北朝鮮の核保有容認が日本にとってベターな判断 佐藤優

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9/7(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①

このままアメリカが“妥協”して終わってしまうのか?
6:31~ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!:コメンテーター佐藤優(作家・元外務省主任分析官)

北朝鮮の核保有容認が日本にとってベターな判断 佐藤優
戦争よりも核保有を認めた方が被害が少ない

アメリカが北朝鮮に対して新たな制裁や「斬首作戦」の可能性を示唆する一方、水面下での交渉も囁かれますが、アメリカは北朝鮮の核兵器保有を容認する形になるのではないかとの懸念も上がっています。元外交官の佐藤優氏は、北朝鮮の核容認はただのアメリカのわがままだけでなく日本にとっても最小限の被害に抑えられえると語ります。

高嶋)北朝鮮問題。金正恩という人はいま得意の絶頂にあるような気もするし、よっぽど怖いような肝試しみたいな感じもするし、そこら辺を佐藤さんはどのように想像されますか?

佐藤)強気です。残念ながら今のところ金正恩の思惑通りに状況は動いています。このままの流れだと「斬首作戦」だとか石油の禁輸とか言われていますが、全部上手くいかない。ひとつひとつそれらを潰していっているわけです。結論から言うと、日本にとってはあまり良いシナリオでは無いですが、大陸間弾道ミサイル―ICBMさえ作らなければ核兵器やそれ以外の弾道ミサイルを持つならば構わないと、トランプは妥協するでしょうね。

高嶋)結局アメリカが自分だけの都合で折れると?

佐藤)折れます。自分だけの都合ということよりも、残念ながら日本にとっても、そちらの方が戦争によって金正恩を除去するよりはコストが比較にならないくらい少ないのです。
戦争になると200~300万人以上が犠牲になる、なおかつ韓国の経済的地位が朝鮮戦争時とは違いますから、韓国が被害を受けると東アジアの構造的大不況が起こる。日本の経済も壊滅的な打撃を受ける。こういうことに耐え得るかということですよね。

高嶋)じゃあその結論がアメリカのわがままだけとは言っていられない、ベストな結論はそれなのだということですか?

佐藤)想定されているところのベターで言うとアメリカが妥協して平和条約。表面上いろいろと勇ましい話が出て来ても全部実効性が担保されない話なのです。ということは水面下で行っている米朝交渉を正式に米朝2国間交渉に格上げして電撃的に解決するでしょうね。北朝鮮が欲しがっている体制の安全保障というものを保障できる国がアメリカしかいないからです。日本もロシアも中国もプレイヤーではないのです。アメリカだけなのです。


「斬首作戦」などの大胆な行動は実現には程遠い?

高嶋)斬首作戦みたいなものはアメリカも当然考えているというような、大っぴらに言うというのはどういう意味なのかなと、韓国の場合も思うのですけど。

佐藤)通常大っぴらに言うというのは「やれませんよ」ということですよね。どんな状況でも、国連の安保理決議で北朝鮮は核やミサイルを作ったら元首の首を斬っても良いとは決まっていません。国際法違反になってしまいます。


有言実行の北朝鮮 金正恩は非常に合理的に動いている

高嶋)もうひとつ、金正恩側の防御態勢というのが相当な荒療治をやっていまして、恨みも買っていると思いますよね。大変な恐怖政治だと思いますけど。それに異常に太っていますしね、なんだか「健康上も」とかいろいろと言われていて。精神的にもとことん追い込まれていると?

佐藤)追い込まれてはいないです。正確な情報が入って来れば正確な判断をしています。
病気で心配なのは、あの体型ですから痛風を持っている場合は痛風発作で判断を間違えるとか、あれだけ体が大きいと痔瘻を持っていると。そうすると会議で長く座っていられないとか、そういう心配はありますね。

高嶋)精神的には追い込まれてはいないですか?

佐藤)追い込まれていないです。今年の正月の演説で「大陸間弾道ミサイルを近く開発する」、そしてこの間の実験で「水爆である」と言ったと、そういう風に言ったことは着実に実演していますよね。有言実行だから工程表を作ってその下で彼は動かしていますよね。
国家指導者として彼の考えに即して合理的に動いています。

高嶋)そうですか。斬首はあり得ない、そして金正恩も策略を非常に冷静にやっていると。

佐藤)ただ最大の問題は責任感が無いことなのですよ。これで人類が滅んでも構わないと思っている、これが問題ですね。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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