14日目に通算38度目の優勝が決定していた白鵬が、千秋楽も快勝。1分29秒という日馬富士との熱戦を制して、自身13度目の全勝優勝を飾りました。
ただいま帰ってきました!
と言葉を弾ませ、これまでの優勝にはなかったような喜びよう。今年で横綱在位10年。昨年夏場所で優勝してから、右足親指の手術などの影響で、休場などの不振が続き限界説がささやかれていました。
今場所は稀勢の里が途中休場し、日馬富士も肝心なところで負けるという状況の中で、高安戦では頭をつけ、玉鷲戦では、呼吸が合わず、3度目で成立した上、立ち合いに左へ変化するという内容でした。なりふりかまわず、勝利にこだわった姿に、宮城野親方は、
先場所とは別人のよう。何といっても、にこやかなところがいい。
と言っています。
場所前にモンゴルで行い、日本でも実践した軍隊式トレーニングの導入が、奏功したといっていいかもしれません。
昔は楽勝にできたことも、今回は死にそうだった。
このモンゴルの軍隊トレは絶大な効果があり、照ノ富士も取り入れて、2週間で10キロの減量に成功しました。そのおかげで今場所は体が締まり、下半身が安定した。そんなエピソードを聞くたびに、つまりは稽古不足だったことがわかります。
力士の平均体脂肪は32パーセント。白鵬は25-29パーセントの間で推移しています。すごいのは、体重が160キロで、筋肉量が116キロあるところでしょう。160キロのベンチプレスを楽々とあげる。血管年齢も25歳と若い。最強の横綱は資質にも恵まれています。
関係者から、
横綱で(優勝)30回以上の人は3人いるけど、(優勝)40回は誰もいない。やってほしい。
と激励された上、大関魁皇(浅香山親方)がもつ、歴代最多の1,047勝更新も視界に入ってきました。
1047勝がモチベーションになっている。
と断言しました。
現在、1,036勝。このまま順調なら、名古屋場所での更新はまず間違いないでしょう。
5月29日(月) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」