トランプ大統領の「TPP復帰示唆」の真意とは?
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1/26(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②
参加11か国はひとまず歓迎か
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター宮家邦彦(外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所・研究主幹)
カナダがTPP著名の意向を発表~トランプ大統領がTPP復帰を示唆
TPP参加へ難色を示していたカナダが協定に署名する意向を発表した。それを受け、TTP離脱したトランプ大統領が「条件が整えば協定にとどまることが可能」と言及し、復帰を示唆。その真意はいかなるものだろうか。
高嶋)新聞を見ていたら、「TPP11、日本説得に功を奏す」とか。カナダが軟化して、3月に署名で合意するそうです。これでやっと纏まるのかなと思っていました。
その後4時26分に、もう散々報道していますが、共同通信で、アメリカのトランプ大統領が「TPPに復帰を検討する用意がある」、「アメリカにとってより有利な条件になるなら、TPPをやる」と。ダボス会議に行っているようですが。宮家)「何言ってるの?」という話です。不利だから抜けたのでしょう。
高嶋)「TPPは酷い」と言っていたのですよね。
宮家)「何をいまさら、こんなこと言ってるの?」と。この間も言いましたが、この人は、一種の自己愛性人格障害ですから。彼は常にその場所で好かれたいのですよ。ダボスに行けば、ビジネスマンと自由貿易主義者ばかりいるわけです。そこで「TPPけしからん!」とは言えないから。しかも、非常にリベラルなCNBCでしょう。こんなもので一喜一憂しても仕方がない。速報でこんなことを言って、「大丈夫?」と。こんなのをいちいち信用していたら……もう少し、冷静に頭を冷やして貰わなければ。
高嶋)本気度はゼロだということですか?
宮家)いや、本気かもしれませんが、常識的には、11で固まっているわけですから、アメリカはどんどん焦りますよね。
TPP復帰示唆のトランプ大統領の真意は何か?
高嶋)カナダとメキシコのNAFTAの方も、何とかしたいけどうまく行かない。つまり、いろいろと選挙中に貿易に関して打ち上げた問題は、全部うまく行っていない。
宮家)そうですね。元から無理なことを言っているのだから。
高嶋)ある意味、今頃トランプさんにこんなこと言われたら、ありがた迷惑も良いところですよね。
宮家)ありがた迷惑というか、みんな疲れますよね。「アンタ、何言ってんだよ」と。こういうことを繰り返せばアメリカのリーダーシップや信用がどんどん傷ついていくことに、本人が分かっていない。だから問題なのです。喜んでいるのは中国とロシアです。いま笑っていますよ。
高嶋)しかし、トランプさん、最初に仰った「自己愛性人格障害」の症状で物事を見ていくと、全部当てはまるんですよね。今回だって、「ダボスではウケ狙いで言ったけど、帰国したら何を翻すか分からない」みたいな。
宮家)そうです。ペンシルバニアに行ったら、また「TPPはけしからん」と言うに決まっている。そういう意味では、一貫しているということです。
高嶋)こういう人相手に交渉するには、こちら側としてはどうすればいいですか?
宮家)難しいですね。懐に飛び込んだ方が早いでしょう。だから、安倍さんはそっちを選んだのでしょうね。喧嘩しても振り回されるだけだから。そういう意味では、日本のやり方は上手かったかもしれない。
高嶋)TPPが11で固まりましたが、アメリカが入るなら、「じゃあもう1度」ということはありますか?
宮家)そんなことしませんよ。「アンタが変えなさい」と。アメリカが有利になるわけがない。いちばん有利だったときに抜けた人が再加入するときに「もっと有利にしてくれ」とはふざけるな、という話です。もっと不利になるのは決まっているのだから。
高嶋)トランプ大統領は就任直後の去年1月に、「TPPから“永久に”離脱する」大統領令に署名して、復帰に触れたのは初めてです。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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