ラジカセジャケットの歴史的名盤【雑学と音楽 ザツオン Vol.14】

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あなたのファーストラジカセ、憶えていますか?
有楽町のニッポン放送からも程近くの数寄屋橋交差点。
そのシンボルというべきソニービルが4月1日から解体!
50年に渡って数々の驚きと楽しみを提供してくれました。
昨年末から「It's a Sony展」が開催されています。
Part-1がSONYの歴史を振り返るプロダクト展示、ビルの未来を展示のPart-2が3月31日まで開催中。
まずは、そのPart-1を拝見してきましたが、
各種SONY製品の懐かしいハイセンス勇姿に感涙でした!
そこで!音楽系よもやまコラム『雑学と音楽 ザツオン』は、
ラジカセジャケットの歴史的名盤を特集です!

ホール&オーツ『X-STATIC/モダンポップ』1979年。

ホール&オーツ,X-STATIC,モダンポップ

水もしたたる美しさ!防水顔したラジカセジャケです!
本来の彼らの持ち味なブルーアイドソウルであり、当時の流行だったディスコミュージックでもあり、実験的なニューウェーヴサウンドでもある作品ですね!
雨のニューヨークでラジカセをビニール袋に入れてウキウキと歩いている人を見かけたジョン・オーツ。
その面白エピソードを聞いたダリル・ホールが日系カメラマンのジョージ・ナカノに写真を頼んでダリル妹のキャシーがデザインしたジャケットだそうです。
そして、この11作目となるアルバムの注目すべきは!
ジャケ左下の小さな小さな小さな文字…David Fosterです!

X-STATIC,ホール&オーツ,B面

前作『赤い断層/Along The Red Ledge』(78年)に続いて、プロデュースを行ったのがデイヴィッド・フォスター!
デイヴィッド・フォスターの流麗キラキラなピアノとジェイ・グレイドンのハーモナイズド・ギターのサウンドが合体!
シングル「ウェイト・フォー・ミー」がヒットして人気爆発ドン!
この職人技コンビは同じ1979年の10月に、マンハッタン・トランスファー『Extentions』を手がけました。
H&O『モダンポップ』マントラ『エクステンション』は、一卵性双子と言ってもいいくらいの名作アルバムですね!
さらに!ふたりはボーカルにトミー・フォンダバーグを加えて、エアプレイ『AIRPLAY/ロマンティック』(80年)へと発展!
AORブームの頂点を極めることになるのでした。
ということで!このラジカセジャケ『モダンポップ』はデイヴィッド・フォスターの記念碑的名作でもあるのですねぇ。

その頃の…It’s a Sony!
1979年、ポータブルカセットプレイヤー「ウォークマン」。
1982年、世界初のCDプレーヤー「CDP-101」。
1983年、ベータムービー「BMC-100」。
さて、続いてのラジカセジャケット名盤です!

マルコム・マクラーレン『Duck Rock/俺がマルコムだ』1983年。

マルコム・マクラーレン,Malcolm-McLaren,Duck-Rock,俺がマルコムだ

水牛の角を盛っちゃいました!モードなラジカセです!
稀代のトリックスター、マルコム・マクラーレン!
もう既に当時37歳のオッサンなのに最先端センスが凄い!
懐かしや「Buffalo Gals」が大ヒットいたしましたね。
ちなみにプロデュースはトレバー・ホーンでした。
パンクファッションのブティック店長から、常連たちを集めてセックスピストルズを作りマネージャー就任。
世間の話題を集めるだけの一過性ヤマ師かと思ってました。
が!ワールドミュージックをズコズコ蒐集編集しまくって、パンク終焉とともにソロアーティストとしてアルバム発表!
80年代のヒップホップカルチャーをリードした名作に。
このアルバムから「Sowet/真夏のソエト」がシングルになり、CMソングにもなっていた日本いう国はある意味でスゴかった。
当時のレコード会社のポリスターレコードって、今の在京TV局でいう“テレ東”みたいな魅力があったなぁ。

その頃の…It’s a Sony!
1984年、ポータブルCDプレーヤー「D-50」。
1985年、ハンディカム8ミリビデオ「CCD-V8」。
ドンドン小型化していく音響映像製品の中で、
多機能巨大化していくのが80年代後期ラジカセ君です!
悪ガキが部屋からストリートへ連れ出す自慢家電にChange!

