プーチン大統領再選へ~日露関係のカギとなるシベリア開発とは?

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3/19 (月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②

75%を超す得票率
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)

プーチン氏はクリミア併合と投票日を重ねて、国民の民族感情を刺激

ロシアでは大統領選挙が行われているが、プーチン大統領の当選が確実視されている。大統領選挙投票日はかつてのクリミア併合日であり、日付の時点でプーチン氏の意図が伺える。通算で4期目となるプーチン・ロシアと日本、またアメリカとの関係は今後どう進んでいくのだろうか。

 

高嶋)ロシアの大統領選挙。何しろ10時間の時差があるので、まだ完全に終わっていないのですが、開票率50%の段階で、プーチン大統領は75%の得票を得ているということで、勝利宣言みたいなことをしていますね。これは予想通りということですか?

須田)そうですね。もう鉄板の勝負でしたからね。

高嶋)しかし、あまりの地位の長さに、唖然としますね。ロシアの人は、メドベージェワもプーチン支持で、すぐ後ろに立っていたりする。オリンピックのメダリストをみんな並べて。
あと、「ちょっとヤバい」というヤツには選挙前にいろいろイチャモンを付けて出ないようにして。「投票という名を借りた独裁者」という話もありますが、どうですか?

須田)私もそう見ています。投票日のスケジュールそのものも、ある意味で意図された、操作された物なのですよ。
投票日の3月18日は、ロシアがクリミアを併合した日です。ですから、ロシア人のナショナリズムというか、民族感情を焚きつけて選挙戦を戦ってきた。「弱腰にならないロシア」、あるいは「強く出られるプーチン大統領」というところで、マッチョ性が大きく支持を集めたのだと思います。

高嶋)クリミア併合と同じ日を投票日に設定した。これが、ようするに西側が対ロシアに経済制裁する理由ですけどね。「何言ってるんだ!」みたいなことですかね。そういうナショナリズムみたいなのが、かえって盛り上がるのですか?

須田)そうですね。ロシアは、ナポレオンやドイツとの戦争とか。そういうことを繰り返してきて、西からずっと攻め込まれてきた。それに対して弱腰なトップは支持を集められないのですよ。強気になってグイグイ行かないと、熱狂的支持は得られないという状況だと思います。

今後のプーチン大統領のネックは経済問題

高嶋)イギリスへ行っていた元スパイについて、ロシアは「関係ない」と言っていますが、「そんなことはないだろう」と。これはイギリスとロシアは仮想敵国で、その底辺に流れる意識が非常に大きく作用しているということです。プーチンさんは経済的にキツいようですが、これからどうですか。アメリカのトランプさんが例の大統領選挙時の、ロシアのいろいろな攻撃に対して、ようやく重い腰を上げた感がありますが。

須田)プーチン大統領にとって1番のネックは経済問題なのですよ。ロシアの経済は相当苦しい状況にある。経済が苦しいと、分離独立の動きが起きてくるのです。そのなかで最大の問題は、サハ共和国という国がありまして。言ってみればシベリアですが、ロシアとしては絶対にサハ、あるいはシベリアを失うわけにいかない。何故かというと、資源埋蔵量が1番大きいところですから。それに対して何をやるかというと、経済開発なのです。経済的に潤わせることにより、どうにかつなぎ止めておく。そういうことをやる。
それに対して協力を求めているのが我が日本なのです。日本の経済協力はシベリア開発の部分にありますから。日露の関係をどう持ってくるかが、ポイントだと思います。

経済協力するも北方領土問題は進展せず~日露関係の見直しの時期

高嶋)国内経済のポイントはシベリアと、対日本ということですか。

須田)ただ、そこで日本が「経済政策の見返りに」と言って念願している北方領土はというと、これも先ほどのナショナリズムに関連してくるところですから、一朝一夕では上手く行かないのではないかな、と思います。

高嶋)安倍さんほどプーチンさんに会っている首脳はいなくてね。日本に来てくれたりもしますが、肝心要の部分では何も動いていないですよね。

須田)北方領土もゼロ回答ですからね。今後その辺を、日露関係をどのようにしていくのか、考えてみるべきタイミングになっているのだろうと思います。

高嶋)トランプさんとの関係はどのように進展しそうですか?

須田)トランプさんも、ロシアと全面対決するような考えはないと思います。とりあえずロシアに対して厳しいポーズは取るでしょうが、だからといって、経済制裁をやるところまでは踏み込まないと思います。

高嶋)何となく、米露関係はこのまま行くのですかね。

須田)このまま行くのではないでしょうか。トランプさんにとってロシアというのは、いろいろな意味で、大統領選挙のことも含め、ウィークポイントなのだと思いますけどね。

高嶋)2024年までやって、錆は生じないのか。非常に気になります。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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