トランプ大統領~アジア歴訪で一体何を語るのか?

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10/27(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②

11月5日の日本訪問から
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター宮家邦彦(外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

トランプ

2017年10月24日、ワシントンDCのホワイトハウスの執務室でのドナルド・トランプ米国大統領 / AFP PHOTO / SAUL LOEB 写真提供:時事通信

トランプ大統領のアジア歴訪まで9日

トランプ大統領が11月5日の日本を皮切りに韓国、中国、ベトナム、フィリピンの5カ国を訪問します。アジアの諸問題についてトランプ大統領が何を語るのか、外交評論家の宮家邦彦氏は貿易問題や北朝鮮問題に焦点を当てて分析する。

高嶋)トランプ大統領があと9日で日本にやって来ます。何やら横田基地からいきなりゴルフ場に行くらしいですね。

宮家)ゴルフ場の方がいろいろと率直に話せるのではないですか。あまり仕事好きそうじゃないし。

高嶋)「フロリダであれだけゴルフを持ってやったんだから良いところでやらせろ」みたいなものですよね。
日程を数えると10日間です。中国を取り囲むような感じで日本・韓国・中国・ベトナム・フィリピンと周る。これで最近やたらと映像で流れるのが、トランプさんが「とても大きな北朝鮮問題を解決しないといけない。私が解決する」とまた言っています。

宮家)言うのは簡単ですよね。

高嶋)これは専門家も「これがテーマです」と大体言いますよね。

宮家)まあそうでしょうけど、まず北朝鮮の問題を除くと、アメリカの大統領が当選して初めてアジアに来るということです。それで最初に日本に来るというのは定番です。
それでトランプさんの場合は“アジア回帰”とか“アジア・ピボット”とか言ったオバマさん、オバマさんがやったことを全部ひっくり返すのがトランプさんの趣味ですから、そういう意味では試金石ということになるかもしれない。

元々貿易問題への期待で当選したトランプ大統領 日本との貿易について何を語る?

宮家)もうひとつ忘れてはいけないのは貿易問題があるということです。やはりアメリカでトランプさんが選ばれた理由のひとつは、アメリカの経済、特に産業がおかしくなっているわけだから、それで保護貿易みたいなことを言って当選した人ですからね。でも北米自由貿易協定(NAFTA)も環太平洋経済連携協定(TPP)も無茶苦茶になっているけど、じゃあ今度は日本に対して何を言って来るのかというのがポイントなのです。
あまり日本に押し付けてガンガンやったら「安全保障があるでしょう」と、そしてこれを言わなかったら今度はアメリカの国内が困ると。そういう意味ではトランプさんはいろいろ考えてバランスを取ろうとすると思います。

高嶋)「それぞれ2国間交渉をやる。例外は無い」と言っておりますから、日本に対してもかなり強気で出て来るかもしれないですね。

宮家)だけど貿易というのは相手ありきで、NAFTAなんて動くわけが無いですよ。メキシコとカナダが絶対に黙っていないです。

米空母3隻が朝鮮半島に集結 「私が解決する」と言うトランプ大統領の真意とは?

高嶋)それで北朝鮮ですけど、アメリカの空母がCVN-68“ニミッツ”・CVN-71“セオドア・ルーズベルト”・CVN-76“ロナルド・レーガン”と3隻も朝鮮半島の方に入っていくという、これは極めて珍しいそうですね?

宮家)確かにそうですね。今全部でニミッツ級が10隻、ジェラルド・R・フォード級が1隻現役で新たに1隻が建造中ですから、運用で考えたら全体で4隻運用するのが普通ですからね。その内3隻が来るというのは大変大きな話です。

高嶋)どう解決するのですか? 「私が解決する」というのは。

宮家)“私”というかアメリカがやらなければいけないのだけれど、簡単に言うとアメリカが今やらなければいけないのは圧力を掛けることですよね。圧力は掛けるけど戦争を始めてしまったら意味も無いわけで、つまり経済制裁以上で戦争以下の何ができるか。そして空母を3隻連れて来て軍事的なデモンストレーションをして「アメリカは本気なんだぞ」と。
相手を本気にさせる為にはまず日本と韓国にとっても本気なのではないかと思うくらいのことをやらなければ、中国や北朝鮮にメッセージは伝わりません。

高嶋)「身内から騙せ」みたいなことですね。

宮家)そういう意味では「本気だな」と思うくらいのことをやっているということです。

高嶋)北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相も前に「太平洋上で水爆実験をやる。金正恩委員長は言ったことは全部やってきた」というようなことを言っていましたよね。

宮家)でもやれないこともいっぱいありますよ。やれるものならやってみろと。

高嶋)だけどこれは一連の5ヶ国歴訪のとき北朝鮮はどうなのでしょう。中国が党大会を5年に1回やっているときは、そっけない祝電ではあるけども一応顔を立てていると。

宮家)まあ何月何日に誰が何処に行くかとか記念日がどうとか、合同演習をやるからとか、ミサイルは花火ではなく兵器だから、お祝いで撃っているわけではないですからね。兵器を開発する計画の中で撃てるなら撃つ、できるだけ早く撃ちたいというだけのことだと私は思います。あまり一気に注目しない方が良いと思います。

高嶋)秒読みで「ここまで行ったら攻撃せざるを得ない」という“レッドライン”があるそうですけど、そこはまだ無いのですね?

宮家)レッドラインは言わない方が良いです。言って、超えてしまったらやらなければいけないから。もっと柔軟性を持たなければいけないと思います。

高嶋)ご機嫌はゴルフのスコア次第ですね。

宮家)そうですね、ご機嫌が良い方が良いですね。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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