アナタは子供の頃、何になりたかったですか?【雑学と音楽 ザツオン Vol.17】

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もうすぐ「こどもの日」!「将来、どんな仕事をしたいですか?」あの日、誰もが聞かれた質問ですよね!この春、発表された某人材会社の調査結果に依りますと「今ドキの小中学生が将来してみたい仕事」の第1位とは…男子は「会社員」、女子は「パティシェ」だそうです。男子の2位はサッカー選手、3位が医者。以下、公務員、野球選手と続き、前回ランク外だったゲームクリエイターが第6位。 女子の2位は会社員、3位は医者。以下、公務員、学校・幼稚園の先生と続き、前回ランク外の専業主婦が第6位に躍進!なるほど、やはり「子供は時代や社会を映す鏡」ですねぇ。さてさて、皆さんが子供の頃は何になりたかったですか?!今回の『雑学と音楽 ザツオン』は「子供/キッズ」がテーマです!

まずは「お子さまのための名盤」です!
『イン・ハーモニー:ア・セサミ・ストリート・レコード』1980年。

In-Harmony,A-Sesame-Street-Record

いや~懐かしい!1969年に放送開始された子供向けTV教育番組「セサミ・ストリート」。日本でも放送され始めた頃、ワタクシは既に子供ではなくなっておりましたので、ゲスト出演するアッと驚く豪華ミュージシャンなどを楽しみに拝見しておりました。この番組から沢山のヒットが生まれました。カーペンターズの名曲「シング」はセサミ発のヒットだそうですね。で!番組の名曲が80年にレコード化!プロデューサーはルーシー・サイモンとデビッド・レヴィンというふたり。ルーシーさんは、あのカーリー・サイモンの姉です。なのでカーリー・サイモンはモチロンのこと、ジェームス&ケイト&リヴィングストンのテイラーさん兄妹弟も御登場!ドゥービー・ブラザーズやベット・ミドラー、アル・ジャロウ、リンダ・ロンシュタット、ジョージ・ベンソンなどなど、80年代前期ワーナー・レーベルの西海岸系な人気アーティストがこれでもかのメンツで、楽しくて穏やかで夢いっぱいなセサミ楽曲を歌っています。人気キャラのアーニーやクッキーモンスターも歌ってるし!カバーイラストはジュリー・レヴィンとなっていますから、デビッド氏と関連ある方でしょうか?御存知の方はお教え下さいませ。今でも時折に聴いてオヤヂココロを和ます名盤です。

続いて「子供ジャケの名盤」!それはコチラです!
キース・ジャレット『My Song/マイ・ソング』1978年。

キース・ジャレット,My-Song

キース・ジャレット(P)ヤン・ガルバレク(Sax)パレ・ダニエルソン(B)ヨン・クリステンセン(Ds)のヨーロピアン・カルテット!1977年11月にノルウェー/オスロで録音されました。74年から79年にかけて発表されたシリーズ第1作『Belonging』、そしてコチラの第2作、第3作『Personal Mountains』、ラスト第4作『Nude Ants』!どれも素敵なアルバムですが、やはり『My Song』がワタクシ的にベストな作品!なんという美しすぎるメロディでもって、♪誰かロマンチック止めて胸が胸が苦しくなる~ほどの切なさ大盛りです。ガルバレクのメランコリーなソプラノ・サックスの音に白夜の空を見てしまいます。アルバムのタイトルロゴもイイ感じですが、カバーフォトはキース・ジャレット自らの撮影です!当時、先生は33歳!お子さんはノア君とガブ君の息子ふたりなので、写真の女の子は他人ですね、きっと。どこかの旅の途中でシャッターした1枚なのでしょうか。このアルバムのタイトル曲「マイ・ソング」は、音楽家の小林武史さんが「自分のフェイバリットのひとつ」とラジオで話していたことを記憶しています。

次も「子供ジャケの名盤」!ニッポンの新旧名盤!
クリエイション『ピュア・エレクトリック・ソウル』1977年。
ジャパニーズロックの歴史的名盤!竹田和夫さんのレスポールギターのサウンドにシビれまくった高校時代の酸っぱい日々が鮮やかに蘇ります。全米ツアーを敢行して帰国したクリエイションの3作目です。プロデュースは内田裕也さん、キーボードに近田春夫さんがゲスト参加しています。全日本プロレスでドリー&テリーのザ・ファンクスが入場テーマにしたインスト曲「スピニング・トー・ホールド」!テキサス兄弟の足破壊必殺技と共に、名レフェリーなジョー樋口さんの独特アクションも目に浮かびます!そして、アルバムラストを飾るのはヤードバーズの66年名曲のカバー「Happenings Ten Years Time Ago/幻の10年」!ブルージーであり、ハードであり、軽快であり。今、聴いても素晴らしいです。ピュアな丸出しキッズでバス満員!ジャケットを撮影したのはカメラマン沢渡朔さん。75年の1stアルバム『CREATION』も沢渡さんの写真です。女性を被写体にした数多くの作品で有名ですが、男性ロックバンドのジャケット写真はクリエイションだけだったように記憶しています。あ~、懐かしい。部屋で勉強しているふりして音楽ばかり聴いてたから、こんな大人になってしまいました。

