1967年6月1日、アナタはドコでナニをしていましたか?
この世に生まれる前?公園で遊んでいた?
クラスで気になる男子や女子がいた?
それとも…あのレコードを手にしていた?!!
そうです、あの日から50年!
2017年5月26日ザ・ビートルズの歴史的名盤『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』の50周年記念エディションが世界同時発売されました!
最新マスタリングが施され未発表テイクが追加されて最も豪華なセットは、CDやブルーレイやDVDが合計6枚組の完全生産限定盤。
その素晴らしさに感動を新たにしている音楽ファンも多いことでしょう。
ニッポン放送では来る6月24日(土)にリスナーの皆さんをお招きしての公開イベント『ニッポン放送imagine studio 2017 MEET THE BEATLES Pepper’s 50年祭』を実施することとなりました!
参加応募方法は当コラムの最後に御紹介いたします!
そんなわけで、今回の『雑学と音楽 ザツオン』は「リスペクトジャケット」がテーマです!
まずは!やっぱり御本家の御紹介から!
ザ・ビートルズ『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』ザ・ビートルズ、8枚目のアルバム。
アメリカ音楽雑誌が選んだ“オールタイムベストアルバム500”では、笑う子は叫んで泣く子は黙ってしまう堂々の第1位を獲得!
ロックミュージックの最高峰となった大傑作。
それは、後の音楽のみならずアートにも大きな影響を与えましたね!ジャケットを制作したのはピーター・ブレイク。
当時35歳でイギリスのポップアートシーンで活躍していたデザイナーです。
さまざまなジャンルの有名人やカルトヒーローや胸像や福助人形やSONYのテレビまで配置されて、パチリと撮影されたのはリリース2ヶ月前の1967年3月30日!
とある公園のステージ演奏を終えたペパー軍曹のバンドを囲んだファンたち…という記念写真が出来上がったのであります!
この想い出のフォトグラフが音楽シーンに生み出した名作リスペクトジャケットとは?!
それでは行ってみましょう!We Hope You EnJoy The Show!!
やはり、コチラから御紹介しなければ!
ザ・ラトルズ『ラトルズがやって来た/オール・ユー・ニード・イズ・キャッシュ』
イギリスが生んだ4人組ロックバンド“ザ・ラトルズ”の結成から解散までを描いた1978年のドキュメント風パロディ番組「All You Need Is Cash」。
モデルとしたザ・ビートルズとも親交深かった人気コメディアングループ“モンティ・パイソン”のエリック・アイドルが監督脚本主演。
ミック・ジャガーやロン・ウッドやポール・サイモンやジョン・ベルーシが大マヂ大ボケでコメント出演して、そのテレビレポーター役にはジョージ・ハリソンが!いや~大笑いです。
当時、この番組でもって“フェイクドキュメント”というものを初めて知りました。
サントラ盤はイカにもビートルズ風なオリジナル楽曲と共に、イカにもソレ風な詳細バイオグラフィーも!
ジャケットデザインは説明する必要ありませんよね!
もう何とも呆れ果てるくらいのクオリティーの高さ!
馬鹿なことを大真面目にやると芸術になってしまうという素晴らしい見本だと思います!
そして、極東の国でも大傑作なリスペクトジャケが!
氣志團『日本人』
大真面目なことをオバカにやっても芸術になってしまうという素晴らしい見本です!
『サージェント…』から45年。
『ラトルズがやって来た』から34年。
2012年にリリースされた氣志團の7枚目のアルバムです!
誇り高き民族のアイデンティティーを微に入り細に入りの徹底的なパロディで表現したジャケですね。
音楽やストリートカルチャーのアートワークを手がける“7STARS DESIGN”のデザインでもって、メンバーや御先祖様や家族やらの写真を81点ドン!
チョンマゲだけではなくリーゼントヘアしちゃった福助人形、達磨さんや三味線や東京タワーまで!
