第二次朝鮮戦争になりかねない北朝鮮への圧力

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11/30(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!④

必要なのは譲歩
7:17~ やじうまニュースネットワーク その2:コメンテーター 佐藤優(元外務省主任分析官・作家)

追加制裁として金一族の資産を凍結すれば戦争の可能性大

北朝鮮が昨日国営メディアを通じ新型のICBM大陸間弾道ミサイルの発射実験に成功したとする政府声明を発表した。実験に立ち会った金正恩朝鮮労働党委員長は「国家の核戦力は完成した」と宣言。これに対し、安倍総理はトランプ大統領、韓国の文在寅大統領と相次いで電話で会談をし、国際社会と連携して北朝鮮に対する圧力を最大限まで高めていくという認識で一致した旨を表明した。

佐藤)これ以上に圧力をかけることは何があるか。実はまだひとつだけ使っていないものがあります。北朝鮮への石油の禁輸云々の話ではありません。金正恩の一族の資産を凍結するかどうかです。そうすると「お前よくやったぞ」とスイス製時計のプレゼントなどができなくなるわけですよ。威信に関わるでしょう? これは怖い。

高嶋)かつて大騒ぎをしたバンコデルタのようなことですか?

佐藤)一緒です。薮中三十二さんという、このときの6ヵ国協議の交渉をした外務事務次官が朝日新書から本を出版され、そこで初めて証言されますが、6ヵ国協議で北朝鮮は核を廃絶する用意があったと彼は見ていた。ところがそれとは別に財務省ルートでバンコデルタの問題をやっていた。そこで制裁をかけてしまったので当時の金正日が「俺の財布によくも触ったな、だましやがって!」と決裂してしまったのではないかと書かれています。薮中さんは直接交渉をしていた人ですから。その話から判断すると、金正恩もお財布に手をつけると暴発の可能性があります。

高嶋)かなりわかりやすいですね。それと同時に日本自体が非常に危うい要素が否定できませんよね。

佐藤)横田基地にトランプさんが来て、発言しましたよね。横田には朝鮮国連軍の後方司令部がありますからね。北朝鮮がもし戦争を始めたら朝鮮休戦協定の規定に国連軍はすぐに動けますから。

高嶋)大げさな表現には驚きませんが、北朝鮮の日本に対する真意はどうなっていますか?

佐藤)11月21日の朝鮮中央通信の『ネナラ』という朝鮮語で我が国というサイトがあります。ドメインも『KP』という珍しい北朝鮮のやつで。そこでは「誇大妄想書に浮いた日本も無分別にのさばらないほうがいいだろう。一旦朝鮮半島で戦争が起これば日本は絶対無事ではない。日本にある米国の侵略基地と共に戦争に動員される日本のすべての者が木っ端みじんになりかねない。日本が軍国主義の馬車に乗って、暴走することは自滅のどん底に一層深く陥る結果しか得られない」と言っています。

高嶋)表現の大げささは別にして、確かに朝鮮戦争になったら、日本に駐留している米軍が動くわけですよね。そこを攻撃するぞと。

佐藤)昨日も朝鮮中央通信で「日本の敵対行為を傍観しない」という大論文を出していますから。もし金正恩の財布に手を出したら、撃ってきますよ。先ほどのニュースで言った通り、スパイが侵入している可能性がありますから。難破船を装う形で工作員を送り込んでいると考えるのが妥当ですから。

高嶋)厳しいタイトな状況になりつつあるということですか?

佐藤)常識的に考えれば、200万人以上が死ぬような第二次朝鮮戦争の先端を開くことはないです。北朝鮮は国家が壊滅しますし、アメリカにとっても大変な打撃だし。もし北朝鮮が自暴自棄で、北朝鮮領内に米軍が入っただけで核爆弾を爆発させたら、朝鮮半島から経済拠点がなくなります。みんなが逃げてくるので、日本も貧困のどん底になってくるわけですよ。それを考えたら常識的にはあり得ないけど、第一次世界大戦でもありえないと思われたことが起きたわけで、売り言葉に買い言葉、相互の誤解から戦争が起きる可能性がゼロではない。だから警戒しないといけません。率直に言いますと、日本もアメリカも含め、双方北朝鮮に対して譲歩が必要です。譲歩しないと戦争になります。

高嶋)究極の圧力とありますが。

佐藤)圧力の話はもういいです。譲歩の話をきちんと考えなければいけません。

高嶋)佐藤さんの見解はそういうところですが、どういう進展を見るのでしょうか。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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