米大使館エルサレム移転と日本のカジノ開業を結ぶ深い関係とは?
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2月27日(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①
米大使館移転と日本のカジノの2つに関係する人物
6:31~ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!:コメンテーター高橋和夫(国際政治学者・放送大学教授)
米大使館エルサレム移転と日本のカジノ開業の接点となる人物・アデルソン
イスラエルのアメリカ大使館エルサレム移転と日本のカジノ開業。一見関係がないように見える2つの事柄に大きく関連する一人の人物、シェルドン・アデルソンというユダヤ系アメリカ人の実業家について、国際情勢に詳しい高橋和夫に訊く。
高嶋)アメリカ大使館エルサレム移転が日本のカジノ開業と結び付く大きな接点があるという話なのですが、これはどういう意味合いですか?
高橋)アメリカ大使館を今あるテルアビブからエルサレムに移すには当然お金がかかりますよね。それを俺が出すという人がいて、その人がアデルソンというアメリカのカジノ経営者なのですね。このカジノ経営者はラスベガスですごいお金を儲けられて、マカオそしてシンガポールに進出してきて、次は日本に来たいと言っている方です。この方がエルサレムに関係しているということなので、日本にもそう遠い話ではないなということです。
高嶋)ユダヤ系の方ですか?
アデルソンの思想の背景
高橋)そうです。お父さんがロシアから移民した方で、丁度生まれたのが1933年と、かなりご高齢です。1933年というのはドイツでヒトラーが政権を取った年です。1945年に第二次大戦が終わってヨーロッパで600万人ユダヤ人が殺されたという事実が出て来たころ、アデルソンは12歳くらいです。このことに「ヨーロッパのユダヤ人を助けることはできなかった」とアメリカのユダヤ人は強い意識を持っていて、イスラエルに対する支援に一生懸命な世代です。彼はその代表的な人物ですね。
アデルソンの経営するカジノ「サンズ」と日本
高嶋)今でもラスベガスで有名なホテル・カジノをやっているのですか?
高橋)ええ。彼の経営しているところはサンズというホテルです。
高嶋)有名ですね。このアデルソンという方はユダヤ系の方だから勿論、首都のエルサレム移転、そして日本のIRについても食指を伸ばしているわけですか。
高橋)そうです。日本人がモデルにしている統合型リゾート、シンガポールのマリーナベイ・サンズ。そこに日本の政治家はたくさん見学に行かれてますよね。だからこういうのでただ単にカジノじゃないぞ、会議場もあるしホテルもあるしということを彼は売り込んでるのですね。
高嶋)すんなり日本でも行きそうなのですか?
高橋)いやライバルの会社もありますし、日本ではギャンブル依存症という問題もあるので、これで良いのかという議論は勿論あります。
高嶋)彼はどんなことを主張しているのですか?
高橋)日本は良いけどギャンブルのスペースがちょっと狭すぎて、これじゃ採算が取れないから、ホテルとか会場はあんまり儲からない。だから日本はもうちょっと自分が儲かるようにしてくれという立場です。もしかしたら、一応言っているだけで、今の条件でも飲むのかもしれないですが、商売上手ですからね。
ユダヤ系の人々のイスラエル支援への想い
高嶋)アデルソンさんのように、イスラエルを応援する大金持ちというのはいっぱいいるのですか?
高橋)「いかにお金を儲けたか」ではなくて、「いかにイスラエルのために尽くしたか」というのがユダヤ人コミュニティでは勲章みたいなものなのですね。ですからイスラエルに行くと、この大学は誰が寄付したとか、有名なユダヤ系の方の寄付の場所が沢山あります。この方はイスラエルでは今のネタニヤフ首相の支援者として知られて、アメリカではトランプさんを支持していて、トランプさんの就任式かかった500万ドルは彼が持ったと言われています。
高嶋)途方もない大金持ちですね。84歳ですか。スケールの大きい話を伺いました。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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