北朝鮮問題への安倍首相の対応が支持率を上げている

By - NEWS ONLINE 編集部　公開：2017-09-13 　更新：2021-02-01

9/13(水)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ！』今日の聴きどころ！③

ジュネーヴ軍縮会議の全体会合　原油禁輸は見送り
7：10～やじうまニュースネットワーク：コメンテーター鈴木哲夫（ジャーナリスト）

国連安保理の北朝鮮に対する新たな制裁決議の採択を受け、記者団の質問に答える安倍晋三首相＝2017年9月12日午前、首相官邸　写真提供：産経新聞社

北朝鮮大使「アメリカにかつて無い最大限の苦痛を与える用意がある」

北朝鮮による6回目の核実験から1週間あまりで国連安全保障理事会が新たな制裁決議を採択しましたが、目玉の原油禁輸は見送りとなりました。これについてアメリカの外交筋は「最初に最強の決議案を示したけれども、その内容を骨抜きにしたい国々があったので、その様子を世界に見てもらえるようにした」と述べています。中国・ロシアが反対したことが広く知られれば国際世論を味方に付けられる、削除は織り込み済みだったということです。

一方ロシアの外務省は「当初のアメリカの極端に厳しい制裁案を中国と共にかなりの部分で修正できた」と評価する声明を発表しています。

これに対しジュネーヴ軍縮会議の全体会合に出席した北朝鮮の韓大成（ハン・デソン）国際機関代表部大使は演説の中で「北朝鮮の制裁決議は違法で不法だ」と述べ「拒否する」と言明した上で「最終的な手段によりアメリカにかつて無い最大限の苦痛を与える用意がある」と述べて、アメリカを強く牽制しました。

安倍総理は昨日記者団に対し、今後国際社会でしっかりとこの決意を履行していくことが求められる。そして北朝鮮の政策を変えさせることが大切であると述べました。

森田解説委員）安倍総理としては今月の中旬から下旬のアメリカ・ニューヨークでの国連総会などを利用して、原油の輸出制限を含む今回の制裁の完全履行を中国やロシアなどとの首脳外交の場で働き掛けるとしています。
こうした中で昨日の世論調査、読売新聞の内閣支持率は50%と前回より8ポイント上昇、朝日新聞の内閣支持率も38%と前回から3ポイント上昇しておりまして、政府与党は安堵しているということです。

安倍内閣が支持率回復の兆し　有事の際は政権への期待が高まる

高嶋）安倍総理はやはりツイていると考えるべきですかね？　国難が襲って来ると政権への支持率は上がると言われます。
“9.11”直後、ブッシュ政権の支持率が9割になったということがありました。北朝鮮のミサイルの脅威、それから核の脅威に対して政府はいろいろと対策をしていますが、その評価は随分と上がったような気がするのですが。

鈴木）いわゆる有事だとか災害とかが起きると、そのときの政権への期待は高まります。やはり何とかしてもらわないと困るし。

高嶋）国がまとまろうという感じが出て来るのですよね。

鈴木）もちろんそうですね。そういう意味では結局支持率が低いときに北朝鮮の問題がエスカレートしてくるとやはり支持率は上がる。
ただこれは安倍さんというのは中身は別としても外交というものに非常に自信を持っていたし力を入れて来ました。今回の国連の安保決議もそうですけど、実際「骨抜きだと」か「中身がどうだ」とかいろんな評価がありますが、こういうことができたのは日頃から外交のネットワークをしっかりと作り、一生懸命にやっていたからこういうところでできたのです。

臨時国会を控えた安倍内閣　場合によっては内政の諸問題が再び支持率に影響する可能性も

高嶋）核実験のあの日から8日目と非常に早くて、それからアメリカの言っていたあの相当きつい石油の輸出禁止などは、随分とハードルを下げましたけど“全会一致”という、これが非常に評価されているのですよね。

鈴木）安倍さんが外交に力を入れて来たから、そして今有事が起きた、そして期待感が……というものが全部一緒になって支持率の回復に繋がっているのだと思うのです。
ただ数字が確かに最悪の状態からは良くなっていますが、かつて50%を超えて常にもっと高かった支持率からすると、まだまだそんなに上がっているわけではない。つまりこの有事に対しての期待値ということですから、これからどうなるかわかりません。
それから支持率だけでいうと、これは臨時国会が始まると加計学園のようなまたいろんな問題がまた国会に上がってくる。そこでまた安倍さんがどういう風に紳士な態度でそれに対応するかというのもあるので、支持率が上がって安堵している政府の関係者はいますけど、官邸のある人は「まだまだこれは気が抜けない。逆にもっと警戒をしなければだめだ」という声もありますよ。

高嶋）森友・加計を記憶の彼方に押しやるだけで事を済まそうというのは絶対に通用しないと指摘している人は多いですよね。

鈴木）そういうものがまた国会が始まればもう1回再燃しますよね。確かに外交力は繋がってきているものだと思うけれどもそれが全てではない。半面はやはり警戒感は必要だと、こんな感じだと思いますね。