ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」（7月13日放送）に外交評論家の宮家邦彦が出演。アメリカが安保理制裁委員会へ報告した北朝鮮の瀬取り問題について解説した。

瀬取りをしていたとみられる北朝鮮籍タンカー＝2018年5月19日。［防衛省提供］　写真提供：時事通信

北朝鮮が瀬取り89回、アメリカが安保理制裁委員会へ報告

アメリカの国連代表部は12日、国連安保理の北朝鮮制裁委員会に対して、北朝鮮が今年1月から5月の間に洋上で積み荷を移し替える「瀬取り」の手法で石油精製品を少なくとも89回輸入したと指摘する文書を提出した。これは制裁決議で定めた輸入上限に達した可能性が極めて高いとし、北朝鮮制裁委員会は国連の全加盟国に対し、今後北朝鮮に輸出しないよう早急に通知すべきだと指摘している。

飯田）アメリカの国連代表部は衛星写真の分析などで、89回入港したと指摘しています。積み込みの現場だけでなく、その後の動向まで補足していることがわかります。

宮家）彼らは全部見ていますよ。お金をかけて船を出して徹底的にやっているし、日本の自衛隊もこれには協力していると思いますよ。安保理の決議で、加盟国の義務ですから。恐らく89回では済まないでしょう。だって海だけではないですからね、陸だって絶対にあるはずです。私が何年も前に北朝鮮に行ったときも、中国の商人がいっぱいいましたから。

飯田）中朝の国境で、みんなビジネスチャンスを求めているとかいう。

宮家）悪いと言うつもりはないけれども、そう簡単には止めないですよ。首脳会談ではバラ色のことを言っているけれど、現実はこうであることを認識しなくてはいけません。

飯田）動きは捕捉しているけれど、実際に止めることはできなかったわけですよね？

宮家）止めるところまでは、敢えてやらなかったのだと思いますよ。国連の安保理決議をどう解釈するか、ある程度の裁量があると思います。その気になればもっと荒っぽいやり方もあるとは思いますが、さすがにそこまではまだやらないのです。将来的に実力行使もありうるけれど、いままでやってきていないので刺激的だとは思いますけれども。

飯田）船は別で動かしているから、本気になればできると。

宮家）だからいまのうちに止めておいたらどうですか、という警告ですよね。

飯田浩司のOK! Cozy up！
FM93AM1242ニッポン放送　月-金　6:00-8:00