清水久嗣のB.LEAGUEレポート!Bリーグ初代王者へ!チームを支え、引っ張るキャプテン・川崎ブレイブサンダース篠山竜青選手その②

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男子プロバスケットボールリーグ・Bリーグ。
9月に開幕して8ヶ月余り。
B1・ B2ともに各18チームによる60試合長いリーグ戦が終わりました。
これから5月末までB1では初代王者をかけたトーナメント・チャンピオンシップと生き残りをかけた残留プレーオフが。B2はB1昇格をかけたプレーオフが行われます。

B1のリーグ戦で最も勝率が高く、チャンピオンシップの第1シードの座についたのは川崎ブレイブサンダース。
49勝11敗(勝率.817)の圧倒的な成績で中地区を制覇しました。
初代得点王のファジーカス選手や日本代表候補選手を擁し、リーグトップの得点力(1試合平均84.3点)を誇るこのチームなどを率いてキャプテンとして全試合に出場した篠山竜青選手。

キャプテンのこと、レギュラーシーズンのこと、チャンピオンシップのこと、そして重点強化選手に選ばれている日本代表についてお話を伺いました。

川崎ブレイブサンダース(キャラ無し)@680px

(C)KAWASAKI BRAVE THUNDERS

(C)KAWASAKI BRAVE THUNDERS

もともと練習中などでも「自分の言葉でぐいぐい引っ張るというより、年上の人についていきたかった」と自己分析してくれた篠山選手。それでも小学校、中学校、大学でもキャプテンを務めました。
「小・中学校は一番上手な子がキャプテンになりがちなので、キャプテンとしてやることは余りないですよね。ただ大学の時はチームをまとめるのが大変で…1年間は結果も出ませんでしたし、苦しくて二度とやりたくないという思いでした。」と日本大学在学時の苦しかった胸の内を話してくれました。

今のチームに加入後、4年目を迎えたシーズンで北卓也ヘッドコーチからキャプテンの打診を受けた篠山選手。その時は「『えー!オレ絶対向いてないよ』っていうネガティブな気持ちが大きくて、キャプテンについて取材とかを受けても『本当は僕、キャプテンに向いていないですよ』って言いがちだった」と振り返ります。
それでも「チームメイトや北さん(北卓也ヘッドコーチ)や佐藤賢次さん(元キャプテン、現・アシスタントコーチ)に支えてもらいながら、上手く自分を乗せてもらって」キャプテンを務めていくうちに「“もっと頑張らなきゃ”と思う気持ちや、キャプテンだからこそ頑張れている部分が大きいと自分でも気づき始めました。自分は自分らしく周りの手を借りながら、協力を得ながら、うまくチームの力を引き出せるようなキャプテンになれればいいかなと思ってやっています。」といいます。

「負けが込んだ時が一番辛いですし、雰囲気も悪くなりがち」と場合によってチームの状況を背負ってしまうこともあるキャプテン。
そういう意味で地区優勝や勝率1位など結果を出したシーズンを振り返って「今年は楽でした。ケガ人が出たりしましたが、高い勝率をキープできていましたし。良い意味で役目がなかったですね(笑)納得できるシーズンだった?うーん…キャプテンとしては、もっともっとやらなきゃいけないと思いますけど、僕としてはこんな感じかなっていう。」

“こうあるべきだ”というキャプテン像ではなく、あくまで自然体で独自のキャプテン像を築き上げていった篠山選手。個性派が集まるチームを生かし、川崎ブレイブサンダースを支えています。

篠山選手のポジションはコート上の司令塔ともいうべきPG=ポイントガード。得点以上にパスやドリブルでゲームをコントロールすることも求められます。
しかし、篠山選手の成績を見ていると9月~12月まで平均得点が5.2点だったのに対し、1月~5月までは9.6点と2倍近く上昇しました。この明らかな変化については「オールジャパン(天皇杯)明けや日本代表合宿で得点力が必要だと自覚したので、リーグ後半戦から意識しています。3月くらいから更に数字に結びついてきたかなと思いますし、手応えも出てきました。(得点を取るという)意識の問題が一番大きいかなと思っていて、もっとゴールにアタックしようという意識を持つだけでも、成績がかなり変わってくるのかなと感じています。」

チームの好成績はキャプテン・PGとしてチームを支えるだけではなく、ポイントゲッターとしてもチームを引っ張った篠山選手の働きなしでは考えられません。
ちなみに、篠山選手はBリーグ開幕初年度で自身キャリア初の全試合スタメン出場を達成。重要な立場でタフなシーズンを戦い抜き、結果を出しました。
最終戦を終えた篠山選手のコメントはこちら

