2年目のジンクスといえば、悪いことを連想する人が多い。ところが、梨田監督は違います。
過去、監督就任2年目は近鉄、日本ハムでリーグ優勝。
今シーズンは、ここまで16勝5敗、勝率7割6分2厘で、パ・リーグの首位を快走中です。
3年契約の2年目。2度あることは、3度ある、ということでしょうか。
師と仰いだ故仰木彬さんも、監督就任2年目が強かった。1989年近鉄、95年オリックスと2度のリーグV。これまた、奇遇です。
楽天は13年に日本一に輝いたものの一転、2年連続最下位に。
評論家時代の梨田さんは、
「私の野球人生では、考えられないことです。これだけの戦力が整っているのに…」
と語っている。当時は、もちろん、自身がチームを率いることになろうとは、思わなかったでしょう。
まず、実戦したことは、チーム再生の3本柱を掲げたことでした。
①リーダーをよみがえらせる。
②いきの良い若手を大抜てきする。
③フロントを含めたチーム全体の気持ちを、スタジアムの中に集中させる。
ただ、勝負はそう甘いものではありません。1年目は5位でした。
そして、今年は二の矢を放つ。「杜のいてまえ打線をつくりたい」と宣言。
2番には、長打力がある4番も任せられるようなバッターを置く構想です。
昨年、ワールドシリーズを制したカブスは7月になって、主に3番を打っていたクリス・ブライアントを2番で起用。
これが大当たりとなって、ナ・リーグのMVPにも輝いています。
カブスの対戦相手だった、インディアンスも2番で長距離砲のジェーソン・キプニスを入れたことが、19年ぶりのワールドシリーズ進出の切り札に。
ちなみに、ア・リーグのMVP、エンゼルス、マイク・トラウトも2番バッターでした。
かつては3番最強説だったメジャーも、現在は2番最強へ移行しつつある。
日本でも、横浜DeNAの梶谷、ロッテ・角中に加えて、現在はリハビリ中ですが、日本ハム・大谷も2番に起用されたことがある。
楽天は2番、ペゲーロが快進撃の源でしょう。
たとえ、ノーアウト1、2塁でも送りバントはなし。徹底した梨田スタイルは、見ていて本当におもしろい。
「理想を追ったら、野球はできない」と笑顔が絶えません。
5月1日(月) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」