2017年シーズン、総合順位を大きく上げたチームのひとつが、SGホールディングスです。
2015年9位(7勝15敗) 2016年9位(7勝15敗) 2017年5位(11勝11敗)と順位が上昇。前回出演して頂いた田中選手が所属する戸田中央総合病院Medics(メディックス)同様、監督交代が成績に大きくかかわりました。
(インタビューは、第2節が行われる前に行っており、インタビュー内容には、すでに終了した試合の話題も入っていますが、ご了承ください。)
SGホールディングス 背番号10 柳瀬友紀(やなせ ゆき)
1989年生まれの28歳 身長159cm 右投右打 内野手
2017年の個人成績は、打率0.313、21安打、ホームラン4本、打点10(リーグ14位)
■2017シーズンのスタートについて
- 第2節まで終わりましたが、ここまでの試合の出来はどうですか?
(SGホールディングス、第2節終了時で、2勝3敗)
「開幕節前から、バッティングを中心に練習しているんですけど、ここ3試合(第1節●0‐2豊田自動織機 第2節●0‐2 太陽誘電&●0-1大垣ミナモ)無得点が続いていて、投手陣は本当に力をつけて、最低失点で抑えてくれているので、もう少しバッティングの方で点を取れれば、もうちょっと勝ちを伸ばせるかな? というのは感じました」
- その3試合連続完封負け、点が取れていない原因は何だと思いますか?
「点が入っていないので、選手一人一人が、自分が決めてやろう! という気持ちが強くなりすぎているのかな?、こういう気持ちを持つのは、いい面もあるんですけど、《繋ぐ》という進塁打を打つという部分に、気持ちがうまくからめられていないのではないか、それが点に結びついていない所かな? と思います」
- 3試合連続無得点もそうですが、その前の試合でも、2点づつしか取れていない、総得点も少ないですね。
「そうですね。(昨シーズン、順位を上げた事で、)他のチームのエース級ピッチャーを、ぶつけてもらえるようになってきているんですけど、そういうピッチャーが来た時に打てない、また出たランナーを、なかなかホームに帰せないというのがあるので・・・・まあ、良いピッチャーが投げてくるようになった事をプラスに思って、そこを打ち返せるようにしたいな、とは思っています」
- 開幕節(〇2-1戸田中央)の話を聞きたいのですが、逆転勝利で、勝ち越し点は、田中選手のランニングホームラン。その後の勢いがつくような試合でしたね。
「そうですね。開幕節は、始まったばかりという事もあって、そこまで点が入らないといか、点が取れないというイメージが無かったので、同点になって、田中選手の打席になった時に・・・田中選手は去年の開幕節の戸田中央戦でも、相手のピッチャー・テイラー投手から打っていたので、愛称はいいと思っていました。まさかランニングホームランになるとは思いませんでしたが(笑)、正直驚きましたけど、あれで勢いはついたかな? という気持ちはありました」
- 第1節の伊予銀行戦も、2対0で勝利して、勢いに乗ったかな? と思ったんですけど。
「試合になった時に、ちょっと考えすぎるところもあるのかな? と。あと、今年からストライクゾーンが変わったのですが、そこが自分達の思っている所と違ったかなと。ボールだと思ったらストライクだったり、ストライクゾーンに対して、自分達の対応がまだ弱いかなと感じています」
- ストライクゾーンの変更は、思った以上に深刻ですか?
「そうですね。やっぱりいいピッチャーになれば、横の変化というか、(ストライクゾーン)への出し入れを使って来ると思うので、そこの《見極め》というのを、昨年までのシーズンだったら出来ていたんですが、ボールだと思ったらストライクと言われ、そこを意識すればするほど崩れていってしまっている所があったので、今はそこを修正している感じです」
- 今週(第3節)は、デンソーと日立との対戦となりますが、デンソーは、4勝1敗と好スタートを切っています、どんな印象を思っていますか?
「デンソーさんが好調な理由ですか? やっぱりバッティングも調子がいいですし、若い選手が多い分、凄い思い切ったプレーというか、攻めの姿勢がある。勢いに乗ったら怖いなという気持ちが、前々からあったのですが、今は、それがかみ合ってきているというか、何は失敗しても、明るいというか、なんかそういう雰囲気が、相手にプレッシャーではないですが、流れを渡さない。という感じで試合を進めているように見えます」
- どんな所が試合のポイントになりますか?
「そうですね。うちのピッチャーは良い投球を続けてくれているので、やっぱり先にどれだけ点が取れるかだと思うので、先制点の取り方が大事かなと思っています」
【5/19(土)第3節 試合結果 SGホールディングス〇 5 × 0 ●デンソー】
- 翌日は、日立と対戦ですが、日立にはどんなイメージを持っていますか?
