米中貿易問題~トランプ大統領に振り回されずに日本は独自の外交を
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4月5日 FM93AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!③
トランプ大統領は再選を目的としたリアリスト
7:10~ お早う!ニュースネットワーク:コメンテーター鈴木哲夫(ジャーナリスト)
米中が貿易戦争に突入か
中国政府は4日アメリカから輸入する106品目に25%の関税を上乗せすると発表した。これはアメリカのトランプ政権による中国の知的財産権侵害を理由とした貿易制裁への報復措置で、世界第1位と2位の経済大国による貿易戦争の懸念が一段と高まっている。
飯田)売り言葉に買い言葉みたいにどんどんボールを投げ合っている感じですが、トランプ大統領というのは強硬な人なわけですか?
トランプ大統領が見るのは国内世論だけ
鈴木)安倍総理の外交ブレーンの議員とか、外務省OBの方に取材をすると、そもそも前提としてトランプ大統領そのものをあまりまともに見ない方が良いと。見るから振り回されるんだと言う人が多いわけです。これはある外務省のOBが言っていたのですが、トランプ大統領は既に中間選挙どころか、次の大統領選挙も考えて体制を作っているのだと。事務所含めて動き始めているくらいなんだと。
それを考えると、やはり国内世論じゃないですか。国内世論を大事に考える。それを考えて中国と喧嘩した方が良い時には喧嘩するし、保護貿易やった方が人気をとれるならそうする。もっと北朝鮮と話しろよ! って世論が盛り上がれば話もする。再選を目的にしたリアリストなんだから、昨日言ったことが今日変わる。全て彼の行動原理は国内を向いているのだと。だからこれに一喜一憂してやっていたら日本は常に梯子を外されちゃうよと言います。現にそうですよね、北朝鮮の問題もそうだけれど、日本は一生懸命「圧力圧力」って言って去年からずっとやってきているけども、韓国は韓国で自分の国の事情があるからさあっとオリンピックをきっかけに北と近づいた。飯田)韓国の国益はそこで戦争が起こって人が死ぬということを一番避けたいから、ああいうことになると。日本とはちょっと立場が違うわけですよね。
安倍政権に必要なのは「もっとしたたかな、独自の外交」
鈴木)それは責められることではなくて、韓国には韓国の事情があるわけですよね。同じようにアメリカにはアメリカの事情があって、北朝鮮に近づいたりする。そういうことを考えると日本は梯子を外されちゃうわけですよ。あれ、気がついたらアメリカも韓国もいなかったとなる。貿易もそうだけど、日本はTPPというのをずっと守ってやるんだ、この姿勢でとにかく我慢をする。これで中国とアメリカが貿易戦争をやっているからと流されずに、日本独自の姿勢を貫かなきゃダメだということを言う人が多いですね。私もそれがポイントで、「振り回されるな」ってことだと思います。
飯田)日本ファーストをやっていくしかないってことですよね。
鈴木)外交ってそうじゃないですか。国益のぶつかり合いなんだから、もっと厚かましくしたたかにということが安倍外交に必要なのだろうと思います。
飯田)しかし世論に左右されちゃうトランプ大統領と考えると、それはロシアとかいろいろなところがアメリカに工作に入るよなと思いますよね。
鈴木)そうです。だからそれに1回1回振り回されてはダメってことですよね。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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