郷ひろみを育てた名プロデューサーの曲の誕生にまつわる秘話

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番組スタッフが取材した「聴いて思わずグッとくるGOODな話」を毎週お届けしている【10時のグッとストーリー】

きょうは「あなたが選ぶ アーティスト別ベストソングリクエスト」にちなんで、今回特にリクエストが多く寄せられたアーティスト・郷ひろみさんを育てた名プロデューサーに「個人的ベストソング」と曲の誕生にまつわる秘話を伺いました。

今から46年前の、1972年8月。独特の歌声を持つ男性アイドルが、CBSソニーからデビューしました。彼の名前は「郷ひろみ」。当時、まだ16歳でしたが、デビューからずっと郷さんをプロデュースしてきたのが、CBSソニーの名プロデューサーとして知られたヒットメーカー・ 酒井政利(さかい・まさとし)さんです。

「郷ひろみさんは当時から、本当に絵に描いたような美少年で、そこにいるだけで周りがパッと明るくなるというか、陰と陽でいうと、根っからの“陽”でしたね」と語る酒井さん。郷さんのビジュアルと独特の声を活かして、男の子にも女の子にも幅広く支持されたいと考え、デビュー曲にあえて『男の子 女の子』というインパクトのあるタイトルを付けたのです。

「私はいつも、テーマを考え、タイトルを自分で決めてから『今度は、こんな感じでいきましょう』と作詞家・作曲家に発注するんです」という酒井さん。『誘われてフラメンコ』『How many いい顔』『2億4千万の瞳』といった印象的なタイトルは、すべて酒井さんが考え出したものです。

「ビジュアルだけで売っていくと、どうしても飽きられてしまうんです。だからタイトルや歌詞にも、個性的な言葉を並べていったんですね」
時には郷さんに「酒井さん、これはちょっと…」と言われることもあったそうですが、「いや、これを歌うことが、将来君のためになると思う!」と押し切ったのが『お嫁サンバ』です。

「レコーディングまで、ひろみさんは歌うのをかなり渋っていたんですが、実際に歌ってみたら想像以上の素晴らしい出来になりました。あの曲で彼は歌手としての幅が広がってひと皮むけたし、コンサートでも欠かせないレパートリーになっていったんです」

デビューからずっと郷さんを見守り、楽曲面だけでなく、時には相談に乗って支えてきた酒井さん。これまで手掛けてきた曲の中で「“この一曲”を選ぶとしたらどの曲ですか?」と伺ってみると、こんな答えが返ってきました。「そうですね……どの曲にも思い入れがあって、選ぶのが難しいですが、やっぱり『よろしく哀愁』でしょうか」

「陽」のイメージがある郷さんですが、明るいキャラクターにはむしろ「陰(かげ)」が似合う、というのが酒井さんの持論です。そこでまず、タイトルに選んだのが「哀愁」という言葉でした。当時、すでに死語に近い言葉でしたが、さらに「よろしく」という言葉を重ねることで、インパクトのあるタイトルに変えた酒井さん。実はこのタイトルを思い付いたのは、アクシデントがきっかけでした。

「作詞を安井かずみさんに頼んだんですが、安井さん、歌詞が未完成のまま、ヨーロッパへ旅行に行ってしまって、連絡が取れなくなったんです」

とりあえず渡された歌詞は穴だらけ。サビの部分にも歌詞が付いていませんでしたが、安井さんの帰国を待っているとレコーディングに間に合わなくなるので、酒井さんがとっさにヒネりだしたのが「よろしく哀愁」というフレーズでした。曲のタイトルも、これに変更。

「これがなかなかいい感じにはまって、ひろみさんはこれで大人の歌手の仲間入りをすることができました」という酒井さん。ちなみに、レコーディングが終わってから帰ってきた安井かずみさん、酒井さんにこう言ったそうです。「酒井さんなら、うまくやってくれるって分かってたわ(笑)」

【10時のグッとストーリー】
八木亜希子 LOVE&MELODY 2018年4月21日(土) より

八木亜希子,LOVE&MELODY

番組情報

LOVE & MELODY

毎週土曜日 8:30~10:50

番組HP

あなたのリクエスト曲にお応えする2時間20分の生放送!
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