石油禁輸でも北朝鮮はいっこうに困らない!?

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9/5(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②

禁輸の穴を埋める方法はいくらでもある
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター富坂聰(ジャーナリスト・拓殖大学教授)

石油禁輸でも北朝鮮はいっこうに困らない!?
貿易取引国が100カ国以上の北朝鮮は孤立しない

高嶋)国連の安全保障理事会が、日本時間の昨日の夜11時から緊急会合を開きました。これは日米英仏韓、この5ヶ国が開催を要請したということです。アメリカのヘイリー国連大使は「取り得る最強の措置を採択しなければならない」と。つまり暗に石油の禁輸というのが最後に取るべき手段であると。日本も強硬にそれを主張しているようですが、これに対して富坂さんの分析は、いささか、えっ?というような分析です。北朝鮮も敵もさる者で、もう備えていると。本当ですかそれ?

富坂)私はこの石油の、止めるということは、メディアでこれだけ焦点になるわけですから、これだけのことをやる北朝鮮が「えっ石油止めるの?」と慌てるということはあり得ないと思います。中国も、それをせめて最後に石油止めても、その穴を埋める方法は知っていると思います。だからそこのところで前に進んでいっても中国の影響力が無くなるだけで、東南アジア経由でアングラで入れるとか、中東と直接やるとか、南米からやるとか石油を輸入する方法はいくらでもあります。一時的には困るかもしれないけど、リカバリーショットは打てるんじゃないでしょうか。そうなるとより何にもなくなってしまう。しかも敵対状態が完全に固定しますので。それを本当にやる意味があるのかという選択になってくると思います。
北朝鮮に向かう積み荷が見つかったということが度々ありますが、南米の船であったり、いろいろな国のものが出ていますよね。それだけ北朝鮮の世界との取引は広がっているということです。

高嶋)石油禁輸というと、日本が太平洋戦争に突っ込んだああいうような状況とか想像しちゃいますが、そういう状況ではなくて、162ヶ国ぐらいと北朝鮮が貿易取引があるんですよね?

富坂)その通り。さらに言うとですね、実は2006年の第1回の核実験をしてから今日まで、外交関係は8ヶ国ぐらい増えています。6、7かな、その近辺です。だから日本では孤立化とよく言いますが、むしろ増えています。我々と違って四六時中戦争のこと考えていた国なので。だから備えてないという風に考えて、このボタンを押せば全て終わるっていう発想を日本がしているのは、私はちょっと逆に違和感がありますね。


アメリカの本気度はどのくらいなのか?

高嶋)昨日のニュースでアメリカのトランプ大統領が「アメリカは、北朝鮮への圧力をさらに増すために、北朝鮮と取引している国とは貿易を停止する」というような、非常に激しいことを言っていますが。そんなことについてはどうですか。

富坂)例えば中国とどうするのかなということですよね。貿易のところで、アメリカの学者がやっていましたけど、黒字が多いってことで中国に文句付けますが、アメリカの黒字の40パーセントは中国に出ているアメリカの企業なんですよね。だからそういうのもあるので。土台無理ですよね。

高嶋)言葉は勢いが良いけども実際は難しいぞと。

富坂)そういうことを聞くと、どれだけアメリカはこの問題に本気で関心持っているのかなと逆に、私は思いますね。

高嶋)BRICS首脳会議、福建省のアモイでやっていて、習近平さんもまだ話し合いで通る、というようなことを言っておりまして。非難はするけれども。よく泥を塗ったとかって言いますが、そんなに強烈なことですか? シルクロード抗争のときも、なんか北朝鮮妙なことをやりましたよね。ああいうのって、頭にきているのですか? 中国は。

富坂)頭にはきていますが、顔中泥だらけなんで。その上に泥が付いてきたところで、もう今更ですよ。何十年もですから。昨日今日ああいう態度を北朝鮮で始まったわけじゃないんでね。
よくロシアが「しっぽが犬を振り回した」って言い方よくします。北朝鮮がいつもしっぽでね、犬を振り回すんですよ。だから言ってみれば変な言い方すれば、慣れてるわけですよね。またかっていう感じで。中国はやはり検討した結果、ロシアが合意した、いわゆるダブル・フリーズというものでいいのではないかという風に見てます。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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