桜の花びらも美しいっすね!
なぜかアルバムラストにはアノ有名曲「マイ・ウェイ」ということでパンクな精神にも納得しちゃったりして、お見事です。
続いては…御本人は4人をライバル視している?!
フランク・ザッパ『ウィー・アー・オンリー・イン・イット・フォー・ザ・マネー』
ザ・ビートルズ『サージェント…』が既成発表シングルや他の曲を加えたアルバムではない、“トータルコンセプトなアルバム”の世界初作品と認識されがちです。
その創作活動がスタートしたのは1966年の冬でした。
しかし、その前の5月にビーチ・ボーイズがアルバム全体としての音楽形式や思想を提示し実験的手法を駆使した『ペット・サウンズ』を。
さらに6月には、フランク・ザッパ率いるマザーズ・オブ・インベンションが同じ意志でもってデビュー作(!)の2枚組(!)『フリーク・アウト』を発表!
注目は集めたものの大きなセールスには繋がらなかったとは言え、まさに1966年はポップミュージックの革命前夜だったんですねぇ。
この2作品が翌67年の『サージェント…』に影響を与えたことは有名ですね。
で!その『サージェント…』の大成功に奇才天才のザッパ先生には更なる脳内革命が起きたのでしょう。
1968年に発表したのがコチラ『Were Only In It For The Money』全19曲!
当時21歳のフラワーチルドレンなデザイナーのカル・シェンケルが手がけたジャケです。
ザッパたちは女装、ジミヘンがいたり、楽聖の胸像や中世の名画もあり!星ひとつない夜空に稲光だぜ、ワイルドだろ~っ!
『サージェント…』ではBEATLESのバンド名が美しい花で作られていますが、コチラは割れたスイカや爆竹です!
ザッパ氏はリンダ・マッカートニーと仲が良かったらしくポートレートを撮影してもらっていました。
その関係性もあってかどうか、このリスペクトジャケ写はポールにアイデアの使用許可もお願いしていたらしいとか?!
狂気なロック怪人さんも案外にキチンとしていて流石です。
リリース当時はマザーズ4人の女装写真が表ジャケでリスペクト写真が裏だったそうですが、後年のCD化で表裏の逆転が何度かあったりで摩訶不思議!
そして『マザーズ・オブ・インベンションのおかしな世界』や『俺たちは金のためにやっている』と邦題もイロイロ変わったのも摩訶不思議!
たったひとりでザ・ビートルズに対抗した超絶技ピアニスト!
深町純『サージェント・ペパーズ』
まんま、皆さん振り返って下さいの構図やないかぁ~い!
日本初の100万枚突破アルバムな井上陽水さんの『氷の世界』(1973年)など、数々の名作品でシンセサイザーを演奏したピアニスト/アレンジャーの深町純さん!
70年代の日本の音楽シーンで大活躍した深町さんが31歳で発表したのが1977年のコチラ『サージェント・ペパーズ』!
おひとりで『サージェント…』の楽曲をカバーしたので“クラブ・バンド”ではありませんのですかな?!
スタインウェイD型、フェンダーピアノ、ソリーナ、アープ、オーバーハイムなどなどピアノの至宝名器や今では伝説的名機となっている70年代のアナログシンセを駆使しての単独プレイです。
グロッケンやタンバリン、ベースやドラムも演奏しています。
「サージェント…」に始まり「ウィズ・ア・ヘルプ…」「ルーシー・イン・ザ・スカイ…」「ア・デイ・イン…」「シーズ・リーヴィング…」そして再び「サージェント…」のリプライズという構成です。
録音テープを使わず直接にラッカーマスター盤へ音溝を刻むイッパツ勝負なダイレクトカッティング方式を採用!
なので両手で鍵盤と打楽器して両足でバスドラとタンバリンする超絶ミラクル技巧をドン!
そんな意欲作は深町さん御自身にとっても“記念碑的作品”と表現されていました!