(C)KAWASAKI BRAVE THUNDERS

(C)KAWASAKI BRAVE THUNDERS

それでも最高のシーズンだったかどうかは、 目標である“Bリーグ初代王者”になれるかどうかにかかっています。
60試合で49勝と圧倒的な勝率を誇ったシーズンを振り返った篠山選手は「地区の組み合わせの都合で他の地区の上位チームと戦う回数が少なったし、もし川崎が東地区にいたらこうはなっていないと思います。勝率は全体1位ですけど、東地区の上位(栃木、東京)とは1勝1敗、三河には2敗しています。まだまだ改善しないといけないポイントが沢山あるので、これで満足してはいけないです。」
篠山選手の目標、チームの目標はあくまで勝率1位ではなく“Bリーグ初代王者”。
頂を目指す上で、リーグ戦をこれだけ勝っても兜の緒を締めています。

いよいよ、Bリーグもクライマックス。今週末からは8チームによるトーナメント戦、チャンピオンシップが開幕。クォーターファイナル(準々決勝)で川崎ブレイブサンダースはワイルドカード2位のサンロッカーズ渋谷と対戦します。
クォーターファイナルとセミファイナル(準決勝)は先に2勝したチームが勝ち抜ける2戦先勝方式。1勝1敗だった場合は2戦目の後、特別ルールによる第3戦を戦います。

昨年はNBLのファイナルで三河との短期決戦(3戦先勝方式)を制した川崎。あの時を思い出してもらいつつ、篠山選手にチャンピオンシップを戦うポイントを伺いました。
「うーん…。勢いじゃないですかねやっぱり。1発勝負だと蓋を開けてみて『誰が絶好調ですか?』で決まるかもしれません、じっくり落ち着いてっていうよりは勢いを大事にしていかないといけないと思います。まだ、やったことがないので戦うイメージはつかないですけど、昨季の決勝とは…ちょっと別物かなと。どちらかといえばオールジャパン(天皇杯)の1発勝負の方が近いかなと思います。そして2試合戦ってからの10分(5分前後半の第3戦)はどういう戦いになるか本当にわからないですね。あくまで2試合勝つことが理想なので、できれば第3戦を戦いたくないのが正直な所です。」

(C)KAWASAKI BRAVE THUNDERS

(C)KAWASAKI BRAVE THUNDERS

現在、日本代表候補の重点強化選手にも選ばれている篠山選手。リオ五輪予選を戦う代表には最後の最後で漏れてしまったものの、その後の海外遠征メンバーには選ばれました。新しいヘッドコーチにフリオ・ラマス氏を迎えることも決まり、再び日本代表への生き残りをかけた戦いが始まります。
「バスケットをやっている以上は日本代表でプレーするというのが一番の目標なので、常に意識してこれまでやっていました。ヘッドコーチがだれであろうが目標は変わりません。常に日の丸を背負って戦える選手になるためには日々努力しないといけないと思うので、まずは6月の東アジア選手権のメンバーにしっかり選ばれるようにしたいですね。」と日本代表について意気込みを語りました。

中学生の時からプロを目標に道筋を定め、その道を突き進んできた篠山選手。
プロプレイヤーとなり、目標だった日本代表にも選ばれた今、新たな目標を尋ねると「2020年ですね。やっぱり。東京五輪に出るためには、まず新しいヘッドコーチに名前を覚えてもらうところから始まるので。そのためにも“日本一のチームのポイントガードはこの人だ”と言ってもらえるように、チャンピオンシップで勝ちたいですね。」

これまで有言実行してきた篠山選手のサクセスストーリー。
その次章はすでに始まっています。

最後にチャンピオンシップへ向けた意気込み、読者の皆さんへメッセージをいただきました。
「川崎ブレイブサンダースとしては初代王者だけを目標に、レギュラーシーズンを戦ってきたので、やっと今から本番と言っても過言ではありません。チャンピオンシップは沢山の人に見に来ていただきたいと思っています。“KAWASAKI HEART”というステートメントコピーを決定して川崎の人達に愛されるチームになっていこうという生まれたてのチームなので、市民の人に沢山応援に来てもらえるように盛り上げていきたいです。川崎市に住んでいなくてもブレイブサンダースを通じて来てくれた人は、僕らの中では“川崎市民”だと思っています。ぜひ平塚ととどろきのアリーナに見に来てください。待っています!」

todoroki(w680)

初代王者へ向けて、勝率1位の意地とプライドをぶつけるチャンピオンシップ。負けたら後がなくなるヒリヒリした総力戦のトーナメントを勝ち抜くためには、会場に来る人たちの声援が不可欠です。記念すべき初年度のBリーグチャンピオンシップを見て、歴史の証人になってください。

B.LEAGUE クォーターファイナル 2016-17
川崎ブレイブサンダース vs サンロッカーズ渋谷
開催日:5/13(土)16時05分~、14(日)14時05分~
会場:トッケイセキュリティ平塚総合体育館(JR平塚駅北口からバスで7分 2.「総合公園」で下車)
チケット:https://www.bleague-ticket.jp/club/tk/
川崎ブレイブサンダース:https://kawasaki-bravethunders.com/
Twitter:https://twitter.com/brave_thunders
Facebook:https://www.facebook.com/bravethunders/

前編【清水久嗣のB.LEAGUEレポート!有言実行のサクセスストーリー~川崎ブレイブサンダース篠山竜青選手その①】はこちら>

(清水久嗣)

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