5/22(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!④
アメリカ抜きのTPP、その実現度は?
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)
新たな米通商代表はタフネゴシエイターアメリカを除くTPP(環太平洋連携協定)に参加する11ヶ国による閣僚会合が開かれ、今年11月までの合意を目指すなどとした声明を採択しました。声明はTPPから離脱したアメリカを念頭に当初の署名国が協定に再加入しやすくなる枠組みをするとしています。
高嶋) フロマン前通商代表もタフネゴシエイターでしたが、今度のライトハイザー代表という人はそれに輪を掛けてすごいみたいですね。
畑中) ライトハイザー氏はレーガン政権の下で次席代表を務めていまして、このときに鉄鋼貿易に日本を揺さぶって対米輸出の自主規制を認めさせたという実績があります。ですから前回のフロマンさん以上のタフネゴシエイターではないかなという見方も出ています。TPP11と言われます11ヶ国はベトナムのハノイで閣僚会合を開いたわけですが、早期発効に向けた具体的な検討を始めることで合意しました。採択された声明では11月のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)までに準備を終える、アメリア復帰へのレールを模索するということが採択されましたが、やはり各国考え方に温度差がありまして、もともと離脱したアメリカも含めて各国それぞれ不満がある中で妥協してできたのがTPPという産物ですから、ここへ来てその不満が蒸し返される形になっております。ベトナムやマレーシアは国営企業改革で譲歩したことに対して不満を持っておりますし、カナダやメキシコはアメリカとのNAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉も控えておりますから、このライトハイザーさんの顔色をうかがいながらの交渉になり、なかなか一枚岩になれないというのが現状です。
高嶋) イレブンと言うとサッカーを連想して。上手くいくのかと一瞬思ってしまいますが。TPPをやるときにアメリカが抜けたら全く意味がないとみんなが言っていましたよね? これはどうですか? 石原伸晃さんがいろいろ言っていますけど。
須田) 実は先々週、TPP交渉を当初リードされていた甘利経済財政担当大臣と会ってこの件に対して話を伺う機会がありました。今後TPP問題はどうなっていきますかと訊いたところ「アメリカ抜きのTPP11の協議をずっと続けていきましょう。その一方で日米間のFTA交渉も進めていかなければならない。これを並行して進めていって両方が決着するときに合流していればいいじゃないか」と。
高嶋) それは可能ですかね?
須田) アメリカにもTPPの必要性はFTA交渉の最中に訴えていって。アメリカとの間にFTAはやらないといけませんから。それを進めていく中で最終的なゴールは一緒と。それに対してTPP11の方にも日本はこういうスタンスで進めているからというやりかたをすればいいのではないかと。
高嶋) ゴール地点というのは期日的にいうといつ頃を想定しているのでしょうかね?
須田) まだ想定は出来ていないと思いますけどねえ。対米のTPP交渉の中で一番何が苦労しましたかというと、アメリカの交渉担当者にはもう業界がぴったりくっついていると。ひとりひとりに特定の業界団体がついていて、苦労したのは豚肉。そこを何とか決着を付けることがTTP交渉の一番のポイントだったと。今度日米間のFTAを進めていく中で、ライトハイザーさんを含めてどこの業界がバックについているのか、そこの見極めが必要だと思います。
高嶋) アメリカの議員さんすごいですからね。11月のAPECで協定の早期発効に向けた検討と言っていますけど可能ですかね?
須田) 難しいと思いますけどね。