トランプ大統領が中国の知的財産権の窃盗に報復
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3月23日 FM93AM1242 ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!④
中国製品に25%の制裁関税
7:16~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター宮家邦彦(元外交官・キャノングローバル戦略研究所研究主幹)
トランプ大統領が中国製品に25%の追加課税の制裁措置を表明
トランプ大統領は日本時間の今日未明、ホワイトハウスで中国はアメリカから多くの知的財産を盗んでいると述べ、制裁措置を指示する大統領令に署名しました。その制裁の内容は中国からの年間輸入額のおよそ1割に相当する500億ドルから600億ドル、日本円でおよそ5兆3千億円から6兆3千億円の中国製品に25%の追加関税を課すというのが柱です。併せて中国のWTO世界貿易機関に提訴して中国企業によるアメリカへの投資制限も強化するとしています。関税の対象は情報通信や航空、宇宙など最先端分野の製品としまして、USTRアメリカ通商代表部が15日以内に具体的な品目を公表するとしています。またWTOの提訴では他の加盟国との連携も探る方針で、日本やEUなどとの共同提訴に発展する可能性もあります。この高い関税は相手国の不公正貿易に対する制裁を認めたアメリカ通商法301条が根拠となっています。
また、トランプ大統領は23日には中国を主な標的とする鉄鋼とアルミニウムの輸入制限も発動します。この輸入制限については先程、韓国やEU、オーストラリアなどは暫定的に適用の除外とする方針が示されました。日本については、対象になるかどうかはわかっていません。こうした動きを受けて、米中貿易摩擦が高まるのではないかということで、22日のNY株式市場ダウ平均株価は前の日に比べて724ドル安くなって取引を経ています。
高嶋)一種、これ公約ですよね。トランプさんの。それで、たしかにアメリカの貿易収支40兆円の巨額赤字計上などと言って、大きい金額ですが、1980年代あたりの日本を彷彿とさせますね。スーパー301条とか。
同じ通商法301条でも、1980年代の日本とは違う
宮家)通商法の301条は日本にも適用されたのですが、私は全く違うと思う。当時の日本といまの中国は。
高嶋)違う。
宮家)当時の日本も確かに模倣もあったかもしれない。それから産業スパイがいろいろな情報を取ったかもしれない。だけど今の中国がやっているのは、国家権力が、アメリカの政府ではなくて、アメリカの民間企業の知的財産をサイバー攻撃等で盗んでですよ、しかもそれをその後、中国の権力組織に使うならともかく、アメリカのその中国のライバル企業に情報を流しているわけですから、これはもうルール違反どころか……。
高嶋)私が具体的に聞いたのは新幹線です。中国は巨大市場ですから、あそこに入らないことには売上げが伸びない。だから、仕方なしに入る。そうすると、然るべき中国企業と合弁しないといけない。
宮家)そうすると全部抜かれてしまう。
高嶋)全部、技術を提示しなくてはいけない。そうするとその盗んだ技術を元にして新幹線作って、中国が考えたのだと。これは日本の技術を盗んだものではないってことをいけしゃあしゃあと言う。これが一番困ったところであるという。どうしたらいいですか。
宮家)本来はそういう制裁はやりたくないし、やれば中国だって面子潰されたら必ず報復しますから、けっこうなガチンコになると思いますよ。
オバマ時代からあった中国の問題
高嶋)これ、トランプさんの苦し紛れですか?
宮家)いや、前からやりたかったことだと思います。これはオバマさんの時代から問題あったことです。今までは中国に対して配慮していた。何故配慮したかと言うと、90年代から、中国を資本主義化させれば、中国の社会が変わって、中産階級ができて、市民社会ができて、そしていずれは民主主義になるのだと、こういう期待のもとにやっていたわけです。ところがやってみたら全然違う、逆でしょう? ならば、もうこれは制裁に行かざるを得ないと。そういう判断がたまたまですが、トランプさんはそういう人だから、やっちゃったと。
高嶋)大昔の米ソ冷戦なんていう時代は、共産圏は年計画とか言って、それに向かって一生懸命やってね、中国も大躍進政策とか言って、わけのわからないことばかりやって失敗したわけでしょう。
宮家)社会主義やっている内はいいのですよ。失敗するから。
高嶋)それで今、資本主義の良いところ皆、勝手に持って行っちゃって。
宮家)統制経済の良いところも取り入れているから自由な競争がないんですよ。そういう状態で同じように戦うのは難しい。だからアメリカが制裁したいのもわからないでもないが、あまり良いやり方ではない。
高嶋)そうですか。中国がどういう報復をしますかね。
宮家)まあ農産物でしょうね。そして、アメリカの農民を騒がせると。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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