?トランペットは明るく、ピアノは聡明!

選ぶ楽器で性格が見える?トランペットは明るく、ピアノは聡明!

●男性も女性も夢中になれる楽器とは?

編集部:吹奏楽にはさまざまな楽器があります。これから楽器を習おうとしている方に教えたい、フルートの良さはどんなところですか?

横田:まず、フルートは自宅でも練習ができます。トランペットは元は時報を伝える楽器でしたし、ホルンは角笛が原型で羊飼い同士の連絡方法でしたから、どちらも音が通るんです。それに比べてフルートはそこまで音量が出ないし、家の作りにもよりますが防音施設がなくても練習しやすいですよ。音漏れを気にして、音量を調整して練習するのもお勧めしませんから。楽器はしっかり鳴らしてあげてくださいね。

フルートは息を使って出す楽器なので、ひとの声に近い音が出ます。歌を歌う感覚で演奏できるので凄く楽しいですよ。練習すれば細かい音をたくさん出すことが出来て、速いメロディーを吹けるので、上手くなるほど楽しめて夢中になれる楽器です。それから、コンパクトにまとめられて持ち運びが便利で、取り扱いも楽!満員電車も切実です(笑)

選ぶ楽器で性格が見える?トランペットは明るく、ピアノは聡明!

編集部:フルート奏者で有名な方を教えてください。

横田:エマニュエル・パユ(スイス)、ジェームズ・ゴールウェイ(アイルランド)、ジャン=ピエール・ランパル(フランス)など、歴史に残る伝説のプレイヤーが数多くいらっしゃいます。

最近は、性能のいい楽器が出てきて女性でも大きな音を出せますが、フル―トは肺活量がすごく必要なので男性の方が有利です。私も未だに、肺活量を鍛えるためにマラソンをしています。小学2年生から教えていて、いま音楽大学の2年生の弟子も男性です。男女問わず、また幅広い年齢の方が演奏できる楽器ですので、興味がある方はぜひ勇気を出してフルートにチャレンジしてほしいです。また私も中学生からフルートを始めましたが、楽器の中では比較的遅いスタートでもプロを目指して上達できる可能性があります。

編集部:お弟子さんがいらっしゃったのですね!「生徒」と「弟子」では何が違うのですか?

横田:プロとしてやっていきたいという方が弟子ですね。小学2年生から教えている彼は最初、喘息を改善したくて来て、フルートはあくまでも趣味として習っていました。将来は医療の道へ行くために専門教育も受けていたけれど、高校の進路相談のとき「音楽家になりたい」と言ってきました。そこから音大の受験の準備をして、私も彼も、生徒から弟子という意識になりました。フルートを仕事にしていくとしたら、オーケストラに入るか、オーディションやコンクールを受けていくことになるのでとても大変ですが、頑張ってほしいです!

選ぶ楽器で性格が見える?トランペットは明るく、ピアノは聡明!

●演奏者は楽器に似る?

編集部:横田さんもそうですが、音楽家の方は皆さんそれぞれの楽器が凄くお似合いですよね。私がフルートを持っても……全くサマになりません(笑)

横田:そんなことないですよ、一緒に吹きましょう!楽器と向き合っていくうちに、人間形成されていくような気がします。それぞれの楽器に寄せて人格が作られるのかもしれません。私が尊敬しているチェロ奏者の方は、チェロがすごく似合っていて、落ち着いていて、低い声(笑) トランペットやトロンボーンは、豪快で明るい方が多いような気がします。ピアニストはピアノのように、聡明な感じです。頭の回転やテンポが速いし、その方から想像できるような音を出しますね。

何の楽器を選ぶかは、元々のそのひとの性格だったり直感ですから。無意識に運命の楽器を選んで、楽器と関わるほどその楽器との相性が良くなって雰囲気が出来ていくんでしょうね。

編集部:人間関係と一緒で、近くにいる時間が長いほど似てくるのかもしれないですね。プロはどのメーカーの楽器を使うかもご自身で選びますし、楽器への愛着も更に増すのではないでしょうか。プロが使う楽器、高い楽器は何が違うのですか?

横田:私が使っているのはアメリカ・ボストンの“ヘインズフルート”で、創業125周年を超える伝統あるメーカーのものです。抜群に音色が良くて、柔らかい音が出て、お気に入りの楽器です。買って最初のころは嬉しくて、フルートを枕元に置いて寝ていた時期もありました。

ただ、ヘインズフルートは音程を正しく出すのがすごく難しい楽器なんです。でも、これも運命的だなと思うのですが、初めに教えてくれた先生が古き良きものにこだわる方で、最初に与えてもらった楽器もこのヘインズフルートだったんです。中学、高校で、コントロールが難しい楽器に慣れていたので、知らないうちに楽器に鍛えられていました。

私は大学卒業後、憧れの方にフルートを習いに行くのですが、その恩師の影響で使っている楽器は、フランスの“ルイロット”です。今から約100年前に製作されたもので、古き良き時代のなんとも言えない柔らかい良い音がする名器です。世界大戦の戦火をくぐり抜け、今に残る楽器には時代を超えた説得力があります。

編集部:歴史のある楽器はそれ相応の音色があり、楽器自体にもストーリーをもっているのですね。今日もありがとうございました。

気になるインタビューの続きはまた明日。最終回となる次回は、一般的には”大変”なイメージが強い“芸の道”を進んだことで大変だったこと、辛い時期をどう乗り越えたのかをお伺いします。

■「魔法のラジオ」番組HP
https://www.1242.com/radio/mahou/

■横田美穂 オフィシャルWEBサイト
http://www.miho-yokota.net/

■横田美穂 CD楽曲情報
http://www.miho-yokota.net/discography

文:allnightnippon.com 編集部 望月知世
写真:allnightnippon.com 編集長 長浜純

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