伝達式を夢見て相撲をやってきた!大相撲関脇・高安晃(27歳) スポーツ人間模様

By -  公開:  更新:

大関・高安が今日、誕生します。東京・両国国技館で理事会、7月9日に初日を迎える名古屋場所の番付編成会議が行われ、その後に使者が大関昇進を伝達する流れです。前日に田子ノ浦部屋で取材に応じると、

伝達式を夢見て相撲をやってきた。夢のような時間になる。

と柔和な表情で話しています。口上についても、

楽しみにしていてください。

こちらは当日のお楽しみです。

高安

大相撲 高安(関脇)一夜明け会見=2017年5月29日 江戸川区 田子ノ浦部屋 写真提供:産経新聞社

昭和以降、87人目の大関になるわけですが、1988年の師匠会では、十両昇進者は本名ではない、しこ名でとらせようということで一致したそうです。現在、42人の幕内力士がいますが、本名で土俵へ上がっているのは、高安の他、遠藤、正代、石浦、宇良と5人もいる。
一方、本名のまま、大関になったのは、輪島、北尾、出島の3人で、高安は4人目です。何度も、本人が口にしているように、「このままで行きたい」。この先、横綱へ昇進しても帰る気持ちはまったくない。輪島に続き、史上2人目の横綱になる可能性も出てきました。

15歳で入門してから12年。「身ひとつで勝負したい」という高安の話がクローズアップされています。ただ、栄二さんは、高校進学を希望していたようです。

中学2年の時、個人指導の学習塾へ。ところが、

手遅れでした。成績表で良かったのは体育だけ。あとは惨たんたるものでした。

となると、中学3年にもかかわらず、180センチ、120キロ、足のサイズが33センチという特性を生かすには力士になるしか手がない。約束をせずに、親子2人で鳴門部屋へ見学に出かけ、現在があります。ちなみに、鳴門部屋を選んだのは「横綱の部屋だった」という単純な理由でした。入門の希望を伝えると、親方は、高安の体躯などを見て「必ず、三役になれる」と請け負ったと言います。

母ヒビリタさんはフィリピン出身で、フィリピンパブを経営しています。ホステスさんを10人以上使ってカラオケパブ式で営業。自ら厨房にも入り、接客もしてきました。

そんなヒビリタさんのサポートも見逃せません。かつて大砂嵐から、プロレス技のエルボーを思わせる、かち上げを見舞われたことがあります。その翌日、大砂嵐へ、「だめよ、あんなことをしては」と抗議に出かけた。場所中、後援者へ高安の対戦があるたびに、白星なら、「おかげさまで勝ちました」、黒星の際は、「力及ばず、です」とメールを送信。誰もがニッコリする、あの笑顔はそうした両親から与えられたものでしょう。

最近の高安フィーバーに本人は、

昔の映像ばかりが出てくる。こっぱずかしい。

と首をひねっています。何はともあれ、今日の伝達式、注目しましょう。

5月31日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」

Page top