サッカー日本代表・柴崎岳 ハリルホジッチ監督が起用するその理由とは?

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柴崎岳

【サッカー日本代表アジアW杯最終予選 練習】笑顔で練習に臨む柴崎岳=2017年8月29日埼玉県内 写真提供:産経新聞社

大詰めを迎えたワールドカップアジア最終予選。今夜、オーストラリア戦で勝てば、6大会連続6度目の出場が決定します。まさに、大一番。ハリルホジッチ監督が司令塔として命運を託すのは、本田、香川ではない模様。最終予選初出場で、1年8カ月ぶりの代表復帰、柴崎がスタメン起用されることが濃厚です。

どんなスタイルで戦うのか。ハリルホジッチ監督は、就任以来、明確なビジョンが全く見えません。これまで27試合を行い、スタメンが26通りもある。つまり、メンバーをほぼ毎試合、変えています。そんな状況だけに、この試合の結果しだいで解任-というニュースが流れるのも当然。とはいえ、グループB・2位のサウジアラビアが昨日のUAE戦で敗れるなど、追い風が吹いてきました。

「これまで天王山と言われる試合は、山ほどやってきた。心配はありません」

と柴崎は話しています。そんなコメントが出るとは、おそらく担当記者は思っていなかったでしょう。運命が変わったのは、鹿島に在籍した、昨年12月18日のクラブワールドカップ決勝。あのレアル・マドリードとガチンコ勝負で、2ゴールをあげました。チームは敗れたものの、柴崎は世界が注目する存在に。ただ、17年年明けの移籍交渉では、最終段階で二転三転し結局、スペイン2部のテネリフェに落ち着きました。

しかし、スペインという不慣れな環境になじめない。体は大丈夫でも不安障害という診断が下される。

「何もヤル気が起こらない。どうしていいのかわからない」。

遠慮がない地元紙にはさんざん叩かれ、体重が6キロも減ってしまう。さあ、大変と大騒動になったのは、日本協会も同じです。ロシアワールドカップの命運を担うゴールデンエージの1人に、日本から秘密裏にメンタルトレーナーを派遣したほどでした。

しかし、柴崎は途中で投げ出すことはせず、スペインでプレーを続けました。ハリルホジッチ監督は、どんなにすごくても国内のクラブに在籍している選手を重視しません。日本代表でプレーをしたければ、たとえ2部でも海外で我慢をしなくてはならない。

「鹿島にいるときは、日本でプレーする選手を使え、と思った。だけど、それは自分の変なプライドだったかもしれない。自分で移籍してわかったのは、海外のリーグで活躍する選手はとにかくすごい」

と語ります。

鹿島では、宇宙人と揶揄されていました。チームメートまでが、

「何を考えているかわからない」

と漏らしたぐらい。寡黙でマスコミなどを含め、発言はほとんどなし。自己主張しない選手で有名でした。そうはいっても、テクニックなどとにかく抜群。それが、海外移籍でメンタルが強化された。久々に代表入りした柴崎は、本音を口にする。みんなが驚いたそうです。

7月、1部のヘタフェへ完全移籍して、背番号は10。チームの顔になっています。ハリルホジッチ監督が今日のオーストラリア線で柴崎をどう使うのか、注目されます。

8月31日(木) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」

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