8/11(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①
6:32ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!:コメンテーター宮家邦彦(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・元外交官)
マナフォート氏とは何者なのか
トランプ大統領のロシアゲート事件。今回は、先日家宅捜索に踏み込まれた、疑惑解明の重要なカギを握るとされているポール・マナフォート氏について、宮家邦彦さんが解説します。
高嶋)資料を見ていたら、「共和党支持層では、トランプ氏は今もなお、76%の支持を得ている」とか。
宮家)それはそうかもしれません。ですが、そんなに共和党員というのは、マジョリティー(多数派)ではありません。ですから、やはり全体として2、3割の強固なトランプ支持者がいるのは間違いないけれど、過半数がとれるような人数ではないのですよ。その人たちはまさにハードコア(強硬派)というか、ダイ・ハード(不死身)の支持者たちですから、そう簡単には減らない。だけど、中間層、無関心層はどんどん下がっているのではないでしょうか? なので、全体としては40%を切ってしまっているということですね。
高嶋)例のロシアゲートですが、絶えずいろいろな人が出てきていて。今度は「ポール・マナフォート氏の自宅が家宅捜索」と資料に書かれていて。彼の名前、どこかで聞いたことがあるのですが、誰でしたっけ?
宮家)マナフォート氏は共和党の弁護士で、共和党内で政治活動をしていた人です。
高嶋)選挙の時にいろいろやった人ですか?
宮家)そうです。トランプさんに1度雇われ、途中でクビになって。まあ、彼がいなくなって勝ったのかもしれないですが……あまり評判は良くないのです。ようするに、オバマ政権の8年間、共和党は冷遇されていたわけでしょう?なので、いろいろなところで稼がなければいけない。それで、ロシアでふらふらしていたのかもしれません。そういう経緯もあって、「よく分からないけど、ロシアから金を貰っているのでは?」と疑われています。
トランプ氏に辿り着くまでにはまだまだ時間が掛かる
高嶋)でも、家宅捜索というと、この前のモラーさんの「大陪審招集」というのも驚きましたが、かなり捜査が進んでいるということですか?
宮家)モラーさんは真面目な人ですので、1つずつ積み上げていくわけです。そしたら、マナフォート氏が最も危ないというか、おかしいわけですよ、見え見えで。なので「金も貰っているだろう」と。そして「どういう金が、どうやって入ってきたのか?」をガッチリ固めるわけです。
これは仮に到達するとしても、トランプ氏のところまでいくのにはかなりの時間がかかりますよ。高嶋)足下に火が付いていると思ったのですが……
宮家)火は付いていますが、そんな簡単に燃え上がるわけではない。導火線みたいに時間を掛けて少しずつです。
なので、次はもう少し大物がやられていくようになる。
「ウソと隠蔽」は政治家にとって致命傷
高嶋)トランプさん個人で言うと、いちばん肝心なことは何ですか?
宮家)トランプさんがこの中で違法行為をしたかどうか、私には分かりません。違法行為が無い可能性すらあります。
問題は、ウォーターゲート事件のときもそうでしたが、ニクソンは決して始めに違法行為をしたわけではない。何が問題かというと、「違法か否か?」ではなく、「それを隠蔽しようとしたか?」なのです。ウソをついたり、隠蔽しようとしたりすれば、それは大統領として失格となるわけです。それで、ニクソンの場合は1972年のウォーターゲート事件で、1974年8月に辞任したのです。つまり、辞めるまでに2年近くかかっている。ですから、トランプさんが早いか遅いかは分からないけれど、通常、大陪審が出来たとしても、すぐに辞めるという話ではない。これから、良く言えば粛々と、悪く言えばダラダラと続くということです。高嶋)モラーさんがスゴく急いでいるのかと思ったら、そうではないのですね。
宮家)急いでないですね。じっくりやっています。
高嶋)ウソと隠蔽は、絶対にダメなのですか?
宮家)ダメです。それが致命傷になると思います。
高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送平日6:00-8:00