「攻撃では、長打を打つというよりは、足を絡めて、そこで出来たチャンスを確実に決めて点を取る。というイメージがあるので、守備で崩れないというのは、大事にしたいなと思っています」
‐ 日立戦での勝負のポイントは?
「愛称的には、そんなに悪いイメージはないので。もちろん打って点を取るのも大事なんですけど、自分たちから崩れなければ大丈夫かな? と思います」
【5/20(日)第3節 試合結果 SGホールディングス 〇 4 × 0 ●日立】
- ここから6月3日まで、連戦が続きますが気になりますか?
「そうですね。(開幕節から第1節で)空いてしまって、良かった所、準備が沢山出来るとか、あるんですけど、やっぱり、リーグ戦の雰囲気だったりとかは、続いてくれた方が持っていきやすいとも思っているので、いちのチームとしては、連戦の方がリズムとしてはいいんじゃないかなと思います」
■勝てなかったチームが勝てるようになった喜びを感じたシーズン
- 今シーズンの目標を教えてください。
「リーグ戦では4位以内に入って、決勝トーナメントの切符を取る事。そこをつかめば、1位を目指してやるというのが目標です。まずはリーグ戦4強に入る、最低限の目標ですね」
- 去年のシーズンは、大躍進だと思いますが、どんなシーズンでしたか?
「小林監督が去年から指揮を執っているのですが、監督が代わった事で、自分達もかわるきっかけになれたのは、凄い大きいと思います。ソフトボールの本当の意味で、《勝つ喜び》とかも感じましたし、《ソフトボールの本当の楽しさ》を味わいながら過ごしたシーズンでした。勝てなかったチームが勝てるようになった喜び、それが凄い大きかったので、チームの雰囲気もすごく良かったと思います」
- 個人でも、打率3割1部3厘の14位と好成績を残しましたね。
「去年は、今までの中では一番良い成績だったので、よかったと思うんですけど、ただラッキーなヒットとかも多かったので、そんなに打っている感じは自分の中では無いんですけど、ただ塁に出るという事を大事にやっていたので、それが結果的に良かったんじゃないかなと思います」
- 塁に出るという点では、出塁率3割8部2厘でチーム2位と、仕事をしましたね。
「そうですね。まだ他の上位チームの1番と比べるとまだまだなので、満足する結果ではなかったんですけど、まあヒットの数とかでいえば、まあまあ結構打てたので、あとはフォアボールであったりとか、そういう所をとれれば、1番バッターとして良かったかなと思います」
- 今年の個人的な目標は?
「もちろんタイトルとか取れればいいですけど、チームが勝つ事が一番なので、個人的には一番バッターとして出塁して、得点するというのが目標です」
- 今年のSGホールディングスは、どんなチームですか?
「昨シーズンと比べると、若い選手もどんどん試合に出ているので、若手の勢いと、中堅・ベテランがかみ合えば、力を発揮できると思うので、そういうバランスがとれればいいのではないかと思うんですけど・・・」
- 昨年、大きく変わった事といえば、小林良美監督が就任した点だと思いますが、小林監督はどんな監督ですか?
「私達がやりたいプレーだとか、やりたいソフトボールというのを元に、小林監督が持っている知識だったり、技術の面で、ソフトボールを教えてもらいながら試合や練習をやっている感じです。選手一人一人の個性など生かしてくれるような監督なので、もう少しそこを、監督が思い描いているソフトボールを出来るように、選手個人のレベルが上がってくればいいかなって思います」
- 小林監督は、常勝軍団(日立高崎)出身ですが、何かそういう所を感じる事はありますか?
「そうですね。遠征先で、日本代表監督の宇津木麗華監督や、色々なチームの監督とのつながりもあるので、私達も、ソフトボール界の色々な方に合わせて頂いて、色々なお話ができるので、凄い方なんだなって思います」
- 戦術的にはどうですか?
「ここは送りバントかな?と思った場面で《打て!》とか《打っていいんだよ》というサインは、私の選手生活の中でも、今までにない感覚で、結構攻めと言うか、攻撃的な指示がでるなと思います。そういうサインを見ると、任せてもらっているんだという、凄くイキに感じます」
- 新加入選手5人が加入しましたが、どんな選手ですか?
