就活生必見!~今後“儲かる意外な職業”
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「モリタク式新生涯年収」からひも解く
「垣花正 あなたとハッピー!」(4月11日放送)に経済アナリストの森永卓郎が早まる就活を背景に「モリタク式 生涯年収ランキング」を提言し、大卒男子生涯年収について解説した。
就活の大きな基準「給料はいくらなのか」に提言!
就職活動情報大手のマイナビの発表によると、来春卒予定の大学生の就職内々定率は3月末時点で9.5%。去年の6.3%を上回った。企業の選考活動も前倒しになり、就活シーズンは早くなっている。学生が就職する企業を選ぶ大きな基準は年収、それも生涯年収である。
あちこちのメディアが生涯年収ランキングを出している。お金だけでないとはいえ、この業界に入ったらどれだけ一生の間に稼げるのかというのは、業界選びの大きな指標であることは間違いないことだ。
現実と離れている~厚生労働省「賃金構造基本統計調査」の生涯年収は平均2億8千531万円
この年収ランキングを作るときに、一般的に使われているのが厚生労働省の賃金構造基本統計調査、賃金センサスと呼ばれているものがある。これは標準労働者という転職しないで、ずっと定年まで勤め続けている人だけを選び出して、どのような給料をもらっているかが、統計で見られる。
大卒の場合、22歳で就職して、22歳の年収から60歳まで単純に足し上げるという作り方だが、この統計によると大卒男子の生涯年収はいま全産業を合わせて平均2億8千531万円だ。かつて大卒生涯年収は3億円と言われていたのだが、ちょっと目減りしているのが現実となっている。
現在の「生涯年収」は中高年のいい時代の給料に積み上げられたもの
しかし、私はこの年収は間違えていると公言している。どうしてかというと、今の学生にとって「どれだけこれからもらえるのか」ということが重要だ。ところが、この一般的に使われている生涯年収ランキングというのは、例えば現在55歳の人というのはいい時代に会社に入って、若い時代にボンボン昇給していまがあるわけだ。いまの22歳まで生涯年収がそこまでいくかと言うと、いかない。
もう、給与体系が変わって昇給がかつてのように20代のうちに年収1,000万円になるなんてことはない。ただ、日本は労働条件不利益変更禁止の法理というのがあるので、一旦給料を上げてしまうと下げられない。昔良かった時代にドンと給料が上がった人たちがたくさん残っている会社は、その人たちの給料はドンとある。でも若い人はそのしわ寄せで少ないままでなかなか昇給していかない。
モリタク式「賃上げ積み重ね方式」~実質の大卒平均生涯年収は2億4千201万円
だからこれから就職しようと思っている学生たちは、生涯年収をいうのを一つの指標にするのならば、よかった時代の昔の人たちの生涯年収ではなくて、「これから定年まで勤めたらいくらもらえるのか」というものを調べなくてはいけない。
私は生涯年収の計算を「賃上げ積み重ね方式」というのでやるべきであると言っている。いま、23歳の社員がいたとする。この人は去年は22歳だったわけです。去年22歳だった人が23歳になる過程でいくら賃上げしたかというのは統計でわかる。今年の統計と去年の統計を見ればいいわけだ。
そうすると「22歳から23歳にこれだけ上がります」というのをずっと定年まで積み重ねていけば、「いまのペースで上がっていったら、生涯いくらもらえるのか」という生涯年収は推定でできる。
私は実際やってみたところ、全産業の大卒男子平均は2億4千201万円。先ほどの厚生労働省のものと比べると、4千330万円下がる。
大学出ても生涯的には2億4千万円くらいしかもらえない、というのが、いまの生涯年収の本当の姿だ。
大卒の年収は生涯800万円を超えることはない!
衝撃的だったのは、通常使われている生涯年収のデータで見ると、大卒のサラリーマンは50歳代になると平均年収が1千万円を超える。サラリーマンで勝ち組と呼ばれる1千万円を平均で超えているのが現状だが、私の推定によると定年まで働くなかで大卒男子の年収は最高でも700万円代にとどまる。年収800万円を超えないというのがいまの大卒男子の生涯賃金だ。もう、昔と違うのが現実となっている。
これからの注目職種は電気・ガス会社などの熱供給業
さらに驚くのは、業種別に見ると、常識を覆す結果が出ている。「どこへ行ったら一番給料が高くなるか」と言うのが、発表されているデータで見ると金融保険業だった。銀行とか証券とかだ。「やっぱり銀行家か」ということになるだが、この金融保険業は3億3千448万円。かなりもらえる。ところが私の推定する新生涯年収によると、2億7千903万円ということでかなりと落ちる。発表されている大卒の平均年収が2億8千500万円ですからそれよりも下になっている。
なぜ、こんなことが起こっているかというと、銀行はAIの普及でどんどん人がいらなくなると言うので、万単位のリストラ計画をいま立てている。さらに低金利で儲からなくかってきているので、かつてのような高い給料を払えなくなってきている。
金につられて銀行や証券に行くのはやめたほうがいいと思う。
実は今回の推計で異彩を放ったのが、電気、ガス、水道、熱供給業だ。電力会社、ガス会社だ。発表されている生涯年収でも3億1千90万円と高い。私の新生涯年収でも2億6千994万円。銀行・証券業界に迫る金額となっている。
金融業のいまの抑え込み方がさらに続くとすると、抜くかもしれない。
垣花正 あなたとハッピー!
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