ロックなママが大集合!【雑学と音楽 ザツオン Vol.18】

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世界中のママさん、Happy Mother’s Day!5月の第2日曜は「母の日」!カーネーションや母親の好きな花束などを贈ると共に、何かしらのプレゼントをしちゃうのが最近の母の日事情になっておりますね。その中でも、かつてはスイーツ系を贈るのが人気だったそうですが、最近はそうでもないらしいですね。母親の側からしてみると「もらってウレシイ母の日の贈り物」とは、食べ物よりも洋服やアクセサリー系とか。なるほど、ワカリます。そして、それら以上に人気なのが「旅行」なのだそうです!特に高年齢な母親たちは旅行のプレゼントを好んでいらっしゃるようですね。普段、なかなか行かない旅行先や、自分が思いつかない旅行先などでのウレシイ体験!子供として母親へ贈る「楽しい体験の企画力」を試されるのが5月14日ということでしょうか?!世界中のお子さん、ガンバリましょう!そんなわけで、今回の『雑学と音楽 ザツオン』は「お母さん」がテーマです!

まずは!ロックなママと言えば…シーナさん!
Sheena & The Rokkets『ROCK ON BABY』1994年。

Sheena-&-The-Rokkets,ROCK-ON-BABY

うっしゃ~、カッチョ良すぎるロケンロ~ルママ!某有名ロックマガジンのようなイカしたデザインのジャケットですね!「ALL LONDON RECORDING」とか「ANALOGUE MIX」とか、ツボをグイグイと押してくるアルファベットがド~ン!その中で…「All Lyric written by Yu Aku」と。そうなんです、阿久悠さんです!シナロケの13枚目アルバム『ROCK ON BABY』は、鮎川さんの依頼で全10曲の作詞を阿久悠さんが手がけました。その名曲たちの中から15枚目のシングルとして先行カットされたのが「ロックの好きなベイビー抱いて」です!後に阿久さんは「あまり売れることはなかったが自分にとって愛しい歌」とコメントしたそうですが、その通りの猛烈ラブリーで愛しく真っ直ぐなロッキンママの歌!鮎川さんのギターのみでユッタリと歌い出し、そしてビンビンのロックサウンドにシフトアップしてレッドゾーンに回転突入のエンジン全開です!♪ロックの好きなベイビー…ですよ!♪ロックの好きなママ…と表現していないところが粋ですねぇ!“愛するベイビーがハタチになる頃には時代は良くなっているはず”と未来と人間を信じて、子供とふたりで生きることを宣言するママです。あ~、母は偉大なり。鮎川さん御夫婦が暮らしていた東京世田谷の下北沢。ロックなママのシーナさんとシモキタのジャニスな金子マリさんは仲良しで、地元小学生たちの登校時間に黄色い旗を持って横断歩道の安全誘導をしていらっしゃったそうです。その姿を見かけたマリさんの息子なRIZEのKenKenさんがラジオでエピソードを語っていました。「シモキタの横断歩道ママたちもカッコいいぜ!」と。シーナさん、1953年生まれ。11月に天国で64歳になられるママは、今でも世界のロックの好きなベイビーたちを熱く温かくクールに見守っていることでしょう。

続いては、息子が母親の想い出を綴ったタイムレス名曲です。
B.J.トーマス『ビリー・ジョー・トーマス/Billy Joe Thomas』1972年。

Billy-Joe-Thomas,B.J.Thomas

音楽巨匠バート・バカラック先生による超名曲「Raindrops Keep Fallin' On My Head/雨にぬれても」でおなじみのB.J.トーマスです。その1969年の世界的ヒットの3年後に発表したアルバムは自らのフルネームをタイトルにしました。趣ある素敵なジャケットですねぇ。アート・ディレクションのディック・スミスはB.J.の一連の作品をはじめ、ホリーズやライチャス・ブラザーズ等々の名作ジャケットを手がけたデザイナーです。ドノバンの66年アルバム『サンシャイン・スーパーマン』のサイケなジャケも彼のデザイン。
そして、この『Billy Joe Thomas』は!ジミー・ウェッブ、キャロル・キング、ジョン・セバスチャン、ポール・ウィリアムスという、当時のアメリカを代表する豪華なソングライターたちが大集合!コーラスには“バックコーラスの歌姫”であるダーレン・ラヴが参加しているのも個人的なツボです。そのアルバムで!バリー・マンとシンシア・ワイルのソングライター夫婦が書き上げたバラード「Rock And Roll Lullaby/ロックン・ロール・ララバイ」は、シングルカットされて全米15位のヒットとなりました。
♪彼女はたった16歳だった。この世に僕が生まれた時、彼女はひとりぼっちだった。だから僕らは一緒に育っていたのさ、子供みたいなママと僕で。でも、僕が泣くたび、いつも彼女はロックン・ロールの子守り唄を歌って僕の涙を乾かしてくれたんだ。今は歌詞を思いだせないし、思いだそうなんてしなくていい。でも、僕は愛をいっぱい感じたことを覚えている。あのロックン・ロールの子守り唄から。さぁ、もう少しの辛抱だよ。僕のママ。僕の心を揺らしておくれよ、あの懐かしいロックン・ロール・ララバイで♪♪
この曲を初めて聴いたのは自分が20代前半の頃。それ以来、本当に大好きな歌のひとつとして聴き続けてきました。で、50代後半を過ぎた今になりまして、勝手に気づいたのです。この歌は…愛を込めて育ててくれた母親に感謝する息子が、その母親を天国に見送る“息子から母親への子守り唄”でもあるのではないかと…。いかがでしょうか?作詞したシンシア・ワイルに聞いてみたいです。いやいや、確かめなくてもいいですね。我が身の加齢で知ることが出来た、もうひとつの魅力。その音楽を聴く人間の成長や変化で幾通りにも彩りを変えていくのが、まさにタイムレスな名曲なのでしょう。