「高卒2名、大卒・専門学校卒が2名、いい選手が入ってきてくれていると思います。その子たちは、1人1人がちゃんと、もちろん個性もありますし、若いなりの思い切ったプレーも出来ますし、私達の昨年の成績を見て、入団してきてくれているので、ソフトボールに対して、凄い一生懸命にやってくれるので、チームにとってもプラスになっていると思います。
ベテランの市川選手は、これまでSGホールディングスは、自分達のチームしか知らない選手ばかりだったので、そこに新しく、違うチームを経験した選手や、監督・コーチが入る事は、チームにとって、凄く良い刺激になっていると思います。歳が下の子に結構話をしてくれているので、若い選手には、いい影響になっていると思います」
■最初は凄いサッカーをやりたくて・・・
- 皆さんは、会社でどんな仕事に就いているのですか?
「集荷とか、再配達の受付の電話オペレーターをしていたり、荷物を受ける、荷受けを担当している選手もいます。大体3名くらいに分かれて、各部署で仕事をしています」
- 荷受けもするんですね。
「そうですね。時期によっては、沢山荷物を持ち込んで頂くので。重たい荷物もありますし、荷受け場で働いている子は、夏はたくさん汗をかいて働いています」
- ちょっとしたトレーニングになりますね。
「(笑)そうですね。重い荷物を運ぶのは、結構、足腰に良いと思います(笑)」
- 会社の皆さんから声はかけられますか?
「昨年くらいから、順位も上がって、職場の方や、他の部署の方も、興味を持ってくれるようになりました。でも、土日にも仕事がある会社なので、遠征先の球場に駆けつけたりというのは難しいのですが、地元の京都大会とかは、応援に来てくれるので、そんな時は、皆さんから色々声をかけてもらいます。
私達が働く佐川急便にも、ソフトボール部はありますけど、私達はそのグループを束ねるSGホールディングスのオフィシャルソフトボール部としてやらせて頂いているので、《もっと結果を出せば、もっと沢山の方に応援してもらえるし、そいうチームになれる》と思っているし、小林監督も《結果を出せば、もっと応援されるし、そういうチームになれるチームだ》と日頃から私達に話しています」
- 柳瀬選手がソフトボールを始めたキッカケはなんですか?
「父も野球をやっていて、2歳上の兄が小学校に上がった時に野球をはじめて、その影響が大きいです・・・・けど、最初は、凄いサッカーをやりたくて『サッカーやる!』って言っていたんですけど、『お兄ちゃんが卒業するまでは野球をやりなさい』って言われて、野球をやっていたら、楽しかったのでそのまま続けて(笑)。で中学まで野球をやって、高校からソフトボールに転向しました」
- 何が楽しかったんでしょうね。
「兄に付いて、ボール拾いをしていたんですけど、最初は全然取れなくて、それが取れるようになったり、狙ったところに投げれるようになったり、本当に最初は単純な事だったと思うんですけど」
- 憧れの選手とかいましたか?
「選手というよりは、男子ソフトボールのスピードとかは、凄い勉強になるなと思っていて、良く見たりします」
- 会場が一緒になる事もないし、どうやってみるのですか?
「京都で、男子ソフトボールの決勝トーナメントが行われた時に、たまたま雨で順延になって、一日ズレた時に、SGホールディングスで、ボールガールをやった事があったんですよ。そこで試合を見て、凄く魅了されたというか、凄い世界だな!と感じました。迫力が凄いというか、気持ちを前面に出してやる所なんかは、取り入れたいなと思います」
- 最後にメッセージを!
「ぜひ会場に足を運んで頂いて、SGホールディングスの元気やパワー、明るさなどを見て頂いて、一緒になって試合を楽しんで頂ければと思います。ぜひ会場にお越しください。よろしくお願いします」
*写真は、チームからお借りしたものを使っています。
SGホールディングス・ギャラクシースターズ http://www.sagawa-softball.jp/
日本女子ソフトボールリーグ機構 http://jsl-women.com/
チケット購入方法 http://jsl-women.com/static_pages/view/ticket/
公益財団法人日本ソフトボール協会 http://www.softball.or.jp/
★日米対抗ソフトボール2018
http://www.softball.or.jp/nichibei2018softball/
(6月20日東京ドーム/21日シェルコムせんだい/23日福島県営あづま球場)
★第16回WBSC世界女子ソフトボール選手権大会
http://wswc2018chiba.com/index.html
(8月2日~12日@千葉県千葉市・成田市・市原市)
★第18回アジア競技大会
(8月19日~24日@インドネシア・ジャカルタ)
★2018 JAPAN CUP 国際女子ソフトボール大会 in 高崎
(11月2日~4日@群馬県高崎市)
(よこいみちひと)