森永卓郎が提言 自民党総裁選~日本経済を救うのはこの人!
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「垣花正 あなたとハッピー!」(6月6日放送)で経済アナリストの森永卓郎が出演。9月に予定される自民党総裁選挙において、誰が総理大臣になれば日本経済はよくなるのかを解説した。
自民党総裁選~モリタクの予想は安倍総理VS岸田文雄政調会長の一騎打ち
安倍総理の任期満了に伴って9月に自民党総裁選挙となります。この自民党総裁というのは、元々は2回までしか連続で出来ないという規定になっていたのですが、それを昨年安倍総理が変えて3期できるようになった。安倍総理は間違いなく出てくる。問題はその対抗馬が誰になるかということです。
世間ではいろいろ名前が出ています。石破茂元防衛大臣、野田聖子さんなどが出ていますが、安倍総理と岸田文雄政調会長の一騎打ちというのが私の予想です。この一騎打ちになってどちらが勝つかというのが最大の焦点なのです。
岸田さんにおそらく、竹下亘会長と石破さんがつくというのが私の予想です。そうするとかなりの勢力になります。そこで安倍さんはそこと戦うために麻生さんを持って来る。世間では「何で責任取って辞任しないんだ」と攻め立てていますが、安倍さんが麻生さんを切れない最大の理由は、この自民党総裁選にあると思います。
消費税増税凍結の安倍総理と10%に増税の岸田氏
私は安倍総理の政策に全部賛成しているわけではないのですが、こと経済だけに限ると、安倍さんが勝った方が圧倒的に良いと思っています。なぜかというと、財政のスタンスが正反対なのですよ。恐らくですけれど、安倍総理は消費増税、来年10月から10%にするということになっていますが、これを凍結に行くと私は見ています。
一方、岸田文雄さんは確実に10%に上げてきます。それはもう岸田派の政策骨子を発表するなかで、財政再建、持続可能な財政の運営というので、消費増税は絶対にやります。しなければ財政確保できないのですよ。
そして、石破茂さんも石破派の経済政策と極めて親和性を感じると言っています。つまり岸田さんの連合軍は、もう絶対に消費税上げるぞという路線です。
安倍総理は、歴代の総理大臣のなかで唯一だと思いますが、反財務省の政治家です。財務省とずっと戦い続けてきて、現に消費増税を2回も安倍さんは延期しています。財務省にとっては前科2犯なんです。
消費税増税がなぜ良くないのか~東京オリンピックの前年の景気が危ない
景気というのは実は波を打っています。景気が良いときと、悪いときと、ずっと来るわけです。実は景気の波というのは、5年周期と、10年周期とそれからだいたい2、30年周期と60年周期くらいで4種類あるんですけれど、大きなそれぞれの4種類がやっぱり確実にめぐっています。
10年前リーマンショックが起きました。その10年前アジアの金融危機が起きて、だいたい10年ぐらいごとに経済の危機が来るわけです。リーマンショックからもうすぐ来年で10年ですから、そうすると来年落ちる可能性が高い。しかも景気循環で見ても10年サイクルの、今年がピークです。今年から景気の波が落ちて行きます。そして、キッチン・サイクルという一番短い5年周期のやつも来年をピークに落ちていきます。
その上に2020年東京オリンピックがありますが、オリンピックの景気、バブルというのは、オリンピックの前年に弾けます。北京オリンピックのときもそうでした。なぜかというと、オリンピックはスタジアムができた後に、オリンピックをやる。作っているときに需要が出ますが、作った後オリンピックをやるから、需要は落ちるわけです。そうするとあらゆる意味で、来年は危ない。
その景気が失速するところに、消費税率なんか上げたらガタガタになるに決まってます。何故この議論をしないのかなと私は思うのですが。
実は無借金である日本の実情~消費税を上げる理由はない
さらにですね、財務省は、日本の財政は世界最大の借金を抱えていて、もう首が回らなくて、消費増税以外に手立てはないんだというキャンペーンを30年にわたってして来ましたが、これも真っ赤な嘘です。
現在、国全体で言うと、1,400兆円借金がありますが、金融資産、不動産、資産も950兆円持っています。預金と借金両建てにしているような感じになっていて、ネットの借金は450兆円しか無い。これは先進国の水準とほぼ同じなのですが、更に、通貨発行益というものがあります。これは国債は金利も払わなくてはいけないし、10年経って満期になったら元本を返さなきゃいけない。でも、日銀券=お札は金利を払いませんし元本も返さない。安倍政権がやった金融緩和のもう一つの顔は日銀が国債を買って代金として日銀券を支払うという金融緩和です。日銀は政府の子会社ですから、全体としてみると、安倍政権は国債を日銀券にすり替えたのです。つまり借金を借金ではなくしたのです。これを経済学で通貨発行益と呼びます。
いくらかというと通貨発行益はもう450兆円になっています。すると、借金が450兆円で通貨発行益が450兆円ですから、実は今日本経済は無借金なんです。去年もこの通貨発行益を加えると昨年度の日本の財政収支はなんと1兆円の黒字です。
ではなぜ財源確保のための増税をするかと言うと、その動機はないのです。消費税を5%に戻しても必要な財源8兆円ですから尚財政は黒字なのです。でも、こういうことを誰も言わない。みなさん財務省に忖度して言わないのだと思うのですが、私はとにかく少なくとも消費増税は辞めた方が絶対に良いと思います。
消費増税をする理由もない。今まで消費税を増税した増収分は何処に行ったかというと、法人税減税に回っているのです。だから別に何もしなければ、上げる必要なんか何もないのです。
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