6/16(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ！』今日の聴きどころ！②
自衛隊をめぐる自民党の改憲議論秘話
7:02～ひでたけのニュースガツンと言わせて！：コメンテーター石破茂(前地方創生大臣･自民党衆議院議員)
9条に3項「自衛隊」を付け足すのは安倍総理の独断だった本日のスペシャルコメンテーターは自民党の石破茂氏。憲法記念日に安倍総理がビデオメッセージを放送したことに対して、その裏側と憲法改正に関する意気込みを石破氏に詳しくお話して頂きます。
高嶋）憲法記念日のときに安倍総理がビデオ出演みたいなことをして、それから「読売新聞を読みなさい」というようなことも後にあったのですが（笑）。
憲法改正の象徴とも言うべき9条、それに対して1項・2項はそのままにして、3項というのを付け足すのだと。3項に「自衛隊」を書き込む。
これで私が訊きたいのは、石破さんはとにかく以前から防衛大臣もおやりになったし、自衛隊に対する愛情も人一倍、何百倍もある方で。自民党改憲の「こういうものをやろう」という相和にもずっと関わってきた方で。そういう風なキャリアの方に、安倍さんは「今度こういうことをやるから、言いたいんだ」というような、一言相談はあったのですか？石破）相談された覚えは全く無いですね（笑）。私に限らず、憲法の改正について一生懸命やってきた人たち、誰も聞いていないです。少なくとも聞いたという人を見たことがないですね。
高嶋）ということは冗談ですか？
石破）いやいや、本気ですよ。
高嶋）だって自民党内の協力が無ければできやしないじゃないですか。
石破）でも“一強”だから。安倍さんが言ったら皆「はーい」みたいな。でも安倍さんが言ったのは、3項を付け加えるということは「国民的議論に値する」と言ったのであって「俺はこうするぞ」とは言っていないのです。それがどこからか「安倍さんがこうに違いない」という話になってしまっているので。「それって変だよね」ということです。
国の交戦権を認めなければ自衛隊も機能しない 「誤魔化しのツケは必ず回って来る」高嶋）私みたいな素人が見ても「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」と2項に明記されていて、それで3項付け足しで自衛隊を戦力として認めるのでしょう。何でこんなに分かりにくいことをやるのですか？
石破）それはやはり「1項2項はそのままですよ、今までの解釈も何も変えないよ。皆さん安心してね。でも皆さん、自衛隊って合憲だと思っているでしょう？ だから前項の規定に関わらず“自衛隊を保持するものとする”って書いても良いでしょう？」と、こういう感じですかね。
高嶋）それなら2項も変えたら良いじゃないですか。
石破）それはだから、自民党はずっと十何年議論をしてきて、やはり「“陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない“って変だよね。“国の交戦権”って自衛権と一体だから、これを認めなかったら自衛権も機能しないわけですよね。こういうものはやっぱり無くそうね」というのが、自民党のずっと積み重ねてきた議論だった。そのちゃんとしたことをしっかり国民に語ろうという話だったのだけど「いやいや、それはやっぱり国民の抵抗が強い」と。
高嶋）かつての内閣が右往左往したように、自衛隊というのは目の上のたんこぶで、事実上は軍隊なのだけど絶対軍隊だとは言えないというような、そういう時代も確かにありましたが、今はもう「ないない」で、自衛隊は軍隊だと思っているし、石破さんも「国防軍」って名付けるという風にしたのですよね？
石破）だって、あまり誤魔化しは良くないですよ。そういうものはかなり危なくて、誤魔化しのツケはどこかで必ず回って来るのです。そんなことをしてはいけないし、政治がそんなことをやったら誰も政治を信じなくなりますよ。
高嶋）石破さんはそのご相談も無く、安倍さんが言ったこの提案に対しては手を上げるのですか？ それとも反論するのですか？
石破）自民党でずっと議論してきた案と違うわけだし、だったら安倍さんから「自分はこういう考えで3項を付け加えるんだ」という説明を聞かないままに、それこそ忖度をして「安倍さんはきっとこうに違いない」とか、それって党内の議論として健全ですか？
自民党が憲法改正を急ぐ理由「戦争を知らない者だけで改憲したくない」高嶋）年内に何か出して、そして2020年までになんて、スケジュールも決まっちゃっていますけども。それに対しては？
石破）だから憲法改正は早ければ早い程良いのですよ。私は戦争を知らない者だけで憲法改正をするのは嫌なのです。安倍さんも私も戦争を知らないから。だから戦争を体験した人が残っている間にやりたい、知らない者だけでやりたくない。だから別に2020年って関係無くて、2019年だって別に良いのですよ。
高嶋）相当石破さんも葛藤があるようですが、皆さんにはどう響いたでしょうか。