続いては!子供と歌うママさんで~す!
アストラッド・ジルベルト『Beach Samba/ビーチ・サンバ』1967年。

アストラッド・ジルベルト,ビーチサンバ

1963年、英語で歌った「The Girl from Ipanema/イパネマの娘」が歴史的ヒットとなったボサノヴァの歌姫、アストラッド・ジルベルト!そのソロ6作目アルバムがコチラです。ドン・セベスキーとエミール・デオダートによる完全無欠のプロデュース!アルバムの11曲目には、なんと!ラヴィン・スプーンフルの名曲「You Didn’t Have To Be So Nice/うれしいあの娘」を、息子のマルセロ君とデュエットカバーしています。そうです、ジョアン“ボサノヴァの神様”ジルベルトとの子供です(後に離婚しちゃいましたけど)。母27歳&息子6歳の素敵な共演は、日本では「ママと歌おう」とタイトルされてシングルカットされました!ホンワカと優しい気持ちになってしまう可愛い歌いっぷりです!我が子とのレコーディングがメチャ楽しかったのでしょう、次作アルバム『Windy/ウィンディ』でもマルセロ君と1曲共演しちゃったアストラッドでした。ママと子供とボサノヴァは仲良しでございます。

続いては…今だからこそ聴きたい、母親の歌。
浜田真理子『聖歌 はじまりの歌』2002年。

聖歌,浜田真理子

島根県松江市に生まれ育ち、1998年にレコードデビュー。現在でも松江に暮らしながら音楽活動を展開している浜田さん。独特のジャズテイストを感じさせるピアノ弾き語りの世界は、全国各地でのコンサートがどこも満員だそうです。かつて、ニッポン放送でオンエアされていたフリースタイル&ドキュメントな「スーパーステーション」という番組がありました。その番組で浜田さんを取材させていただいたことがあります。会社で働き子育てをして音楽家として生きていく喜びや苦労を、丁寧に語って下さったことを鮮明に覚えています。当時、お子さんは中学生でしたでしょうか。今では成人になられていることでしょう。その後、浜田さんは一気に注目を浴びます。アルバム作りやコンサートは勿論、映画やテレビドラマ音楽や舞台にも出演。そして、母親として感じることを社会にメッセージ発信するようにもなられています。このマキシシングル『聖歌 はじまりの歌』では、加川良さんの「教訓Ⅰ」をカバーしました。ひとつしかない命を捨てることなく生き続けるように歌う母親。2002年、報道番組「筑紫哲也News23」の終戦特集に、そのエンディングでフルコーラス放映されて問合せが殺到したそうです。それから15年が経ちました。この間に世界を取り巻く事情は大きく大きく変化していると思います。今だからこそ、聴かなくてはいけない歌ではないでしょうか。

最後は映画の中の母親です!
『20センチュリー・ウーマン』6月3日全国公開。

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マイク・ミルズ監督の6年ぶりの最新作は自分の母親をテーマに描いた作品です。前作『人生はビギナーズ』はゲイの父親を描き大絶賛されましたが、今回は母親ですと!55歳のシングルマザーとして15歳のヒトリ息子を育てる母ドロシアを演じるのはゴールデン・グローブ女優アネット・ベニング!1979年の西海岸が物語の舞台で、オリジナル・サウンドトラックの選曲が素晴らしすぎるんですよ!デヴィッド・ボウイ、トーキング・ヘッズ、バズコックス、ザ・レインコーツ、スージー&ザ・バンシーズ、ディーヴォ!そして、フレッド・アステア、ベニー・グッドマン楽団やルイ・アームストロング&ヒズ・ホット・ファイヴも!いや~、シビれるハイセンスです。映画の公式サイトには1979年当時のラジオについて、マイク・ミルズ監督がイロイロと語る動画ありましてサイコーです!もう、ストーリーも音楽も楽しみすぎて失神しそう!

20センチュリー・ウーマン

さて!「母の日」のプレゼントです。子供として母親へ贈る「楽しい体験の企画」として、ワタクシが計画するのは「母親の生まれ育った土地への親子旅行」です。もちろん、父親抜きでの実行がイイですね。街は変わっていないのかもしれませんし、大いに変わってしまったかもしれません。何処で遊んで、何を食べて、どんな女の子だったのか聞かせてもらいたいなぁ。世界中のママさん、いつまでも元気で!Happy Mother’s Day!!そんなこんなで、『雑学と音楽 ザツオン』第18弾いかがでしたか? 音楽のもうひとつの楽しみ方、次回もお楽しみに♪

神部恒彦(a.k.a 北大路おさんどん)
1960年北海道生まれ。
1981年「オールナイトニッポン」のADとして放送業界で活動開始。
音楽やドキュメンタリーを中心としたテレビ・ラジオの構成/選曲を担当する。
1992年いったん全ての仕事を終了してシベリア鉄道で渡欧。
1年間に渡りフランス/スペインを拠点に欧州各国の景勝地や美術館を見て回る。
さらに渡米、自動車でアメリカ大陸を横断しながら様々な音楽聖地を巡って帰国。
幅広い音楽/雑学知識と好奇心でジャンルを問わない番組/イベント構成を手がける。
趣味:大相撲/F-1観戦、全国各地の居酒屋訪問と見知らぬ人々との会話。


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