親密なトランプ大統領と安倍首相~そのメリットとデメリットとは?
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11/1(水)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②
世界から見たアメリカと日本のあるべき関係
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター鈴木哲夫(ジャーナリスト)
世界の中でも親密な日本とアメリカの関係であることは実証された
今月5日から7日まで日本に始めて訪れたトランプ大統領。今回の訪日で安倍総理はアメリカやトランプ大統領との親密な関係を強調しましたが、ジャーナリストの鈴木哲夫氏が日本がアメリカと関係を親密にしていくことのメリットとデメリットについて考察します。
高嶋)鈴木さん、日米首脳会談についていろいろと伝わって来ていますけれども、詳しいところは分からないのですが、どうですか? 地獄耳の鈴木さんとしては。「いやいや、実はこんな話があったんだよ」というような、とっておきの話は無いですか?
鈴木)安倍さんとトランプさんの信頼関係という意味では、世界中のトップ同士の中でも安倍さんというのはトランプ大統領にかなり食い込んでいるということは間違い無いですよね。
高嶋)それは世界に示しましたよね。
鈴木)だからその延長線上でということで、話の中身としては「こんにちは」「いやあどうもどうも」ではなく少し深い話。“深化”と言うのですか、そういう話ができたと安倍さんの周りの人は言っています。
高嶋)そう伝わっていますが、具体的に何があったのか。例えばトランプさんの本当に目的とする軍備、装備品を買わせて、それで雇用をアメリカで増やしてみたいな、国内的に非常に点数が上がるようなことは極めて具体的に出て来るのですけど。
では、例えば北朝鮮問題なんかについても何をどう話したのかとか突っ込んだ話、まあそういうのは伝わらないのが当たり前なのかもしれませんが、どうだったのですかね?鈴木)経済の話ですが、日本政府や自民党の幹部たちが言うには、トランプ大統領がここまで言うとは予想していなかったというか、少し戸惑った感じはあります。
元々トランプ大統領というのはTPP(環太平洋経済連携協定)を脱退して2国間でどんどんやっていく、“2国間”というのは結局アメリカの要求をどんどん通したいということですから、自動車や農産物をアメリカのためにどうこうしろと、こういう話ですよね。そういうところにトランプさんは持って行きたい。これについて、日米の財界人の会合で言ったり、首脳会談の場でもけっこうその話が出たと聞いています。
だけど日本にとっては、それをやられると反論したいけども反論すると友好問題に水を差しますから、中々言い切れないというところがあります。親密な日米関係のメリットとデメリット
高嶋)鈴木さんの率直な印象として、安倍総理とトランプ大統領の実に密着した感じ、9時間半一緒にいたとか蜜月を強調した、ああいうのというのは今後の日本の対米関係、あるいは世界に対して、これは相当な点数になるのでしょうか? それとも後で「うーん、あのときなあ……」みたいなことになるのでしょうか?
鈴木)プラスマイナス両方あると思います。プラスという意味では、トランプ大統領にこれから接したい世界中のリーダーたちが、安倍さんを通して「トランプってどういう人なんだ?」「トランプに繋いでくれ」とある種の仲介役的な外交を果たせる、そういうプラスはあると思います。
マイナスの部分もあります。100%行動を共にすると安倍さんは言いましたが、蜜月ぶりがあまりにも外に出てしまうと、北朝鮮問題もそうですが、それぞれ国の立場が違う。例えば韓国や中国が現に違ったわけです。そういう中でアメリカべったりと日本が見られてしまうと、中国や韓国との関係がギクシャクする。
だからアメリカべったりのメリットとデメリット、両方あると思います。安倍首相はアメリカに対し言うべきことを日本の立場で言うべきである
高嶋)表面的にしか見えませんが、トランプ大統領は韓国に行ってもちゃんとやるべき会談はやり、大統領とは握手し、従軍慰安婦の代表の晩餐会に出て来たおばあちゃんともハグをしてと、けっこう気遣いをしていますよね。
鈴木)というより外交というのは、トランプさんもそうだけど、アメリカ向けにいろいろとやっているなと今回、思いましたよね。北朝鮮に対しても軍事力を背景にした強いリーダーなのだと、経済もちゃんと言ったぞと。トランプさんはアメリカでの支持率が非常に悪いわけですよね。
高嶋)最初は必ず基地へ行きますよね、韓国もハンフリーズ基地に行きましたけど。
鈴木)そういう自分のアメリカ国内向けみたいなことにちゃんと外交を利用するわけです。そういう意味では安倍さんは正直にやりすぎた。もっとしたたかに、もっと言えば信頼関係があるならば、これからはもう日本の立場で言うべきことはどんどん言うと、それくらい強い姿勢に変わっても良いのではないかと言う側近もいます。私もそうだと思います。
高嶋)お付き合い密接でにっこり笑っていてはいけないということですよね。
鈴木)信頼関係があるなら言うべきことを言って、むしろ忠告するくらいの姿勢でも良いと思いますけどね。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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