1日、発表された夏場所の新番付。東前頭16枚目には、新入幕の小柳(おやなぎ)改め、豊山のしこ名が。
「自分でいいのかなと、すごく感じます。両親からも、お前で大丈夫なの、と心配された」
と言います。名前を大きくするのは、これからの活躍次第。ただ、昨年の春場所デビューから、7場所すべて勝ち越したスピード出世は大器の予感が漂う。185センチ、171キロと恵まれた体形を生かし、
「馬力で持っていく相撲を売りにしたい」
と話しています。
なぜ、3代目の豊山を継承したかといえば、やはり新潟県出身と東京農大卒業という経歴がモノをいいました。先々代の豊山は、同じ東農大から相撲界へ。現在は、大学卒力士は珍しくありませんが、初代が大卒力士として、はじめて大関に昇進しています。端正な表情も相まって、いわゆるアイドル力士の先駆けで、女性ファンが多かった。
15年から、新たに三段目最下位格付け出し制度がスタートしました。学生横綱などのタイトルがなくても、実力者へ門戸を広げるのが目的。豊山は三段目付け出しデビュー初の幕内です。スピード出世には時代も味方しました。
小学5年で野球に目覚め、「プロ野球選手になりたい」と中学では野球部へ。しかし、「自分の実力ではムリかなぁ」と再考して、遠藤の母校でもある金沢学院東高から、東農大へ進みました。世界選手権で優勝した実績は光るものの、国内の主要大会での優勝がなし。プロの力士になることは考えていなかったそうです。
というわけで、将来のためにしっかりと勉強も。地域環境科学部では、林業を専攻しました。あわせて、中学の技術、理科と高校の理科の教員免許を取得。理科系の力士は相撲の社会では、かなり珍しい。
教育実習の際、教えることは楽しかった。でも、それだけではない。先生の仕事があまりに多く大変であった。自分には無理だと感じた豊山は別の道、力士になることを選択しました。
小柳時代のサインは、「小柳ルミ子さんのものを参考に」。一方で、ゆとり世代らしく、
「物欲がありません。給料は貯金しています。朝7時に起きて、7時半からけいこ。ご飯を食べて寝る生活です」
と話したが、
「実は負けず嫌い。特に、目の前の相手には負けたくない気持ちが、誰よりもある」
と本音を語っています。
5月2日(火) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」