北朝鮮問題~対話の鍵は仲介役のスイス?
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9/6(水)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③
今回の核実験では水爆レベルの120ktの核出力
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター鈴木哲夫(ジャーナリスト)
安倍総理がウラジオストクに向けて出発 プーチン大統領と会談予定
北朝鮮による6回目の核実験の爆発規模がTNT火薬に換算して水爆レベルのおよそ120ktに達し、日本政府の初期分析を大きく上回ると見られることが分かりました。日本政府は当初爆発の規模を70kt程と分析していましたが、小野寺防衛大臣が修正しました。
今回の120ktだと水爆級あるいは水爆と共通する核融合反応を使った強化型の原爆の可能性も排除できないということです。北朝鮮外務省の報道官は北朝鮮に対する国連安保理の新たな制裁決議の採択を目指すアメリカを非難し「アメリカの制裁と圧迫に我々式の対応方法で応える」と対抗措置を取る可能性をほのめかしています。
一方アメリカのトランプ大統領はイギリスのメイ首相と電話会談をしまして「中国が全力で北朝鮮に行動を止めるよう働き掛けることが重要だ」という認識で一致したということです。
安倍総理大臣は今日の昼にロシアのプーチン大統領、それから韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領らと会談する為にロシア極東ウラジオストクに向け政府専用機で羽田空港を出発します。明日の午後にはロシア極東の発展を議論する東方経済フォーラムで演説し、プーチン大統領と会談する予定になっていますが、そのプーチン大統領は北朝鮮への追加制裁について「住民の困窮を深刻化させるだけで、核開発の断念には繋がらない」としまして「無益で効果が無い」と否定的な見解を示しています。「解決策は全ての関係国による対話しか無いんだ」とプーチンさんは訴えています。
それからスイスのロイトハルト大統領は記者会見で朝鮮半島の危機の高まりについて「対話の時が来ている」と述べておりまして、中立国スイスは外交交渉の仲介役を務める準備があると表明しています。「危機の打開は今後数週間アメリカと中国がどう行動するかに掛かっている」と訴えまして、スイスはスウェーデンと共に「秘密裏に協力する用意がある」と語っています。金正恩朝鮮労働党委員長はスイスのベルンに留学していたことがあります。
北朝鮮との対話へ向けた安倍総理の考え高嶋)ウラジオストクの東方経済フォーラムに総理が行くというのは予てから決まっていたスケジュールなのですね。
森田解説委員)そうです。今回で3回目となりまして、50ヶ国以上が参加します。
高嶋)それがたまたまプーチンさんも来るし文在寅さんも来ると。
森田解説委員)北朝鮮の代表団も来ることになっています。接触があるかどうかは分かりません。
高嶋)この動きを鈴木さんはどういう風に分析されますか?
鈴木)日本として何ができるかということですが、まずは今安倍総理がやっている、とにかく関係各国と緊密に連絡を取る。そして圧力を掛けるプラス対話です。対話に行かないと前へ進みませんからね、その為の経済的な圧力でもあるわけですけど。そこのところで日本が中心になって、安倍さんが中心になって今回はロシア、そして中国も場合によっては必要になるかもしれない、そういうところに働き掛けていくということも今は一生懸命やるしかないわけですね。
高嶋)安倍総理はヨーロッパの方にも目を向けて、ドイツのメルケルさんとも昨日20分間電話会談をしたとか、それからフランスのマクロン大統領とかイタリアのジェンティローニ首相とかヨーロッパの方の力も結集しようとしています。国連の安全保障理事会で反対するのはロシアと中国ですから、そういったところと圧力を掛けているのですけど、これは効きますかね?
鈴木)“特効薬”をやることによってすぐに北朝鮮が「はい止めますよ」なんていうことはおそらく無い。じゃあ何もできないかというと日本ができる道というのはやはりそこの圧力や対話への流れを作るということですよね。だからその為のパイプ役ということで、勢力的に動いてひとつの面にしていくということです。
あともうひとつポイントは日露関係です。安倍・プーチンの2人はこれまでも頻繁に個別にやってきています。この2人の信頼関係を考えた場合、こうやって直接話をするということはかなりのところまで切り込んで何かしらプーチンの気持ちを揺るがす、そこまで行けるという可能性はあります。高嶋)今までの流れを見ていると、プーチンさんが1番無口なのですよ。プーチンさんはいつも言うことは一緒です。「米韓の軍事演習に対して北朝鮮がロケットを打ち上げる、同じじゃないか。お互い様だ」というような言い方しかしなくて、中国の非難はするけれども、安全保障理事会の常任理事国としてビシッと決めるかというとそんな気配はまるで無い。
仲介役として名乗り上げたスイスと北朝鮮との意外な縁?
高嶋)スイスが出て来ましたけど。
鈴木)そうですね、このスイスというのはひとつのポイントで、要するに金正恩の留学とか金王朝と縁があるわけですよね。
高嶋)兄弟3人ともそうですか?
鈴木)皆スイス留学していますね。だからそういう縁がある。
こういう外交メッセージというのは、何も無いところから突然出すというよりは、スイスを仲介して何かしらの下準備というものがあったのではないかと言う自民党の議員もいます。そういう意味ではここがひとつのポイントになってくる可能性があるのです。
ただ対話をしてもどういう出口、つまり条件にするのか。「核放棄を前提に」なんていうのは対話が進まないわけだから、ここもまた難しいのです。高嶋)「仲介」というのはお互いの“ここ”を突けば歩み寄るのだという、“何か”が無いと絶対に無理ですからね。
鈴木)そうですね。そこはまだズレが大きくあるわけで、この辺が本当に難しいと思いますね。
高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00