トランプ大統領日本訪問~焦点は「北朝鮮」と「米の貿易赤字削減」
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11/6(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③
8兆円にも及ぶ対日貿易の赤字
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)
天候にも恵まれ、「ゴルフ外交」は順調な滑り出しを見せた
アメリカのトランプ大統領が昨日来日し、初日は安倍総理大臣と、埼玉県川越市のゴルフ場で、いわゆる「ゴルフ外交」を行いました。安倍総理とトランプ大統領は、今日は首脳会談に臨み、北朝鮮問題などをテーマに話し合います。
警視庁が1万8,000人の警戒態勢という、最高レベルの警備体制の中、まずは埼玉県川越市のゴルフ場で安倍総理大臣が出迎え、男子ゴルフの松山英樹プロを交えて、ゴルフ9ホールを回りました。プレイに先立ち、ゴルフ用の帽子にサインをするサプライズもありました。この帽子には「DONALD&SHINZO MAKE ALLIANCE EVEN GREATER」(よりよい同盟にする)と刺繍をされていました。昼食は、アメリカ産牛肉によるチーズバーガー。今回のゴルフのスコアについては明らかにされていませんが、ラウンドを終えての安倍総理大臣です。
安倍総理大臣)天気も本当に良くて。トランプ大統領も、大変楽しんでいただけたのではないのかな、と。様々な話題について、ゴルフ場であれば、お互いにリラックスして本音の話ができることもあるが、いろいろな、難しい話題も織り交ぜながら、ゆっくりと突っ込んだ話ができたと思います。
日米首脳会談が今日行われますが、会談はすでに始まっていると言っても良いかもしれません。トランプ大統領も、この後の夕食会の前に「北朝鮮や貿易など、様々な課題について、有意義な議論の最中だ。上手くいっている」と述べています。ラウンドの最中にも、北朝鮮問題に突っ込んだやり取りがあった可能性があります。夕食会ですが、東京の銀座にある、高級鉄板料理店で開かれ、安倍総理夫妻が、トランプ大統領夫妻をホテルまで迎えに行き、大統領専用車に相乗りして店に向かいました。
トランプ大統領「これから貿易の話をする。みなさんの気分を害することになるだろう」
高嶋)ああいうのも珍しいですね。始めて見ました。
畑中)そうですね。しかも大変な警備状況で、街にいた人もほとんど見られなかったそうですが、夕食会の献立は、「北海道のホタテ貝と白トリュフのサラダ」、「伊勢エビのソテービスク仕立て」、「但馬牛のステーキ」、「チョコレートパフェ」でした。牛肉は、昼のアメリカ産から和牛になり、この辺りも、心遣いというものがあったのかと思います。いよいよ今日は本番ということになりますが、今日の午前は、天皇皇后両陛下が、トランプ大統領夫妻を皇居に招き、懇談されます。そしてワーキングランチを経て、午後にはいよいよ日米首脳会談です。北朝鮮問題は「核ミサイル開発を進める北朝鮮への圧力を最大にして、朝鮮半島の非核化を目指す」という方針を確認します。
トランプ大統領ですが、来日してゴルフ場へ行く前に、アメリカ兵を前に「独裁者は我々の決意を過小評価しない方がいい」と話しており、「アメリカが北朝鮮をテロ支援国家に再び指定するのかどうか?」が焦点となりそうです。一方、貿易問題については、やはり何が飛び出すのか分からないということで、日本政府もちょっと戦々恐々としているようです。昨日の夕食会では、トランプ大統領は「これから貿易の話をする。みなさんの気分を害することになるだろう」と言っています。対日赤字が去年702億ドル(およそ8兆円)ということで、この会談で難題が飛び出すのか、特に2国間のFTA(自由貿易協定)あるいは自動車、農産物市場の開放を迫ってくるのか、こういったところがポイントになってきそうな感じです。
トランプ大統領の本音は「北朝鮮」と「貿易」問題
高嶋)昨日まではゴルフで、とにかくトランプさんは「自分のビジネスの成功はゴルフ抜きでは考えられなかった」と言っているくらいで、「グリーン会談」というか、グリーン(ゴルフ場)での交渉が大好き。回りながら、機微を心得ているところはあるみたいです。よく日本のビジネスマンも、「ゴルフ場で商談が上手くいくか、いかないか」と言う人がいますが、相手がどんなプレーをして、どんな成績かを見て、いいタイミングでパッと話を持って行くとか……上手い人はけっこう上手いらしいですね。安倍さんも、「3人でショートホールでパー3で上がった」という情報も入ってきました。
さて、それでいよいよ、今日が本番ですが、いま畑中デスクからもテーマが出た「北朝鮮」と、それから「貿易問題」ということですが、トランプさんの本音は、やはり貿易の方でしょうか?須田)いや、両方あると思います。その前提として、トランプ外交の最大の特徴というのがありまして。従来の外交のスタイルとはかなり違うところがあって。何かというと、「事前の事務方の積み上げ」がまったく無いのです。トップ同士の会談で話を進めたりひっくり返したりするので、気が抜けない。だから、先ほど高嶋さんが指摘したように、「ゴルフ会談」というのは非常に有効になってくる。そうすると、2つポイントがあります。
1つは、北朝鮮問題。なかでも、場合によっては軍事オプションをとる際に、日本とどういう形で協力関係を…日本は集団的自衛権の行使ができる。アメリカの空母に対しても、日本の護衛艦が護衛をしている状況…これをどう進めていくのかが、話題として出てくるのではないかと思います。アメリカが気にかけているのは日本の過度な円安
高嶋)いざというときの話も、出たのですかね?
須田)いや、そこはせざるを得ないでしょうね。その辺りを強く意識してきたからこそ、安倍さんは10月解散に踏み切ったわけですから。
もう1つ気になるのは、先ほど指摘していただいた「貿易問題」についてです。確かに8兆円の対日貿易赤字があるのは事実ですが、その裏側に何があるかというと、やはり「行き過ぎた円安」です。アメリカはそれを相当気にしていますから、場合によっては、日本が為替操作国、つまり「意図的に円安に誘導しているのでは」と話題が出てくると、日本としては真っ青、という状況になるのでは、と思います。高嶋)FRBの議長も、今度変わりますからね。では、今日の会談で一体、どんな話が出てくるのか。けっこう、昨日の歓迎ムードから一転して、非常にシビアな話になるということですね。きっと、今夜のニュースになるでしょう。
高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00