工藤大輝が語る「2018年の楽しみと夢」

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【月イチ連載コラム:工藤大輝と偶像音楽論(通算 第17回)】

工藤大輝が語る「2018年の楽しみと夢」

あけましておめでとうございます。

2017年も過ぎ去って気づいたらもう2018年。去年も怒涛のアイドル業界でした。やはり毎年必ず触れ直すのは卒業や解散の振り返りですが、その辺の細かいところはまた別の機会でお話できたらと思っています。その一方で新しい取り組みで新体制になったりと、マイナスなものばかりではなかったイメージもあります。中でも新メンバー加入という今後をより良くするための前向きなニュースが多かったように思いますが、夢アドさんやでんぱ組さんがその筆頭で、今年の動きが注目されます。

毎年言っていますが、近年のアイドル業界は一旦ピークを迎えて現状少し落ち着きつつあります。グループの数は飽和していて、ひしめき合うグラウンドからどう抜け出すかというところがポイントになってきますが、そこまで行けずゆっくりと停滞したり下降したりしていくというのが現実です。

今後はよりマイノリティなステージでしっかりと信頼とスキルを得て、それを武器に地道に登っていくスタイルが少数メンバーのアイドルグループの道程になっていくんじゃないでしょうか。これはいわゆる従来のアイドル的な進め方ではなく、むしろもうアーティスト然としてきているのです。ジャンルが「アイドル」なだけで、進め方はバンドやシンガーソングライターと変わらない。

ちなみに、今年は2018年。今から約10年前の2008年に僕の運命を変えたPerfumeさんの初武道館がありました。ビタミンドロップあたりからハマっていた僕は武道館で感動のあまり号泣した記憶があります。今は完全に先進的なアーティストとして認知されていますが、昔々Perfumeさんはテクノポップアイドルと呼ばれていた時期がありました。

10年前とはいえ、上記の進み方の最高峰がPerfumeさんだと僕は考えていて、EDMが流行り始めた時代背景もありましたが、ブレない音楽性とアーティストイメージ、小さなところからコツコツと積み上げた信頼できるファン層を持ってしてある日ある時に満を持して大ブレイクするのです。この場合はポリリズム。

この、ブレイクポイントまで来ることがとても難しい。2018年、既にCDの価値は殆ど付加価値のみとなって、セールスも昔のように爆発的に跳ねないのでより難易度が高くなってきています。その分違ったメディアや方法が生まれて来るとは思いますが。

おそらく今年もまだまだなんとも難しい状態が続くと思いますが、そこから抜け出すグループもきっと現れると思います。そんな時代を作る瞬間を目撃するのが2018年の楽しみと夢でもあります。

その為にもやはり現場主義というスタンスは崩さずに生での温度感を大切にして今年も過ごしていきたいなと思っております。

と言うことで今回はこの辺で終了とさせていただきます。次回も楽しみにしていただけると幸いです。

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