マクロン氏当選!前進を選択したフランス国民 高嶋ひでたけのあさラジ!

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5/9(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②

次期仏大統領マクロン氏EU安定化へ~まずは景気回復が課題
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター富坂總(ジャーナリスト・拓殖大学教授)

フランス大統領選で勝利しブリジット夫人と手を上げて支持者に応えるエマニュエル・マクロン氏=20170507パリ 写真提供:共同通信社

フランス大統領選で勝利しブリジット夫人と手を上げて支持者に応えるエマニュエル・マクロン氏=20170507パリ 写真提供:共同通信社


マクロン氏とルペン氏の対決になったのは、既存政治を否定するため

高嶋) フランスの大統領選挙で39歳史上最も若きエリート、金融出身のマクロンさんと言う方が当選しましたが、24歳10か月年上の奥さんについていろいろ言われていますがけど。富坂さんは、このフランス国民の選択はどういうふうに見ていますか?

富坂) 中国のテレビのコメンテーターが言っておりましたが、そもそも左と右のどっちなのかと争っている感じだったけど、終盤になって前に進むか後ろかと前後になった。で前に進む方を最終的に選択したと。そういう感じかなと思いますよね。

高嶋) 今までの大統領選挙は左か右かで争っていましたからね。その既成政党がずっこけちゃって。それで『前進』がね。まだ議席はありませんが、6月に下院議員選挙があって。577の選挙区すべてに候補を立てると。どうなるのでしょうかね。

富坂) 一番難しいところですよね。現在基盤がないので、政策を実行に移そうとしても難しいところがありますよ。ただ66%も取ると、その風に乗ろうとするのが政治家なので、ひとつの風を起こせることは間違いないですよね。実はマクロンさんは鄧小平の言葉をよく使う。

高嶋) そうですか。マクロンさんが。

富坂) その中でもお気に入りは白猫黒猫論とよく言われる『白い猫でも黒い猫でも、ねずみを獲る猫が良い猫』だと。マクロンさんに期待をしているのは、考え方よりも周りの生活を良くしてくれということですよ。まさに白猫黒猫理論で選ばれていると思いますので、ルペンさんの約34%の得票は、投票が終わったからなくなるわけではないので、マクロンさんが応えられなかったらもっと大変なものになって返ってくるということですよね。

高嶋) 白票も棄権もかなり多かったと。

富坂) フランスのドキュメントをいくつか見ましたが。その中で面白かったのは、ルペンさんが切り捨てようとしていた人たちもルペンさんを支持していたところがあって。どういうことかと言うと、既存政治を否定するために一回任せるというような選択をしようとしていた。アンチという部分がかなり根深いものがあると思いました。

高嶋) EU推進派にとっては、こんなに安心できることはないのでしょう。

富坂) まさにその通りですよね。EUというのはドイツとフランスの鉄鋼・石炭協定から始まっています。安全保障の面から見ると、ここがぐらつくというと何10年も戻るという話になってしまうので、安心材料になりましたよね。しばらくは、ですが。


気づいたら中国がおとなしくなっていた

高嶋) もう1つ気になるのは、中国がおとなしいですよね?

富坂) よく気づかれたと思います。中国はこれまでの立ち位置を微妙にずらし始めた。トランプ政権が世界の暴れん坊になってしまったので、中国はまともに見るような立ち位置にずらしている。「何が何でも譲らない!」と言っていたのが、少ししか言わなくなった。

高嶋) 『核心的利益』とかね(笑)

富坂) 「中国! 中国!」とガンガン出してこなくなっているというのは、たぶん戦略的にやっていて。最初は2015年の9月くらいから始まっていると思います。

高嶋) 悪役はトランプだけでいいよ、みたいな(笑)

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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