おれたちは勝つ!阪神・福留孝介外野手(40歳) スポーツ人間模様
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今季、40歳を迎えた福留。首位を走る阪神の原動力となっていることは間違いないでしょう。ところが、
「ここまでのMVPは、糸井です。」
FA移籍した最初のシーズンを思いやって、こんなコメントをする。他人にとらわれず、我が道を行くタイプだけに、何という変わりようか。
もちろん、その裏には自身が当初、移籍したばかりの阪神で結果を残せず、つらい経験があります。
日本を代表する人気球団の一員となれば、さまざまな苦労が伴う。
糸井に対しては、
「面倒をみている。繊細だから…。細かいことを気にしているからね」
と語っています。
一方で、そんな一面を引き出したのは、同じく現役時代、阪神へFA移籍してきた金本監督です。
「おれを超えてみろ」
とメッセージを出した。
現役時代の金本監督は40歳を前にしたオフ、左ひざ手術を行い不安視されたものの、打率3割7厘、27本塁打、108打点という素晴らしい成績で応え、144試合フルイニング出場まで果たしています。
そんな監督から、
「キャプテンをやってほしい」
と頭を下げられれば、イヤです、と断れるはずもなし。
「ベンチの雰囲気をつくってほしい。負けている時は元気を出させ、勝っている時には、もっと勢いをつけてくれ。」
6日、広島との大一番、セ・リーグで22年ぶりの9点差を逆転する、チーム初の快挙を達成したのは、福留が積極的にゲキを飛ばし、若手を鼓舞した賜物です。
中学時代から、素質をクローズアップされ、鹿児島県内の強豪校は、どうしても欲しい、と争奪戦を展開します。でも、お母さんへ、
「会う必要がない」
と、すべて断るようにいったのは福留自身でした。
「PL学園高へ行く」
と決めていたそう。
なぜなら、大阪の甲子園常連校へ野球留学となれば、鹿児島出身でおそらく初のケースになる、というしたたかな計算が働いたからです。
プロ入団に際しても、中日にこだわった。これは中学時代の思い出がそうさせています。
当時、中日は串間で春季キャンプを張っていました。福留は熱心に通ったそうです。その姿を用具係のスタッフが覚えていて、
「毎日、来てくれてありがとう」
とボールを手渡してくれた。福留は大感激し、プロに入るなら絶対、中日、とインプットしたということです。
「自分のことは、自分で決めてきた」
ところが、金本監督からの依頼でキャプテンを快諾したのは、野球人生も終盤へさしかかり、阪神で優勝する、との強い決意が見え隠れします。
福留は、
「おれたちは勝つ」
と、ベンチで積極的に大声をあげている。
全員がよけいなことは考えず、勝利へ向けて一直線です。
昨日も菅野から放った3回の4号2ランが効きました。セ・リーグで20勝一番乗り。
福留が引っ張る今年の阪神、注目の存在です。
5月10日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」