12/6(水)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ！』今日の聴きどころ！②

空対地ミサイル導入案は今年春に既に出ていた
7：02～高嶋ひでたけのニュースガツンと言わせて！：コメンテーター鈴木哲夫（ジャーナリスト）

閣議を終え会見する小野寺五典防衛相＝2017年12月1日午前、首相官邸　写真提供：産経新聞社

政府が長射程空対地ミサイル導入の方針　北朝鮮基地攻撃も可能に

日本政府が北朝鮮の核・ミサイル開発問題を受けて、敵基地への攻撃を可能とする長射程の空対地ミサイルを導入する方針であることが明らかになった。空対地ミサイル導入の案は今年の春既に挙がっていたとされ、ジャーナリストの鈴木哲夫氏は日本の「専守防衛」原則に大きく関わるこの議論を今まで深くすることができなかったと指摘する。

高嶋）今日の新聞に「空対地ミサイル導入　政府方針　北朝鮮基地も射程に」とあります。遠く離れた地上の目標に撃つ空対地ミサイル（ASM,AGM）を初めて導入する方針。2018年度予算案に購入費を計上する。
自衛隊の最新鋭ステルス戦闘機「F-35A“ライトニングII”」に搭載し、日本の離党防衛で活用。射程は約300～500km。その他ノルウェーのミサイルやアメリカのロッキード・マーティン社製の1,000kmの物などいろいろと候補が挙がっているのですが、これは鈴木さんに言わせると今年の春、既に現防衛大臣の小野寺五典さんがプランとしては持っていて政府に話をしていたということです。

鈴木）はい。北朝鮮のミサイル問題で有事にもなるのではないかとされる中、自民党の調査会が敵基地を攻撃する能力を持つべきではないかという議論をしてまとめたのです。そのときの座長が防衛大臣になる前の小野寺さんだったのです。

高嶋）その話が具体的に表に出て来たということですね。考えてみれば北朝鮮が日本列島全土を射程圏内に収めていて「何かあったら日本を攻撃する」と言っているわけですから、これはこちらもこういう武器を持たなければ話にならないと思うのですが、いろいろと問題点も多いようですね？

鈴木）北朝鮮が撃って来るというものに対して、日本にはイージス艦によって撃ち落とすシステム「弾道ミサイル防衛（BMD）」というのが既にあります。それからよく「PAC-3“ペトリオット”」というのを耳にすると思いますが、日本の陸上に配置して迎撃する地対空ミサイルもあります。撃って来たら迎撃する仕組みというのは既にその2つがあるのです。
ところが北朝鮮がミサイルを1発撃って来るのではなく一斉に何発も撃って来たときに現状ではとても対応できない。だからミサイルを撃つ前に敵基地を破壊する力を持つべきではないかという理屈です。

高嶋）私もその理屈が当然だと思いますね。

鈴木）ただそれで行くとこれまで憲法も含めてずっと守って来た「専守防衛」という問題との絡みがどうなるのか。それともうひとつは安保法制の集団的自衛権で言うと、例えばアメリカの軍艦などが攻撃されてしまったときに、日本には被害が及んでいないのだけれどもそれが日本の危機だとみなして敵の基地まで撃ち込んで良いのかと。
その辺の議論というのはほとんど国会では行われないまま先行しているという感じなのですね。その辺の議論がまだ抜け落ちていると。

北朝鮮による弾道ミサイル発射に抗議する決議を全会一致で採択した衆院本会議＝2017年12月5日午後、国会　写真提供：産経新聞社

「即決できない」という民主主義の欠点　議論すべき議題が隠れてしまっている現状

高嶋）よく言われる民主主義の一番の欠点は、速攻でものが決められないという。手続きが非常に難しい。そうすると今の北朝鮮情勢というのは日本の情勢には関係無く向こうはどんどん軍備を進めているわけで、それに対してこちらがどういう守りをするのかというのは、議会の手続きやいろんな議論が必要だけれども、当面はこういう体制を整えておくということが必要なのではないですか？

鈴木）そういう意見もあると思いますし、一方で専守防衛という考え方を超えるには、別に北朝鮮に限った話では無いわけです。空対地ミサイルを持つ以上、集団的自衛権を含めてどこの国に対してもそれを行えることになるわけですから。果たしてそれが良いのかどうか。これは予算に計上されるということは、当然予算案を議論するわけですから、来年の通常国会での議論になります。
でもそこで高嶋さんがおっしゃるのがそうだなと僕が思うのが、“遅い”ですよ。3月にその議論があったときに国会でもっと取り上げなければいけなかったのだけど、森友学園問題一色だったでしょう？　だからそこは野党もその話を捉えてやるべきだったという気もしますね。

高嶋ひでたけのあさラジ！
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