麻原彰晃はなぜこのタイミングで死刑執行されたのか

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月9日放送)にジャーナリストの須田慎一郎と、ニッポン放送報道部森田耕次解説委員が出演。松本死刑囚の死刑執行について解説した。

東京 拘置所

東京拘置所 - Wikipediaより

オウム事件~麻原死刑囚ら7人刑執行

先週末、オウム真理教による一連の事件で死刑が確定した、教団の元代表、麻原彰晃(本名・松本智津夫)死刑囚ら7人の死刑が、東京拘置所などで執行された。オウム事件と裁判を取材し続けてきたニッポン放送報道部森田耕次解説委員に、今回の死刑について話を聞く。

飯田)松本智津夫死刑囚は刑が確定してすでに12年が経っていたということです。また、オウム裁判最後の被告人である高橋克也被告の裁判が1月に確定し、そこから6カ月以内に執行するというのも法律の建前。まあ、本人の刑の確定と執行についてはこの高橋裁判は関係ないのですが、平成が終わる直前のタイミングというのもあり、いろいろな憶測を呼んでいます。

森田)本来、刑事訴訟法であれば、死刑判決が確定してから6カ月以内に執行するということになっています。既に12年経っているので遅いと言えば遅いですが、オウム真理教の一連の事件の死刑囚13人のうち7人が今年3月に他の拘置所に移送された段階で、「そろそろ(執行)かな」と。私は国会閉会後の辺りに死刑執行があるのかな、と思っていましたが少し早い時期だったのと、7人同時だったのに驚きました。
来年は天皇陛下の退位と新陛下の即位があるし、再来年には東京オリンピックもある。そして今年も夏以降に高円宮家三女の絢子様の納采の儀もありますので、タイミングを見計らってのことだったのかな、とも思いました。

異例の国会開会中の死刑執行~来年以降のスケジュールが要因か

飯田)再来年は4月に国連の刑事や法律に関する会合が京都で行われる。「死刑に関してもそこで議論されるだろうから、その前に」みたいな話も憶測としてはありますね。須田さんはどう思いますか?

須田)これまで死刑は、国会開会中に執行したことは無かったのですよ。その点で言うと「まさかこのタイミングで!」です。ではなぜこのタイミングなのか。やはり森田さんが言われたように「来年さまざまな行事で立て込んでいるからそれに影響を及ぼさないように」だろうな、と。そこから考えるとこのタイミングしかなかったのだと思います。

飯田)国会開会中にいままで無かった、というのは慣例ですよね?

須田)慣例ですね。

飯田)国会の議論のなかで、その是非みたいなものは?

須田)当然、法務委員会などで法務大臣も出ます。そうしたところでの話を避けたいのもあり、あまり国会開会中にはやっていなかったのです。

飯田)今回は開会中ですので、その辺も議論になりますよね。

裁判で松本受刑者の奇行が目立ち始めるまでの流れ

須田)もう1つ。松本受刑者の精神状態が執行に耐えられる状態にあったのかどうか。当然、後に遺族側から裁判を起こされる可能性は高いでしょうから、そこに耐えられるだけの状況になっていたのか、ちょっと注目しています。

飯田)その辺ですが、森田さんはずっと裁判を傍聴して取材もしていましたよね。松本死刑囚の裁判での言動はどうでしたか?

森田)初公判のときは宗教論を展開したりしていました。裁判のなかで言動が変わり出したのは、弟子の井上嘉浩元死刑囚が証人として出てきて「全部麻原死刑囚の指示だった」と証言をしてから。急に英語を喋り出したり、あくびをしたり、居眠りして裁判長から叱られたり。あるいは不規則発言で退廷させられたり。そういうのが増えてきました。
「信じていた弟子に裏切られた」辺りから裁判の様子が変わってきているので、果たして本当の病気だったのかどうか。確かに拘禁ノイローゼというのは起こりがちですが、実際のところはどうだったのか疑問に思います。
特に「破壊活動防止法に適用するのではないか」という部分があって、その弁明を東京拘置所で松本元死刑囚にやったことがあるのですが、そのときには組織を守るために滔々と喋り続けていました。ですが、実際の自分の刑事裁判のときと破防法のときで喋りが全然違っているのです。

飯田)その滔々と喋っているところを見れば、もう理路整然と喋っている、と。この辺は判断が分かれるところですね。

須田)自分自身の裁判ではない他の被告の裁判では、2000年前後まできちんと喋って説明していました。だから「詐病ではないか?」という感じはします。

警察当局は遺体が教祖の神格化に用いられることを警戒

飯田)最後の最後のところへ来て、拘置所職員に対して「自分の遺体をどうするのか。四女に引き渡してくれ」と言ったと報道がありますよね。これを見ていると「最後まで判断していたじゃないか」と思ってしまいますね。

森田)法務省関係者は「まったく問題なかった」と言っていますね。四女の人は、去年11月に両親と縁を切るということで「相続人から両親を切り離してくれ」と言って、それが家庭裁判所でも認められている人なのです。一方で、元教団幹部だった妻の方は「遺体を引き取りたい」と、要求書を上川法務大臣宛に出しているので、この遺体の扱いがこれからどうなっていくのか。法務省が判断するのですが、警察当局などは「教祖の神格化に用いられるのではないか」と非常に警戒しています。

飯田)その教祖の神格化の意味で言うと、今回7人同時に処刑されましたが、ある意味で「教祖と高弟たち」に神格化されてしまうのでは、と危惧がありますがどうですか?

須田)すでに東京拘置所自体が聖地化していましたからね。その点で言うと、そういう利用をされる可能性が高いと思います。

飯田)その辺は、後継団体と公安が見ているアレフの団体について、警察はずっとマークし続けているわけですよね。

須田)ええ。警察及び公安調査庁ですね。その警戒を解くことはできないと思います。

飯田)一方で若い人たちは事件を知らない人も多いですからね。

森田)実はアレフには1,600人くらい信者がいますが、若い人をどんどんネットなどで勧誘している状況です。

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