2017年、快進撃を続けた平野。大目標の世界卓球選手権でしたが、世界ナンバーワン、中国の丁寧に敗れました。
とはいえ、世界卓球の日本人選手として、女子シングルスのメダル獲得は、48年ぶりの快挙。
4月のアジア選手権では日本人選手として21年ぶりの金メダル制覇を成し遂げています。
世界ランク8位ながら、日本の第一人者になりました。
年明けの1月、史上最年少で全日本選手権を優勝。
決勝では石川佳純を下しています。
石川はそれ以前、平野を「美宇ちゃん」と呼んでいましたが、今は「平野さん」と呼び、一目置かれる存在に急成長しています。
卓球をはじめたのは、3歳5カ月。
一見、天才少女のような印象を受けるものの、喜怒哀楽が激しい。
あまりに手がかかるため、母の真理子さんは7歳で出場した全日本選手権バンビの部を最後に卓球をやめさせる決断をしていたそうです。
ところが、福原愛以来となる小学1年生での優勝となりました。
人生は本当にわかりません。
事実、ナンバーワンになって平野自身が大きく変わりました。
「ハローキティーのお店をやりたい」
と将来の夢を語っていましたが全日本選手権以来、そうしたことを口にしない。
卓球で世界一になることを誓ったのでしょう。
気が強く、頭脳の回転がはやい。
テクニックは当然ながら、コメントにも表れています。
とにかく、見出しにしたくなるようなことをサラリと口にする。
福原、石川など、歴代の天才少女は好感度を売りにして人気を集めてきましたが、
「私は、好感度は気にしない」
「試合に勝つことがスポーツ選手の役目」
と言います。
福原、石川がレシーブをしてから攻撃へ移るスタイルに対して、平野は0秒1でも速く打つことが身上。
今回、女子シングルスで金メダルを獲得した丁寧は、アジア選手権で平野に敗れると、連日の練習では、その負けた試合の映像を繰り返して流し、平野と体形、プレースタイルを似せたコピー選手を4人用意して練習のパートナーにしました。
「守備的なプレーをすれば、勝負には勝てない。私のような右利きの選手はたくさんいる。それに特徴もない」
と平野は気にしない素振りでしたが、やはり本番では研究し尽されていました。
そうはいっても、のびしろ無限大。
雪辱を果たした丁寧が、
「3年後(東京オリンピック)では、平野さんに地の利がある。しっかりと準備をしなくてはいけない」
と、さらに警戒をしています。
6月5日(月) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」