LLクールJ『Radio』1985年。

L.L.・クール・J,Radio

どないだぁぁぁぁぁ!完全ドヤ顔なラジカセです。
Ladies Love Cool James というわけでL.L.・CooL・J!
ドラムマシーンを使ったビートに、自己主張モリモリの激ラム!
クィーンズ出身若き17歳でのデビューアルバムにして、
ラッセル・シモンズ率いるデフジャムの初プラチナヒットに!
これ、ビクターの「RC M90」ですよね?!(1981年)
今、某ネットオークションでは12万円超の名機です。
短波6チャンネルで進化形のタッチ式ボタンです。
そこにオープンリール型デザインなカセットテープ!
アートディレクターのコダワリを感じるラジカセジャケです。
現在はオールドスクールの学校長でありなから俳優業も!
あれ?!ラッパーで俳優といえば日本のアノ人を忘れてませんか?

L.L. クール J太郎『プッチRadio』2003年。

プッチRADIO,L.L.COOL-J太郎-feat.宇多丸

漫画家俳優コラムニスト映画監督でモー娘おたく杉作さん!
杉作J太郎a.k.a. L.L. COOL J太郎だぜ、文句あっか?!
四国松山出身オヤヂ41歳でのデビューアルバムにして、
2006年にラッパー活動引退でもあるラストアルバムです!
ライムスター宇多丸さんまで参加しちゃってました。
頭はカンゴールのハット、首にはブッ太い金チェーン!
しかし!本家と違って鍛え上げたムキムキ肉体美はありません。
見た目のカッコ悪さを老獪ラップで完全隠蔽したJ太郎だぜ!
3曲目「ロバート・デ・ニーロになれなかったよ Feat.宇多丸」は、
大塚博堂さんの名曲を回想させるだけでも価値があります!
やっぱ、大塚さんの「ダスティン・ホフマンになれなかったよ」聴こかな。

さて!21世紀に突入して世の中は配信時代到来!
遂にトレンド一巡して人気復活となったラジカセです。
最先端ピープルの自慢アイテムになるなんてね!
一体、どこの誰が想像していたでありましょうか。

エスペランサ・スポルディング『Radio Music Society』2012年。

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まさに女性上位時代のOn The Radio!
縁の下のチカラ持ち系なラジカセ君です。
イコライザー系も盛り盛りのダブルカセットですねぇ。
1984年生まれのジャズベーシストなエスペランサ嬢!
ギターもクラリネットもオーボエも出来るし歌も上手い。
16歳で音楽名門バークリーに入学して、
さらに20歳で同校教授にもなりました!
コチラの4枚目アルバムは2013年グラミー賞でもって
最優秀ジャズボーカルアルバムを獲得した逸品です!
ゴスペルやR&Bやファンクまでもミックスシェークした
21世紀極上ジャズの名盤だと思います!おまけに美人だなぁ!
この3月27日(月)28日(火)29日(水)に、
ブルーノート東京で6年振り来日公演します!行きたいなぁ!

そして、遂に究極のラジカセジャケが出現してしまいました!

グリーン・ディ『REVOLUTION RADIO』2016年。

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燃えて燃えて燃えまくるぜ~っ!完全燃焼系ラジカセです!
炎が横になっているから激走してるんじゃないすか?!
1990年デビューのオルタナポップパンクなトリオです。
12枚目スタジオアルバムはバーニングなラジカセです!
ハイ!見事に革命ラジカセ君は全米全英1位を獲得しました。

1960年に生まれて田舎育ちな自分にとって、
ベンキョー机の上のラジオカセットが大親友でした。
いろいろな音楽を教えてくれたラジカセ君に感謝です。
あぁ、君の名は「SONY CF1600」!It’s My Sony!

さて、あなたのファーストラジカセは??!
『雑学と音楽 ザツオン』第14弾いかがでしたか?
音楽のもうひとつの楽しみ方、次回もお楽しみに♪

神部恒彦(a.k.a 北大路おさんどん)
1960年北海道生まれ。
1981年「オールナイトニッポン」のADとして放送業界で活動開始。
音楽やドキュメンタリーを中心としたテレビ・ラジオの構成/選曲を担当する。
1992年いったん全ての仕事を終了してシベリア鉄道で渡欧。
1年間に渡りフランス/スペインを拠点に欧州各国の景勝地や美術館を見て回る。
さらに渡米、自動車でアメリカ大陸を横断しながら様々な音楽聖地を巡って帰国。
幅広い音楽/雑学知識と好奇心でジャンルを問わない番組/イベント構成を手がける。
趣味:大相撲/F-1観戦、全国各地の居酒屋訪問と見知らぬ人々との会話。

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