南北首脳会談を実現させた文在寅大統領の綿密な調整作業とは?
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3/19 (月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①
支持率は70%まで回復
6:32~ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)
南北首脳会談は文在寅大統領就任直後からの綿密な計画の成果
北朝鮮寄りの政策から50%台にまで落ちていた文在寅大統領の支持率が、平昌オリンピックを通して急激に回復している。李明博、朴槿恵政権で途絶えた南北のパイプの修復を綿密に進めてきた文在寅政権だが、彼らは米朝首脳会談の実現を確信しているという。
高嶋)「文在寅大統領が日本にやってくる」というニュースがありましたが、彼のしたたかな外交センスが、いま韓国で人気を押し上げているそうです。若い人の人気がまた戻ってきたということですが。
須田)そうですね。特に20~30代。平昌オリンピック開幕前は「統一旗の使用」とか「統一チーム」に対して、非常に冷ややかに見ていたそうなのです。「そんなことより経済をどうにかしてくれ」、「自分たちの生活をどうにかしてくれ」という人達が、逆に支持率を一旦下げだしたのです。
ところが、実際に統一チームや統一旗の熱狂ぶりを見てみると、どうやら感銘を受けたようで、平昌オリンピックを通じて20~30代の支持率がグーンと回復しまして。60%を切るまでに急落していた内閣支持率が、70%前後で推移している。過去の韓国政権を見てみると、一旦大きく下がった支持率が大きく回復するケースは希有で、初めてと言ってもいいです。「では、その背景に何が?」ということで、文在寅大統領の出身母体である、与党の「共に民主党」の幹部に話を電話で聞きました。それによると、どうやら文在寅さんは、李明博、あるいは朴槿恵政権で途絶えていた南北のパイプを政権復帰と共にもう1度つなぎ直して、そこからかなりスピーディーに、綿密に調整作業を進めてきた。だから、出たとこ勝負であれをやったわけではない。計画的に着々とやってきて、その成果が南北首脳会談につながったそうです。韓国は米朝首脳会談の実現を確信している
高嶋)選挙のときから北を意識した発言がすごく多かったですよね。
須田)当選後、すぐに水面下での交渉を開始した。その過程のなかでアメリカにも逐一報告をして、了解を取り付けているなかで交渉を進めていった。そういう流れのようなのですよ。
高嶋)それだけ緻密に、時間をかけて耕してきたので、それが金正恩の笑顔を引き出したという事ですか?
須田)そういうことです。加えてもう一点言うと、アメリカ側の了解も取り付けたうえで公表に踏み切りました。
この場合、南北首脳会談は開かれるとしても、米朝首脳会談はどうなのかというと、トランプ大統領があそこまで踏み込んだ。あるいは、アメリカの国務長官も交代した。こうした一連の流れを見ていくと、韓国側は、「間違いなく米朝首脳会談は開かれる。そういうスケジュール感で進んでいる」という認識です。高嶋)トランプ大統領がティラーソン国務長官をクビにしましたが、米朝首脳会談を進めるなら、いままでずっと「話し合いだよ」と言ってきた彼の路線になるわけですから、彼を使えばいいと思うのに、どうも人事も何も無茶苦茶ですね。どうなんだろう?
須田)ティラーソンさんというのは、どちらかと言えばトランプ大統領に対して上から目線です。トランプ大統領からしたら、自分のコントロール下に置くことができない。だから勝負どきになったら、その辺は自分の意に沿うような人材になったのだと思います。
高嶋)では、韓国の与党、共に民主党の方々は順調に文在寅大統領の作戦が経過していると捉えているわけですね?
須田)そうですね。
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