アントニオ猪木議員・北朝鮮の核開発は続く

By -  公開:  更新:

9/12(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

北朝鮮の体制が崩れれば困る中国・ロシア
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター高橋和夫(国際政治学者・放送大学教授)

アントニオ猪木

北朝鮮から帰国し、記者会見するアントニオ猪木参院議員=2017年9月11日夜、羽田空港 写真提供:共同通信社

国連安全保障理事会の北朝鮮への制裁決議が全会一致で採決

国連の安全保障理事会は、まもなく北朝鮮に対する制裁決議を協議する緊急会合を開きます。アメリカがまとめた決議の最終案は中国とロシアに配慮しまして、原案の段階では盛り込まれて注目されていました石油の全面禁輸は見送りとなっています。決議案は北朝鮮への原油供給の年間の上限を過去12ヶ月、1年分の総量とし、現状維持となっています。

一方でガソリンや軽油など石油精製品の供給は上限を年間200万バレルに定めています。これによって原油と合わせた油類の輸入量をおよそ30パーセント遮断する効果があるというふうにも言われてまして、トランプ政権は段階的な禁輸強化への足掛かりにこれをしたい、という風に見られています。

原案段階で盛り込まれていた金正恩朝鮮労働党委員長の資産凍結や渡航禁止については最終案から外れています。また最終案では北朝鮮からの繊維の輸出を禁じ、各国に対しては北朝鮮からの出稼ぎ労働者に就労許可を与えないよう求めていますが、これも例外規定があり、すでに契約済みの者などは認める、となっています。

北朝鮮の外務省は、昨日声明を出し、「制裁決議が採択されれば、アメリカが考えもしない強力な行動措置を連続的に講じる。最後の手段も辞さない」と強い表現で警告しています。北朝鮮を訪問していたアントニオ猪木参議院議員によりますと、北朝鮮の李洙ヨン朝鮮労働党副委員長は、核ミサイル開発について「よりレベルの高いものにしていく」と次のように述べたということです。

アントニオ猪木参議院議員)「この核開発はいつまで続けるんですか」と聞くと、「国際世界が圧力を掛ける限り我々は実験を続けてよりレベルの高いものにしていきます」というような答えでした

森田)「最後の目標まで頑張る」とも述べたということで、この最後の目標というのは水爆を搭載したICBMの実戦配備を指している可能性があります。

高嶋)アメリカもあれだけ強硬に拳振り上げて、結構早い段階からガンガンやってて。いや、今度こそ何か核実験にはとにかく怒りが爆発だ、というような感じだったんですけど。またなんかフニャフニャになっちゃいましたね。

高橋)そうですね。中国とロシアが拒否権を使うぞと脅かすんで、この程度しか盛り込めなかったということですよね。

高嶋)これって、国連って意味ありますかね?

高橋)まあ、無ければみんなでまた集まる場所が無いですからね。会議室みたいなもんですよね。ですからみんなのコンセンサスがあるときは役に立つんですが、無いときは何にもできないですよね。国連って鏡みたいなもんでみんなの姿が映ってるわけで、移ってる姿が醜いとか言ったってそれは自分が醜いんであって。国連を、鏡を責めても、という気がしますね。

国連

2017年9月11日、北朝鮮に対する新たな制裁決議を採択した国連安全保障理事会=ニューヨーク 写真提供:共同通信社

最終決議案は中露に妥協したもの

森田)今ニュースが入ってきまして、国連安保理で北朝鮮の制裁決議案、全会一致で採択されました。ですから中国、ロシアも賛成に回ったということですね。

高嶋)ここまでハードルを下げられれば、中国だってロシアだって跨げますよね。

高橋)ここまで下げたら拒否権使わないって中国とロシアが言ったんだと思いますね。ですから事前の交渉で落ちるとこまで落ちた、ということだと思うんですけどね。

高嶋)北朝鮮側から言うと、本当にそういう国々の腹の底を読み切ってるような感じがするんですけど。何が北朝鮮って優れてるんですかね、そのへん。


北朝鮮の強さは「北朝鮮の弱さ」

高橋)北朝鮮の強さは北朝鮮が弱いということで。あんまりいじめてこの国が壊れたらお前ら困るだろ、というのが北朝鮮の開き直りですよね。確かに北朝鮮の体制が壊れて大混乱になれば中国は困るわけですし、北朝鮮が無くなればアメリカ軍が中国国境まで来るというのは中国が絶対許さないですし、第一、共産主義の国の体制が倒れるのを目の前で見せられたら中国の指導者もあまり良い気持ちはしませんよね。

高嶋)そういうようなお国の事情を抱えながらも、これで、いいわいいわでレッドラインがずるずる後退して、もう剣ヶ峰超えちゃってんだよって人もいるぐらいで。そうするといわゆる北朝鮮の野望というか、無理難題乱暴狼藉が大手を振って国際社会で通用しちゃうってことになるわけですよね。

高橋)そうなんですね。核兵器を備えてアメリカを牽制できる力を持ちたい、というのが北朝鮮の希望ですよね。そうしないと自分達の体制が生き残れないと思ってるわけですから、そこまで突っ走る。


もはや万事休すの状態

高嶋)なんか前は僕、北朝鮮のニュース見るとこの人達可哀想だなと思ってたんですけど、なんか最近胸張ってますもんね。

高橋)エリートだけで庶民の生活は大変だとは思うんですけどね。でもまあ、プーチンさんが北朝鮮は草を食べても核兵器造るよと。中国はかつてズボンを質屋に入れても核兵器造るって言いましたよね。まあ、たくあん食べても戦艦大和という国もありましたけどね。

高嶋)(笑)。つまり言葉を変えれば、気概気迫みたいなものが国全体を覆ってるというような感じなんですね。

高橋)少なくともエリート層の中ではそうでしょうね。自分達が生き残るためにはこれはしょうがないんだ、ということだと思いますね。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

Page top