ジャケットのデザインは東京藝術大学油絵科卒業の玉淵文雄さん。
このジャケットは第1回日本パロディ広告展で佳作入選したそうです。
よ~っく見て下さい!
オレンジミリタリーなジョージ風の背中男の右に深町さんがニヤリと笑っていますね!
ラストは…街中の人々だョ、全員集合!
ザ・シンプソンズ『イエロー・アルバム』
『サージェント…』のリスペクトジャケはアニメにも!
アメリカのテレビアニメの中でも最もロッキンでシニカルでマッドなシリーズと言えば「ザ・シンプソンズ」!
1989年の放送開始以来なお現在も続くシンプソン一家のドタバタ大活躍!
エミー賞までも獲得した風刺と自虐がバリバリのストーリーに、俳優歌手アスリートの有名人たちが本人役や架空役で声優として出演。
ポールやリンゴもゲスト出演いたしました。
数多くのポップスやロックの名曲が散りばめられております!
もちろんビートルズもですよね!
シーズン4「戦う父親」では、そのまんまな「イエロー・サブマリン」が登場。
その他にも、ケアハウスを抜け出す老人4人たちは「ヤァ!ヤァ!ヤァ!」のパロディだったり!
そして、アルバム『ハード・デイズ・ナイト』ジャケ風なエンドロールもありました!
1998年にリリースされたサントラ第2作目のコチラはシンプソン家族やスプリングフィールドの人々など登場キャラクターたちが歌うオリジナルソングを収録。
アルバムタイトルが描かれたドラムスのイエローなマークってば!!
おなじみのキャラたちの他に父親ホーマーが勤める原発や怪しい金魚やUFOも描かれておりますです。
いや~、ザ・ビートルズ『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』のリスペクトジャケは素晴らしい作品ばかり!
他にも御紹介したいものがありましたがココまでです!最後までお読み下さり感謝いたします。
さて!ニッポン放送の公開イベント『ニッポン放送imagine studio 2017 MEET THE BEATLES Pepper’s 50年祭』
6月24日(土)15時から東京/有楽町のニッポン放送イマジン・スタジオにて、リスナーの皆さんを抽選で150名様をお招きして実施いたします。
宇崎竜童さん、萩原健太さんをゲストにお迎えします!
進行は上柳昌彦アナウンサーで、内容は『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド 50周年記念エディション』の爆音試聴会と解説やエピソードのトークなどなど。応募方法は、メール、または応募フォームからお願いします。
1.応募メールアドレス:beatles@1242.com
住所、氏名、年齢、電話番号を明記してご応募ください。
2.応募ホームはこちら>
※締め切りは6/20(火)23:59
※1名様1回の応募でお願いします。
※当選1枚につき1名様のみご招待となります。
※当選発表はメールで招待状配信をもってかえさせていただきます。なお、当日はアジア・アフリカの恵まれない子供たちに学校をプレゼントする“ジョン・レノン基金”への御協力もお願いいたします。
そんなこんなで、『雑学と音楽 ザツオン』第21弾いかがでしたか? 音楽のもうひとつの楽しみ方、次回もお楽しみに♪
神部恒彦(a.k.a 北大路おさんどん)
1960年北海道生まれ。
1981年「オールナイトニッポン」のADとして放送業界で活動開始。
音楽やドキュメンタリーを中心としたテレビ・ラジオの構成/選曲を担当する。
1992年いったん全ての仕事を終了してシベリア鉄道で渡欧。
1年間に渡りフランス/スペインを拠点に欧州各国の景勝地や美術館を見て回る。
さらに渡米、自動車でアメリカ大陸を横断しながら様々な音楽聖地を巡って帰国。
幅広い音楽/雑学知識と好奇心でジャンルを問わない番組/イベント構成を手がける。
趣味:大相撲/F-1観戦、全国各地の居酒屋訪問と見知らぬ人々との会話。