CREATION,Pure-Electric-Soul

流動体について,小沢健二

小沢健二『流動体について』2017年。
2月22日。19年ぶりにリリースされたシングルCDは、社会的にも大きな話題となりました!潮が引いた後の砂浜を歩く、子供の印象的なジャケット写真。これは小沢さん自身が撮影したそうですね。長い年月を経て2人の子供の親となった音楽家が歌詞に込めた想いとは?理由あって遠くへの旅をしてきた主人公は、懐かしく戻って来た東京の雨の夜に何を想うのでしょう??この新曲をジックリと「5月5日/こどもの日」に聴くのも、素敵な一興かと思います。

ラストは「新世代の音楽キッズ」ですよ!
ザ・ミルク・カートン・キッズ『THE ASH & CLAY』2013年。

ザ・ミルク・カートン・キッズ,THE-ASH-&-CLAY

カリフォルニア出身で2011年に結成、ロサンゼルスを拠点に活動しているケネス・パットンゲイル&ジョーイ・ライアン。“新世代のサイモン&ガーファンクル”と言われる注目のインディーズ男性デュオです!ケネスは1954年製マーティンO-15を、ジョーイは1951年製ギブソンJ-45を弾きつつ、美しいハーモニーを聞かせてくれます。最初に動画サイトで見たときは、いつの時代のフォークデュオかと思いました!何しろダークスーツに白いシャツにネクタイですもん!年齢が30代とは思えないほどの時代無視な良き雰囲気です。この3枚目アルバム『THE ASH & CLAY』は、グラミー賞最優秀トラディショナル・フォーク・アルバム賞にノミネートされました。2015年のアルバム『Monterey』も最高!また、ピンク・フロイドの75年楽曲「Wish You Were Here/あなたがここにいてほしい」をカバーしてたりと、かなり知的レベル高いと想像しています。「ミルク・カートン・キッド」って、犯罪や誘拐などに巻き込まれて行方不明になった子供を捜索するため牛乳パックに描かれた「行方しりませんか児童」のことだそうでして…。乾いたロスト感がハンパありません。ザ・ミルク・カートン・キッズ、アメリカのルーツ音楽が好きな人なら大好きになると思います!超おすすめです!

さて!小中学生が将来してみたい仕事の第1位が、男子は会社員で女子はパティシェ。では、親が子供に就いて欲しい仕事とは?!保険会社が大学生以下の子供を持つ親に調査したところ、超ダントツでトップを獲得したのは「公務員」だそうです、なるほど。こんな仕事をしているワタクシが、小学1年生で担任の大槻先生から出された作文課題「大人になったらしたい仕事」に書いたこと。今でもハッキリ覚えています、それは「レーシングカーのドライバー」でした!いやはや恐縮です。タツノコプロのTVアニメ「マッハGoGoGo」に熱狂していたからでしょう。今の仕事とは全く違うじゃありませんか!子供時代の自分に申しわけないです(笑)!そんなこんなで、『雑学と音楽 ザツオン』第17弾いかがでしたか? 音楽のもうひとつの楽しみ方、次回もお楽しみに♪

神部恒彦(a.k.a 北大路おさんどん)
1960年北海道生まれ。
1981年「オールナイトニッポン」のADとして放送業界で活動開始。
音楽やドキュメンタリーを中心としたテレビ・ラジオの構成/選曲を担当する。
1992年いったん全ての仕事を終了してシベリア鉄道で渡欧。
1年間に渡りフランス/スペインを拠点に欧州各国の景勝地や美術館を見て回る。
さらに渡米、自動車でアメリカ大陸を横断しながら様々な音楽聖地を巡って帰国。
幅広い音楽/雑学知識と好奇心でジャンルを問わない番組/イベント構成を手がける。
趣味:大相撲/F-1観戦、全国各地の居酒屋訪問と見知らぬ人々との会話。

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