阪神というブランドのプレッシャーは、味わった人でしかわからない。今季、それを最も感じているのは、間違いなく糸井でしょう。
「阪神に来て、いきなりケガ。さらし者になるかと思った」
と真顔で話します。移籍組の先輩で、4番の福留は、自身が移籍1年目に、成績不振で猛烈なバッシングを受けたことなど、さまざまなアドバイスをしているのだとか。
2016年のFA移籍組で、開幕から戦力として活躍しているのは、セでは糸井。パは楽天の岸の2人でした。しかし、岸は腰痛で23日の登板を回避。結局、残ったのは糸井1人です。シーズンは、長いとはいえ、あまりにお粗末。巨人は同一年でFA選手を3人獲得したものの、森福が2軍降格で誰も1軍ではプレーしていません。
糸井は開幕から20試合に出場。打率2割8分8厘、本塁打3本、14打点とまずまずの成績ですが、特筆すべきは得点圏打率です。4割1分2厘は際立つ数字でしょう。とにかく勝負強い。
糸井は、見かけとは対照的で、とても礼儀正しく、腰が低い。FAで移籍をした後、まず行ったのが古巣オリックスへの礼節。フロントへ出向き、全員に「セ・リーグで新しいチャレンジをしたい」と、自らの気持ちを伝えました。加えて、ファン感謝デー、納会へも出席。感謝の気持ちを表した。なかなかできるものではありません。通常、移籍すれば、ファンから裏切り者扱いされるのが、関西では当たり前ですが、オリックスとのオープン戦では、両チームのファンが一体になって糸井コールが巻き起こっています。
「(御堂筋の)パレードをやりたいです。ビールかけも」
という糸井。ただし、大ファンを公言していた、女子フィギュアスケート・浅田真央の引退には、
「何で引退なんや。ずっと応援していたのにね。ショックで、どうしていいかわからない。真相を教えてほしい」。
いまだに気持ちの整理ができない様子です。
4月27日(木) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」