アメリカが鉄鋼輸入制限すると日本はどんな影響を受けるのか?
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3/5(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ④
EUと泥仕合も
7:17~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)
トランプ大統領が鉄鋼輸入制限を表明~EUは報復関税を検討
アメリカのトランプ大統領が鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を発動する方針を示したことが波紋を広げている。EUヨーロッパ連合は実際に発動された場合の報復関税を検討しており、報復の連鎖に繋がる可能性が出ている。
トランプ大統領はアメリカの安全保障を理由に、鉄鋼とアルミニウムの関税を引き上げて輸入制限を課すと明言しました。これが今月の1日のことです。第一義としては、大量の鉄鋼やアルミをアメリカに間接的に輸出している中国への対抗策と見られますが、具体的にはアメリカに輸入される鉄鋼に25%、アルミに10%の関税を課すというものです。対象となる国についてアメリカのロス商務長官はアメリカCNBCのインタビューで、最終的には大統領が決めることだと、こうした上で全ての国に適用されると見られると述べました。つまり日本も例外ではなくなる公算が大きく、世耕経済産業大臣はロス長官に早速、電話で日本の強い懸念を伝えたということです。
一方ロイター通信によりますと、EUは輸入制限が実現した場合はアメリカからの輸入品28億ユーロおよそ3,650億円相当に25%の報復関税を適用する検討を始めたということです。具体的にはバイク、バーボン、ジーパンなどが対象になると見られています。
このEUの動きに対して今度、トランプ大統領がTwitterでEUから輸入される自動車に税金を課すだけだと述べ、泥仕合の様相を呈しています。発動されれば36年ぶりとなりますが、自由貿易体制の根幹を揺るがしかねない状況となっています。
高嶋)今のアメリカの鉄鋼関連というのはどうなのですか? 死に絶えているのですか?
須田)死に絶えているとは言いませんが、寸前の状況に追い込まれているのではないかなと思いますよね。
高嶋)ピッツバーグだとか。
須田)そうですね。もう完全に火が消えてしまってゴーストタウンとなっていますからね。
高嶋)そこを大統領としては票田ですから、何かいろいろ言っていましたよね。救おうと。
トランプ支持層へのアピールである輸入制限~日本にも影響
須田)そうですね。だからそこに再び火を灯す。そもそもトランプ大統領の支持基盤というのは誤解を恐れずに言うと、大学に行っていない白人層です。そういった人たちがどこで働いているのかというと、こういった製造現場で働いているわけです。そういった人たちが職を失った、あるいは所得が低いという状況に対して不満が爆発したということはトランプ政権が発足した最大の原動力になったわけですから、そういう人たちの留飲を下げなければならない。
高嶋)その人たちにとってはトランプよくぞやってくれたと。公約をちゃんと守っているじゃないかと。だけどこれをやったら、今もEUの随分細かい商品に対して関税をかけるとか、何かいろいろ言っておりますけれども、お互いに泥仕合になるでしょう。
須田)そうですね。今、グローバル生産体制ですから、お互いにそれぞれ純粋な国産というものがあまりないのです。相互に融通し合っていますから。原材料であるとか、部品であるとか。加えてもう一つ問題点が上がっていまして、それは何かと言うと、中国で作っている鉄鋼がアメリカに行き場を失うと、日本にダンピングされる状況で、入って退かれないという状況があるのですね。
高嶋)日本が割を食うと。
須田)日本の鉄鋼メーカーが割を食うという状況もないわけではないです。日本としても直接的にアメリカとの貿易の取引だけではなくて、そういったかたちで間接的な影響を大きく被る可能性が高いですね。
高嶋)先日のニュースだと、日本も例外ではないっていうようなこともありましたから、泣きっ面に蜂もいいところですね。
須田)ただ、今、鉄製品というのはごく標準的な品質のものは中国が生産しているのですが、高品質のものなど細分化されていまして、いろいろな用途に分けて作られています。日本の鉄鋼メーカーが得意とするのは高品質で純度の高いものと言われています。そこに関税をかけると何が起こるのかというと、アメリカもそれを必要としているわけですから、入ってこなくなるとお前たち大丈夫なの? と私は思いますけどね。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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